自在コラム

⇒ 日常で観察したことや環境問題、金沢大学での見聞、マスメディアとインターネットについての考察を紹介する宇野文夫のコラム

☆経済不況という寒波

2020年02月06日 | ⇒トピック往来

  北陸にようやく雪が降った。今季初めてお目にかかる「初雪」だ。ただ、金沢の自宅周囲で数㌢なので、ごあいさつ程度の積雪だ=写真=。朝、ご近所さんと言葉を交わしたが、「ようやく降りましたね」と声がけすると、「もうちょっと降ってもらわんと心配やね」だった。北陸人にとっては降るべき時に降ってもらわないとこれからのシーズンで反動があるのではないかと不安が募る。これから1週間の天気予報をチェックすると、9日に雪マークがついている以外は、ほかに雪の予報はない。ひょっとして、これが名残雪(なごりゆき)か。

   日本でも広がり続く新型コロナウイルスだが、共同通信Web版(6日付)によると、中国本土の死者は6日現在で563人となり、感染者は2万7000人を超えた。武漢市の死者は414人、感染者は1万117人となった。きのうのブログでも述べたが、日本に帰国した邦人565人の感染率1.4%から推測しても、人口1100万人といわれる武漢市では感染者が15万4000人でも不思議ではない。おそらく検査体制が追い付いていないのだろう。現地の混乱ぶりがこの数字から読める。

   6日の東京株式の日経平均は大幅続伸して始まり、午前9時15分現在で前日比387円高の2万3706円。おそくら、ニューヨーク株式のダウが大幅に続伸し、9営業日ぶりに2万9000㌦台を回復したことを受けてのことだろう。勢いづく株式投資とは裏腹に、中国での経済減速の影も見え隠れしている。

   東証一部の上場企業である化学素材メーカー「小松マティーレ」(本社・石川県能美市)が、中国・江蘇省で計画していた合成繊維の加工・染色の新工場を見送り、連結子会社を解散・精算すると発表した、と地元各紙が伝えている。新工場で中国やヨーロッパ向けに衣料などの生産体制を増強する予定だったが、中国の経済の減速を受けて当初予定していた需要が見込めないと判断したようだ。要は、現地判断で経済復興は当面見込めないと判断し、投資を撤回したのだろう。

   もう一つ。「KOMTRAX(コムトラックス)」という「経済指標」がある。小松製作所(コマツ)が販売したブルドーザーなどにGPSをつけて自社製品の稼働状況を確認するために備え付けたデータだ。これによって各国に輸出した建機の稼働状況がわかり、経済状況もある意味で判断できる。昨年のデータ(前年同月比)を見ると、北米(アメリカ、カナダ)はプラスの月が多いが、日本、ヨーロッパ、中国はマイナスの月が多い。中でも中国は1月と10月に10数%の大幅なマイナスだ。

           では、日本はどうか。実はこの数字を眺めていて寒気を感じる。9月のプラス3.1%以外は11ヵ月すべてマイナスだ。9月のプラスは観測史上最強クラスのといわれた台風15号が関東を中心に甚大な被害を出したことから、ブルドーザーなどの需要があったのだろう。では、さら強力な台風19号が猛威をふるった10月はどうだったのか。関東・甲信越の河川の堤防が140ヵ所で決壊して甚大な被害があった。それでも、10月は7.9%、11月は2.9%のマイナスだった。少々不謹慎な言い方かもしれないが、もし台風19号が来なかったら中国並みの13.7%のマイナス、あるいはそれ以上だったかもしれない。財政支出の息切れでインフラ整備が滞り、経済不況がじわりと忍び寄っている。中国のことは言っておられない。

⇒6日(木)午前・金沢の天気    くもり


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