自在コラム

⇒ 日常で観察したことや環境問題、金沢大学での見聞、マスメディアとインターネットについての考察を紹介する宇野文夫のコラム

☆「雪中四友」のころ

2020年01月15日 | ⇒ドキュメント回廊

  「雪中四友(せっちゅうしゆう)」という言葉がある。厳冬のこの季節でも咲く4つの花、ロウバイ、ウメ、サザンカ、スイセンのことだ。我が家でもこの時節、床の間に飾る花はロウバイとスイセンの「ニ友」である=写真=。晴れ間を見計らって庭に出て、2種の花を切ってくる。黄色い花のロウバイは「蝋梅」と漢字表記され、ほのかな香りも楽しめる。

         もう一つの花、スイセンも可憐に咲き誇っている。学名の「Narcissus(ナルシサス)」はギリシャ神話のエピソードに由来するそうだ。美しいがゆえに、「自己愛」「神秘」といった花言葉がある。二友はそれぞれに花の個性を放っているものの、二友を引き立てる「雪中」の状況がいまだにないのは心もとない。

   金沢地方気象台は昨年12月6日に初雪を観測と発表しているが、正確には「みぞれ」を観測したのだ。みぞれは、雨と雪が混在して降る降水のこと。北陸に住む者の感性では、本来の雪とは表現し難い。それはさておき、1月半ばに入ったきょう現在でも、雪がなし状態が続いている。ご近所さんとの年初のあいさつは「雪が降らんで、いい正月やね」だったが、最近は「雪が降らんで、これはこれで気味悪いね」に変わってきた。

   積雪に備えて庭には雪吊りを施し、路面凍結でも走行できるように自家用車もスタッドレスタイヤに交換している。心の準備はでてきているのに、その雪がない。肩透かしをくらった格好だ。そんな話を友人たちとすると、「何を狼狽(ろうばい)しとる。大寒は今月20日やろ、心配せんでもこれからドカッと降るわな」と笑われた。

   雪に対する北陸独特の感性がある。雪害に対するリスク管理は個人の責任である。そのために、雪害と正面から向き合う。大雪が降れば、地域の人たちは道路の除雪するために協働し、屋根雪下ろしに互助もいとわない。

   逆に、雪をよく知るがゆえに雪をめでる。冬のこの時期に、雪見茶会が開かれる。抹茶をいただきながら、雪見障子ごしに庭をめでる。雪吊りの庭の雪景色はまさに造形と自然の融合デザインではある。少しは雪が降ってほしいものだ。

⇒15日(水)夜・金沢の天気    あめ


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