樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

カツラ君

2007年05月04日 | 木の材
若葉が目に染みる季節。最近、近所で写真のような車に遭遇することが多く、思わず車間距離を長めにとります。

      

私も免許を取ったのは50歳前だったので偉そうなことは言えませんが、若葉マークと紅葉マークをつけて走るのは勇気が要るでしょうね。
うちのシンボルツリーのカツラも鮮やかな緑の若葉を広げてきました。今まで気に止めていなかったのですが、今年の芽吹きを観察してようやく雄株と確認できました。それを知らないはずなのに、なぜか妻は以前からこの樹を「カツラ君」と呼んでいました。

      
           (わが家のカツラ君の若葉)

その妻は神奈川県出身で、帰省のお土産に時々鎌倉彫りの木工品を持ち帰ります。その一つが写真のお盆。かなり使い古して、一度は落として割れたのですが接着剤で補修してまだ使っています。

       

この鎌倉彫りの材料はカツラ。鎌倉幕府が開かれてたくさんの寺院が建立されたとき、京都や奈良から多くの仏師が移住し、仏像のほかにお寺の什器を作ったのが鎌倉彫りの起源だそうです。
写真のように模様を浮かし彫りにし、模様のない部分にわざと刀痕を残すのが特徴です。手に持っても軽く、温かみがあります。このお盆のほかにも菓子皿や手鏡など、わが家には鎌倉出身のカツラ君があちこちにいます。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする