【雲南地域】森林・林業のお知らせ

(島根県東部農林水産振興センター雲南事務所 林業部が伝える情報ブログ)

雲南地域の林業の活性化に向けて

2016年03月18日 | その他

森林・林業戦略プランは、島根県の農林水産業の基本施策である 「新たな農林水産業・農山漁村活性化計画」に基づき、具体的な取り組みを示した行動計画です。各プロジェクトの取組期間は4年を1期として設定されており、第2期戦略プランである現行プロジェクトの取組期間は平成24年度から27年度まで。すなわち、今年度はいよいよ最終年度となります。当圏域では「木材生産」、「木材利用」、「キノコ」の3つのプロジェクトに取り組んでおり、今期のまとめと平成28年度から始まる第3期プランを議題としてプロジェクト会議を開催しました。 

【雲南の木増産プロジェクト】 雲南圏域の人工林率49%は県内一。スギ人工林を中心に主伐及び搬出間伐で年間55千m3前後の素材生産を行っています。積極的な路網整備と機械導入により生産性の向上を図りながら、さらなる木材生産量の増加を目指しています。第3期プロジェクトでは、伐採事業者と造林事業者の施業連携や優良苗木の安定生産などをメニューに加え、取り組みを進めていくこととしています。

また、今回の会議では、中山間地域研究センター岩田研究員によるコスト分析の報告がありました。これは、圏域内の4つの事業体より主伐または搬出間伐のデータを事前に提供いただき、それを分析したものです。これらは施業地によって地形(傾斜、斜面形状)や林況(樹種、林齢、樹高etc)が異なり、路網の配置や作業システムも異なるため、一概に比較することはできません。しかし、生産性の高い事例、生産コストが低く抑えられた事例については、そのポイントがどこにあるのか参考にしてもらえればと思います。 

【雲南の木活用促進プロジェクト】合板用原木の需要が高まる中、合板用原木を安定供給しつつ、いかに製材用原木を地域の製材所に供給していくかが大きな課題です。そのためには、各市町に整備されたストックヤードを活用しながら用途によって原木を仕分けし、効率的な原木の集出荷体制を構築していく必要があります。新築の住宅着工戸数が伸び悩む中、公共木造建築を起爆剤とし地元製材所の活性化を図っていきたいところです。ところが公共建築の場合、発注の時期、工期と木材の調達、乾燥・加工のタイミングをうまく合わせるのが難しいため、各関係者間で早い時期から情報を共有し連携をとりながら進めていく必要があります。 

【奥出雲キノコの里づくりプロジェクト】奥出雲地域の菌床しいたけは「奥出雲ブランド」として知名度が高く、雲南圏域の所得向上に大きく貢献してきました。主力商品である菌床しいたけのさらなる品質向上や安定生産を図りながら、新たな商品の開発や栽培技術の向上に取り組み、販売促進活動を通じてキノコの生産振興を図っていきます。

 冒頭でもお知らせしたように、第2期戦略プランは今年度で終わりますが、来年度より第3期戦略プランが始まります。プロジェクト名こそ変わりませんが、継続的にやっていくことはより発展するよう、また第2期プランで課題として残ったことは解消し、新たな取り組みも進めながら、雲南地域の森林林業の活性化を図っていきたいと思います。

 


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