自在コラム

⇒ 日常で観察したことや環境問題、金沢大学での見聞、マスメディアとインターネットについての考察を紹介する宇野文夫のコラム

★ホスピタリティのプロ対応

2020年02月10日 | ⇒ニュース走査

    1000人の大台が間近になってきた。肺炎を引き起こす新型コロナウイルスによる死者が中国で91人増え、中国全土の死者は計902人となった。感染者も全土で3万9000人となった(10日付・共同通信Web版)。収まる気配がない。

   TVメディアなどが連日報じている、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新たに6人の感染を確認され、乗客乗員の感染者数は計70人となった(同)。「ダイヤモンド・プリンセス」のニュースで目を引いたのは、クルーズ船の運航会社「プリンセス・クルーズ」(本社:アメリカ・サンタクラリタ)は、集団感染が発生した今回のクルーズでの旅行代金を全乗客に全額払い戻し、無料にすると明らかにしたことだ(10日付・産経新聞Web版)。

   記事によると、同社は9日夜、船内の客室で待機する乗客に社長のメッセージを配布し、クルーズの旅行代金だけでなく、クルーズ前後の航空費やホテル宿泊費、送迎料金、オプションの寄港地での観光ツアーなども含め、今回の旅行で乗客が支払った全ての代金を全額を払い戻すとした。検疫下に置かれた待機期間中の費用も請求しないとしている。「ストレスを少しでも緩和できるよう願っています」との社長メッセージが添えられている。

   単なる太っ腹ではない。利益より客にストレスを与えないことを最優先するという、ある意味で「もてなし」と察する。もてなしはホスピタリティ(hospitality)と訳される。欧米のもてなしは癒しが言葉のルーツだ。サービス(service)は役に立つことや奉仕 、供給などの意味はで解釈されるが、ホスピタリティとはニュアンスが異なる。

   プリンセス・クルーズ社は現状の隔離状態によって、乗客に精神的な苦痛で与えていると相当重く受け止めたのだろう。しかし、現状では我慢を引き続きお願いするしかない。そこで金銭的な負担を一切かけないことで、ストレスを少しでも和らげる客対応に打って出た。乗客とすれば、会社側が大幅な経営赤字になることを覚悟でメッセージを丁寧に届けてくれたことを評価するだろう。「プリンセス・クルーズ社は私たちと痛みを分かち合ってくれている」と。こうした相互の信頼関係の構築がストレスの緩和になるのは言うまでもない。

   混乱の中での冷静な対応に、プロ意識を感じる。ウイルス感染の暗いニュースの中で心が和らぐ物語ではある。(※写真はプリンセス・クルーズ社のホームページより)

⇒10日(月)午前・金沢の天気    くもり時々ゆき


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