樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ルノアールが描いた鳥

2019年04月18日 | 野鳥
花鳥画の伝統がある日本画には鳥を描いた作品がたくさんありますが、西洋絵画にはあまりありません。そんな中、ルノアールには珍しく鳥を描いた作品があります。正式なタイトルは、『鳥と少女(アルジェリアの民族衣装をつけたフルーリー嬢)』。ルノアールがアルジェリアを旅行した際に着想を得て、知人のフルーリー将軍の孫娘を描いたとのこと。



描かれたのは1882年。当時のフランスにはアラブ風俗に対する憧れがあったようで、ルノアールもエキゾチックな民族衣装を描きたかったのでしょう。画集などでは、少女が手にしているのはハヤブサと説明されています。
『ナショナル・ジオグラフィック』の昨年10月号に、中東で行われているハヤブサによるタカ狩りの記事があって、「古代メソポタミアの『ギルガメッシュ叙事詩』を見ると、現在のイラクに4000年前からタカ狩りがあったことがうかがえる」と記者が書いています。
私の推測ですが、アラブにはハヤブサを使ったタカ狩りが文化として定着しているので、民族衣装+ハヤブサ=アラブ風俗というアイコンが当時のヨーロッパでは成立していたのではないでしょうか。
しかし、バードウオッチャーならこの絵のハヤブサに違和感を覚えるはず。少女の体のサイズと比べると小さいのです。ハヤブサではなく、同じ仲間のチョウゲンボウではないかと思っていろいろ調べたところ、荒俣宏の『絶滅希少鳥類』に以下の記述がありました。「鷹狩りの黄金時代には、コチョウゲンボウは貴族の女性に愛され、彼女たちの鷹狩りに使われたので、“貴婦人のタカ”と呼ばれた」。
画像を拡大してみると、上面が紺色に描かれているのでコチョウゲンボウのようです。私の撮影ではないですが、下の動画はコチョウゲンボウ。



でも、どちらかというとネズミや昆虫など小動物を捕食するコチョウゲンボウで狩りの楽しみが味わえたのでしょうか。
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2 コメント

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Unknown (kazuyoo60)
2019-04-18 10:49:12
日本にも可愛い子、綺麗な方は大勢様ですが、白色系の少女の可愛さは格別です。
メインは鳥・ハヤブサなのに、ついつい少女の方に関心が行きます。
チョウゲンボウがビル群で狩りをしているのを、ダーウィンが来た?か、似た番組で見ました。
こちらはコチョウゲンボウという種類なのですね。
先ほど所要で出掛けて、近くまで帰ったときにカラスがビニールの包みを突いていました。弁当の食べ残しを運んできたのです。私が通りかかったので、電線へ飛んで、即落とし物をです。反対側を歩いていて良かったと思いました。(笑い)
kazuyo様 (fagus06)
2019-04-19 08:40:50
ハヤブサは自然環境の中では断崖絶壁に巣をつくって子育てするのですが、最近は断崖絶壁のような都市のビルでも巣をつくって生きています。
ニューヨークの摩天楼にもハヤブサがいますし、大阪でもホテルのベランダで繁殖しています。
チョウゲンボウもハヤブサと同じで、都市のビルで繁殖します。京都でも街のど真ん中のビルとか、JR二条駅でも子育てしました。
ハヤブサにとってはドバト、チョウゲンボウにとってはネズミなど餌には困らないので、都会でも生きていけるわけです。
カラスもそうですね、人家があれば餌に困らないですね。

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