自在コラム

⇒ 日常で観察したことや環境問題、金沢大学での見聞、マスメディアとインターネットについての考察を紹介する宇野文夫のコラム

★「加賀停太郎」の広報戦略

2018年11月18日 | ⇒トピック往来

   役所が制作したPR動画なのだが、これが面白い。笑える。加賀市役所が2023年の北陸新幹線敦賀開通をにらみ、最速新幹線「かがやき」を加賀温泉駅に停める「新幹線対策室」を開設したという想定で、室長の加賀停太郎と室員が繰り広げる、役所をモチーフにした動画だ。総集編を入れて9本の動画の総視聴数は38万8千回(11月18日現在)にもなる。

   「どんな手を使っても加賀温泉駅に新幹線を停める!」と声を荒げる加賀停太郎役の横田栄司氏(文学座)ははまり役だ。昨年5月から8月にかけて公開した4本の動画のシリーズ。加賀市観光協会が地元のPRに頭を抱える会議の場にいきなり髭面の男、加賀停太郎が登場する。加賀市新幹線対策室が動き始め、新幹線招致に向けた作戦会議を行う。旅館の女将が思いついた名案は加賀美人たち総出のもてなし作戦。 加賀市の魅力的な観光スポットを求めて中央公園を訪れるが、閑散とした園内。加賀停太郎が乏しい観光資源を嘆きながらも「金沢には負けないぞ!」「調子に乗るな、金沢!」と叫ぶ自虐的なシーンが笑える。

    ことし6月に公開した4本のシリーズ第2弾は、自虐的なコンセプトから一転する。順風満帆に見えた加賀市新幹線対策室にライバルが出現する。加賀停太郎の前に現れたのは、「かがやき」の停車駅候補ではライバル関係にある隣接・小松市の新幹線対策室の小松停太郎(俳優・伊藤明賢氏)。2人は加賀市と小松市がそれぞれがカニ料理や自慢の温泉、地酒で対決するというコンセプトだ。第2弾は「かがやき」停車というより、観光PRにシフトした印象を受ける。

    それにしても、加賀市の広報戦略は注目に値する。こうした動画だけでなく、加賀市は東京在住の海外メディア特派員を招いて、環境に優しいカモ猟として知られる「坂網猟」の現地見学会を通じて国際発信をしたり、ミス・インターナショナル世界大会に出場する国や地域の代表を招いて和装体験や温泉のお座敷遊びを楽しんでもらい、彼女たちのSNSを通じて加賀市をPRするなど、手の込んだ広報手段が目を引く。実にしたたかな広報戦略なのだ。(※写真は加賀市のHPより)

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