樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

火災に強い生垣

2007年08月29日 | 木と防災
今度の土曜日、9月1日は「防災の日」。それにちなんで、樹木の防火力について2回連続でご紹介します。
以前ご紹介しましたが、京都には火災を防いだという伝説のイチョウがいくつかあります。東京にも火を防いで人を助けた「焼けイチョウ」が各地に残っています。
こうした伝説とは別に、関東大震災の事例をベースに樹木の防火力を調査したデータがあります。それによると、イチョウは葉をつけている夏はある程度の防火力を発揮するものの、落葉する冬はその効果が下るそうです。
逆に、カシ類、スダジイ、サンゴジュ、ネズミモチ、ツバキ、マサキ、アオキなどの常緑樹は1年中防火力を発揮するとのこと。サンゴジュの防火性も以前ご紹介しましたが、6月に国会議事堂を訪れた時、鉄柵の内側にズラーッとサンゴジュが植えてあるのを発見しました。国のいちばん大切な建物を火災から守ろうという意味かも知れません。

      
     (国会議事堂の生垣はサンゴジュ。白い花が咲いていました)

また、庭木や街路樹によく使われているのに防火力が低い樹は、カキ、ケヤキ、クスノキ、サルスベリ、シダレヤナギ。さらに、マツ、カイズカイブキなど葉に樹脂を含む樹やササ、タケは燃えやすく、シュロも幹の繊維に着火することがあるようです。カイズカイブキは生垣によく使われていますが、防火上は逆効果なんですね。

      
        (カイズカイブキを生垣にした家はけっこう多いです)

また、阪神淡路大震災の調査では、ウバメガシやカナリーヤシは火災への抵抗力が強く、クスノキ、ケヤキ、イチョウは中程度だったそうです。そう言えば、京都御所の生垣はウバメガシ。石垣の上には延々とウバメガシが植えてあります。国会議事堂や御所など重要な建築物は生垣にも防火性を考慮しているということでしょうか。

      
          (京都御所の生垣はウバメガシ)

樹木が火災を防ぐ要因は4つあって、①枝葉に含まれる水分が温度上昇を防ぐ、②樹体が輻射熱を遮る、③熱や煙を上に拡散させる、④火の粉を枝葉が捕らえて消火する。これを見ると、落葉すると防火力が落ちるのもうなずけます。
偶然ですが、わが家も北側の道路沿いにはアラカシを3本植えています。でも、東側は落葉樹だし南側はアジサイとブルーベリーしか植えてないから安心できないな~。
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4 コメント

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生垣 (guitarbird)
2007-09-03 17:22:16
こんにちわ、guitarbirdです
樹木の耐火性というのはまったく考えたことがなかったので、
この記事は新鮮でした。
しかし、こちらにない樹木ばかりです・・・
イチョウとケヤキは街路樹などではありますが。
それから北海道は建物の周りに生垣をあまり作らない、と、
前に聞いたことがあります。
もちろんまったくないわけじゃないですが。
北海道には (fagus06)
2007-09-04 07:33:31
自生の常緑広葉樹は少ないですもんね。
生垣を作らない、というのは何故でしょう。家と家の間隔があいているから? 伝統的な日本のスタイルよりも、欧米的なスタイルで建てられたから?
台風が少ないので防風のための生垣が不要だったから?
地域によって、いろいろ違いがあるもんですね。
理由は忘れました・・・ (guitarbird)
2007-09-04 12:39:31
ふたたびguitarbirdです
北海道で生垣を作らない理由は忘れてしまったのですが、
でも、間隔が広いのと欧米的なスタイルはどちらも関係ありそうです。
が、今ふと、自分の実体験による感覚で、思いつきました。
それが理由かどうか分からないですが、
生垣があると、冬の除雪でひどく邪魔になりますし、
その生垣の分の容積だけ、雪をよけておくスペースが減ります。
なるほど、雪か! (fagus06)
2007-09-05 08:05:06
そうですよね、私も生まれ育ちは雪深い田舎だったので、実感はあります。
北海道に生垣が少ない理由は、きっと雪ですね。納得しました。

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