映画と音楽そして旅

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(シネマ雑記帳) (48)「ザッツ・エンタティメント」PART1

2005-12-11 18:47:47 | 映画
 MGMと云えばライオンが咆哮するのでお馴染みのメトロ映画ですが、メトロと云えば「ミュージカル」「ミュージカル」と云えば「メトロ」と云われていた時代がありました。この映画はこの古き良き時代にピントを合わせて製作されました。
 オープニングは「2004年度全米映画音楽ベスト100」第一位の「虹を超えて」それから「ハイ・リリー・ハイロー」そしてあのジーン・ケリーが雨の中で踊るシーンが有名な「雨に唄えば」などのメロディに乗って始まりました。
 レスリー・キャロンが映画「リリー」で歌った、あの懐かしい主題歌を耳にして、思わず涙が出そうになりました。このメロディを耳にするの五十年ぶりなんですよ!五十年ですよ!メトロさん‥‥ 有難うさんね!
 MGMの総力を結集して製作されたこの映画、ほんとに珍しい場面が観られました。
 つい先日ブログで取り上げた「地上より永遠に」で、いじめられ役になった往年の大歌手兼ミュージカル・スターの、フランク・シナトラが進行役で登場しました。そして若かりし頃のフレッド・アステアがエリノア・パウエルという、私も初お目見えのスターと組んで、見事な踊りを見せてくれました。
 1930年代はミュージカル映画を作りすぎて、MGMではスターが足りなくなり、専属俳優は強制的にミュージカル映画に駆り出されたそうです。
 1950年代に映画自体よりも主題歌の「ジャニー・ギター」の方が、有名だった「大砂塵」に出ていた、サイレント時代からの大女優ジョン・クロフオードが、踊らされていたのには驚きました。しかしこの方面には不向きということになって、普通の映画だけになったとかです。
 それにしても「風と共にに去りぬ」の、バトラー船長役のクラーク・ゲーブルも同じように、大真面目で踊っていたのには思わず笑っちゃいました。
 ジンジャー・ロジャーズがアステアと組んで踊っていて、もともとこの道のスターだったようで、それが結構お上手なですよ。彼女の映画は観ているはずですが、題名は申し訳ないけどちょっと忘れました。「トップ・ハット」という映画が、このコンビの映画だったと思うのですが、ちょっと自信がありません。
 圧巻はやはりフレッド・アステアとシド・チャリシーの、「バンド・ワゴン」での夜のダンス・シーンですね。とてもフアンタジックで、思わず何度か繰り返し見ちゃいました。
 やがて我が青春時代のアイドル・スター、デビー・レイノルズが進行役として登場しました。あの傷心のスターも今は元気いっぱいで、流石にお年は隠せませんがそれでもあの頃の輝きは変わっていない‥と(私は)感じました。デビュー当時の映画の画面を示して「あそこで歌っている変な少女が私です。歌の声は吹き替えです」と正直に紹介してくれました。
 「宝塚レビユーは「清く正しく美しく」でしたが、MGMの合言葉は「大きく正しく上品に」だったそうで、この方針は1950年代にジーン・ケリーとフランク・シナトラの名コンビによる「踊る大紐育(ニューヨーク)」や「錨を上げて」で大きく花開きます。私が「錨を上げて」を見たときに、今では覚えていませんが、シナトラがアニメのナズミと踊るシーンがあったそうですが、これが大きく受けた‥とかでした。
 ラストは50年代ミュージカル映画の原点とも言うべき、「巴里のアメリカ人」のダンス場面でした。ジーン・ケリーの相手役に抜擢された、レスリー・キャロンは後にいうところのファニー・フエィスでしたが、とにかく若くてフレッシュという感じのスターでした。
 この作品はPART2~3まであるので、続編に大いに期待しましょう。