山の時間 Time to spend for mountain climbing-山行メモ

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塩ノ川・下部(思いの滝~ぎんぜんの滝)

2009年08月23日 | 沢登り
 塩ノ川を下部から溯行しようとすると源頭の浄土平まで2日かかる。今年の課題として上部と下部をそれぞれに1日行程で計画したが、上部は雨のため中止になってしまった。
 高山側の塩ノ川右岸は崩落がひどく、沢の様相が変わっていることもあって「つばくろ滝~ぎんぜんの滝」のゴルジュ通過に要する時間が計算できないでいた。前回の調査でも「つばくろ滝」も「ぎんぜんの滝」も最短での捲のルートを見つけ出せなくて退却していた。

<山行期間> 2009年 8月22日(土)
<コースタイム> 東北電力女沼取水口駐車場(7:51)→思いの滝(8:09)→捲き終了(8:24)→砂防ダム越え終了(8:50)→登山道手前30m滝(11:06,11:20)→捲き終了・登山道徒渉点(11:47,11:56)→的場川出合(12:01)→つばくろ滝(12:27)→捲き終了(14:35)→ぎんぜんの滝(14:47,15:17)→捲き終了(17:15)→登山道(17:24)→登山道徒渉点(17:49)→東北電力女沼取水口駐車場(19:22)
<メンバー>  I.I M.O H.S M.Y Y.K

 東北電力女沼取水口の駐車場に車を駐めて、思いの滝へ向かう。遊歩道を18分ほど歩くと塩ノ川の女沼への取水堰に着く。沢は全体的に暗く、水量も多い。思いの滝は下部10m、中間に深い釜を持ち、上部は15mで2段になっている。


取水堰から見た思いの滝


捲きの途中から中間の釜を覗き込む

 右岸の急斜面に取り付き少し登ると微かな踏跡を見つけることが出来る。これが思いの滝の捲き道で、釜の上部まで上がると古いトラロープが張ってあった。
 次に大きな砂防ダムが出てくる。上部が2段になっていて迫力がある。左岸にステップがついているので、これを利用する。沢に戻るには最上部の堰堤からステップを使って降り立つことができる。


思いの滝上部の砂防ダム

 8時48分、コンクリートの大きなブロックに出合う。これはパイロットから来ている道の潜り橋の残骸で、ここからも塩ノ川に入ることが出来る。
 次に4m斜瀑、8m×20mの斜瀑が出てくる。両岸は磨かれた岩で直登できない。左岸に捲き道を求めると、一段高いところにしっかりした踏跡があった。
 この先、数本左岸から枝沢が合わさる。顕著な右支沢には15mほどの滝が架かる。9時39分、6m滝、続いて7m滝が出てくるが、いずれも右岸を小さく捲くことができる。この後も小滝が連続する。
 10時33分、左から小沢を合わせると、崩落地に出る。高山は以前から脆弱な地質であると言われていたが、真新しい崩落現場は、まさにそれを証明しているようだ。
 長い崩落箇所を過ぎると左から2段15mの滝を架けて支沢が合わさり、次に塩ノ川最大の30m滝が出てくる。


塩ノ川最大の滝30m滝

 右岸を捲いて登山道へと出る。登山道は塩ノ川へと下り、渡渉して浄土平へと向かう。今では歩く人もほとんど無く、廃道化しつつある。特に仙水沼から先のヤブがひどい。
 登山道出合から再び溯行を続ける。5分ほどで的場川出合、さらに25分ほど進むと、今日の目的の一つである「つばくろ滝」に着く。35年前には滝の手前まで何とか登れて滝を見ることが出来たが、今では大岩が行く手を阻み滝の全容を見ることは出来ない。


つばくろ滝は大岩が邪魔して全容が見えない

 捲きにかかるが、崩落が進んでいることもあって小さく捲くルートを見つけ出すことが出来ない。すぐ脇の右岸のボロボロの支尾根に取り付くが上の台地までトラバース可能な箇所は見あたらなかった。前回同様に上部の台地まで追い上げられてしまった。上まで上がると微かな踏跡がある。
 すぐに下降に入る。木の根を支点にしてザレた急斜面をトラバースしながら下降する。フィクスを張って2ピッチ下降し、最後は25m目一杯の懸垂下降で沢床に降りた。
 次に5mの斜瀑、釜の奥には「ぎんぜんの滝」が姿を現す。


ゴルジュの先には「ぎんぜんの滝」10mが姿を現す

 時間は14時45分、すでにタイムオーバーである。下降の途中に引き返すことなど頭をよぎることも無く時間は刻々と過ぎていた。
 ぎんぜんの滝は右岸捲きであることは頭に入っていたが、左岸のバンドを何とか越せないか突っ込むが上部は岩が張り出し越すことは出来なかった。30分時間をロスして15時17分、右岸の岩場とザレ場を直登することにした。50mロープを目一杯延ばし2ピッチで台地まで登り返した。メンバーをを引き上げて時間はすでに16時40分を回っていた。
 先月下見をしていたゴルジュ帯の上部から登山道に抜けることが可能なので、登ってきたルートを戻らないで、先に進むことにした。17時15分、ゴルジュ帯をパスして沢に降り立つ。左岸の斜面を登れば登山道はすぐである。17時24分、男沼~浄土平の登山道に出る。つばくろ滝まで1時間、登山道に抜けるまでさらに2時間のタイムオーバーである。今回の山行の目的はクリアーしたものの、予定より3時間も遅れての行動は問題を残した。つばくろ滝からぎんぜんの滝とその上の10m滝までのゴルジュ帯の通過は崩落も進んだこともあり、すべての滝を確認することが目的でなければ、一括して捲いた方が無難だし時間の計算も立つ。捲きは1時間ちょっとで済むと思う。
 塩ノ川を渡渉して男沼へ向かってしばらく行くと周りは暗くなり、久々にヘッドランプをつけて歩くことになる。車を置いてきた東北電力女沼取水口の駐車場へは19時22分に着いた。(I.I)
 

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