自在コラム

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★NHKの同時配信の意義はどこに

2019年11月11日 | ⇒ニュース走査

   NHKが民放に先駆けて進めている番組のインターネット同時配信について、待ったがかかった。高市総務大臣が閣議後の記者会見(11月8日)で、NHKが同時配信の認可を総務省に申請していることに関して、コストが適正かどうかなど懸念を述べ、NHKの肥大化につながる恐れがあるとの考えを示した、と報じられている。

     NHKの同時配信はことし5月29日に改正放送法が参院本会議で可決成立したことを受けてのことだ。同時配信の時代が日本にも遅ればせながらやってくる、と期待している。遅ればせというのは、同時配信はイギリスの公共放送BBCは2008年から、そのほかアメリカやフランスなど欧米では当たり前のように行われているからだ。PCやスマホがあればリアルアイムで世界のニュースを視聴できる時代なのだ。

   それになぜ待ったがかかったのか。NHKは総務大臣の認可を経て2019年度中の開始を予定しているが、見直しを迫られる事態となった。問題は、NHKが提出した同時配信の実施基準案についてだ。基準案では、同時配信などの基本業務は受信料収入の2.5%を上限とする今の基準を守るとした。一方で、1)東京オリンピック、2)国際放送の配信、3)字幕と手話への対応、4)地方向け放送や民放連との連携の4業務は公益性が高いので別枠扱いにするとした。これに対して、総務省サイドは費用が最大で受信料収入の3.8%に膨らむではないかとクレームをつけたかっこうだ。

   自身の個人的な考えで言えば、総務省サイドの意見に齟齬(そご)はない。NHKは最優先の公益性を災害報道だと位置づけ、同時配信をまずスタートさせることを考えるべきだ。関東を直撃した台風19号(10月12日)では、NHKは情報の量と速さ、ネットワークといった点で、民放を寄せ付けなかった。自然災害は台風と豪雨・洪水だけではない。豪雪、干ばつ、地震、津波、火山噴火、土石流・地滑りなど、日本の災害は多様だ。狂暴化し、広域化する自然災害に向けての同時配信を早く進めてほしい。国際放送の配信や民放との連携など次なるステップでよい。

   国民の命と財産を守るための情報はNHKの本来のミッションのはずだ。災害はいつでもやって来る。繰り返すが、同時配信をそのものを早く進めてほしいそれだけだ。(※写真は、2011年3月11日の東日本大震災で津波で陸に打ち上げられた大型漁船=宮城県気仙沼市)

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