自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★2016 ミサ・ソレニムス‐続々

2016年12月30日 | ⇒ドキュメント回廊

        先ほど2016年最後の取引となる日の東京株式市場で日経平均株価が大引けとなった。終値は前日に比べ30円77銭安の1万9114円37銭。12月に入り、「トランプ効果」を期待して、2万円突破かなどと言われていたが、やはり相場は相場だ。

   最近のニュースで、いろいろ数字が気になった。というよりショックだったのが、厚生労働省が発表した統計だ。2016年に国内で生まれた日本人の子どもの数は98万1000人で過去最低で、統計を取り始めた1899年以降初めて100万人を割り込む見通し、と。これにともなって、死亡数が出生数を上回る自然減は10年連続となり、人口減に歯止めがかからない。

         いつの間にか恐ろしい数字が飛び交っている

   さらに数字を拾っていくと、日本は年間に30万人ずつ人口が減っている。この減り方は、出生数の減と高齢化の増で今後は50万人、60万人と減少幅は大きくなっていくことになる。現在の鳥取県(57万人)、島根県(69万人)、高知県(73万人)くらいの人口分が年に一つずつ消滅していくことになるだろう。そうなると、次世代の地域を誰が支えるのか、国民一人ひとりの負担額は大きくなってくる。では、移民政策を推し進めるのか。移民が流入するヨーロップの混乱ぶりを見ていると、簡単に移民政策をと主張することもできない。では、座して死を待つのか、新年をまえに何とも暗く重苦しい気分になってくる。

   とんでもない数字が飛び交った。経済産業省が、東京電力福島第一原子力発電所の賠償や廃炉費用の合計が20兆円を超えると試算しているという。11兆円としてきたこれまでの想定の2倍に膨らんでいるのだ。福島第一原発の事故の賠償や廃炉などにかかる費用が20兆円を超える規模に膨らむ見込みであることが分かった。当初の見込みでは賠償は5兆4000億円、除染は2兆5000億円、廃炉は2兆円で約11兆円。それが、新たな試算では賠償は対象が増えて8兆円、除染は長期化により4兆円から5兆円に膨らみ20兆円を超えたのだ。増加分を誰が負担するか。原則的には、東京電力だが、一部は電気料金に上乗せされる見通しだという。

   福島原発事故を受けて、多くの国民は原発に否定的な眼差しを向けるようになった。鹿児島県知事選(7月10日)や新潟県知事選(10月16日)の結果でもそれが如実に表れている。しかし、政府は、原発に依存するエネルギー政策を維持しており、2030年度には全発電に占める原発の割合を20-22%にするという目標も打ち出している。今後新たに原発を建設しないとこの目標は達成できないとも言われている。

   原発の運転で生じるプルトニウムもたまり続けている。すでに国内外に50トンのプルトニウムがある。プルトニウムは原爆の材料にもなる危険な物質だが、原発で使う核燃料の材料にもなるという理由から政府はプルトニウムを増やす施設の建設を続けていく方針だ。北欧ではプルトニウムを地下数百㍍に埋める仕組みを実現させようとしている。仮に処分できたとしても、無害化まで10万年かかるようだ。人間がとうてい責任を負えないようなとんでもない数字が飛び交っている。

⇒30日(金)夕・金沢の天気   くもり


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