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不動産受験新報2007年12月号 平成19年度 宅建試験 解答と解説その2

2007-12-04 09:00:00 | Weblog
住宅新報社・月刊「不動産受験新報」20007年12月号
       (毎月1日発売 定価910円)


平成19年度 宅建試験 解答と解説その2

今回の解答と解説については,次の先生方にお願いしました。(アイウエオ順)合田 格,井尻茂美,伊藤陽三,岩本周二,植杉伸介,小川多聞,鈴木 優,瀬川丈夫,十影 響,福田隆光

【問 18】 正解 1
1 正しく正解。高度地区の定義そのままの問題文。高度地区は,用途地域内において市街地の環境を維持し,または土地利用の増進を図るため,建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区である(都市計画法9条17号)。
2 誤り。三大都市圏の一定の都市や指定都市の都市計画区域では,都市計画で区域区分を定めることが義務付けられているが,それ以外の都市計画区域では義務付けられていない(7条1項)。
3 誤り。届け出るのは工事着手後ではない。地区計画の区域(道路,公園などの政令で定める施設の配置および規模が定められている再開発等促進区または地区整備計画が定められている区域に限る。)内で,土地の区画形質の変更,建築物の建築その他政令で定める行為を行おうとする者は,当該行為に着手する日の30日前までに,行為の種類等について,市町村長に届け出なければならない(58条の2第1項)。
4 誤り。都市計画の決定または変更の提案をすることができるものとしては,当該提案に係る土地の区域内の所有権または建物の所有を目的とする借地権(地上権・賃借権)を有する者のほか,まちづくりの推進を図る活動を行うことを目的として設立された特定非営利活動法人,民法の法人その他の営利を目的としない法人,独立行政法人都市再生機構,地方住宅供給公社,まちづくりの推進に関し経験と知識を有するものとして国土交通省令で定める団体またはこれらに準ずるものとして地方公共団体の条例で定める団体がある(21条の2第1項,第2項)。
楽学宅建 p.429「地域地区」 パーフェクト宅建 p.231「区域区分」,p.238「地域地区」,p.251「地区計画等の区域内における建築等の規制」
【問 19】 正解 4
1 誤り。開発許可を受けた開発区域内で用途地域などが定められていない場合,工事完了公告後に,当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物の建築等をするには,都道府県知事の許可が必要であり,その旨の届出をすればよいということではない(都市計画法42条1項)。
2 誤り。開発許可を受けた開発区域内で,工事完了公告後,国が行う行為については,当該国の機関と都道府県知事との協議が成立することをもって,知事の許可があったものとみなされるが(42条2項),地方公共団体について,このような規定はない。
3 誤り。都道府県知事が開発許可をする場合に,当該開発区域内の土地について,建築物の建ぺい率等に関する制限を定めることができるのは,「用途地域の定められていない」区域だけである(41条1項)。したがって,必ず用途地域が定められる市街化区域において,本肢のように建ぺい率に関する制限を定めることはできない。
4 正しく正解。市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内では,都道府県知事の許可を受けなければ,原則として,建築物の新築,第一種特定工作物の新設,建築物の改築,用途変更をすることはできないが,その例外の一つとして,公民館は公益上必要な建築物なので,知事の許可を受けなくても建築することができる(43条1項,29条1項3号)。
楽学宅建 p.439~p.440「建築等の制限」 パーフェクト宅建 p.282~p.287「建築制限」
【問 20】 正解 1
ア 庭球場(テニスコート)は,10,000㎡(1ha)以上の場合に第二種特定工作物になるが,5,000㎡では,第二種特定工作物には該当しない。このため,市街化調整区域内であっても,この場合,開発許可は不要である(都市計画法29条1項,4条11項,施行令1条2項1号)。
イ 図書館は,開発許可の不要な公益上必要な建築物に該当するので,区域・開発規模面積によらず,開発許可は不要である(29条1項3号)。
ウ 農業,林業,漁業の用に供する政令で定める建築物やこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的の開発行為は,市街化調整区域,区域区分が定められていない都市計画区域,または準都市計画区域内で行う場合,開発許可は不要だが,市街化区域内ではこのような例外規定がないため,開発規模が1,000㎡を超える場合には開発許可が必要になる(29条1項2号)。
 以上により,開発許可を受ける必要のないものの組合せはアとイであるから,1が正解。
楽学宅建 p.435「開発許可が必要となる場合」,p.436「許可不要となる開発行為」 パーフェクト宅建 p.267「特定工作物」,p.269「許可の適用除外」
【問 21】 正解 1
1 正しく正解。共同住宅は特殊建築物であり(建築基準法・別表第1(い)),その用途に供する部分の床面積が100㎡を超えるものについて大規模の修繕をしようとする場合は,建築確認を受けなければならない(6条1項1号)。
2 誤り。建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質(「石綿等」)を添加したり,石綿等をあらかじめ添加した建築材料を使用することは禁止されている(28条の2第1号,第2号)。
3 誤り。必ず耐火建築物にしなければならないのは,防火地域内では地階を含む階数が3以上または延べ面積が100㎡超の建築物であり,準防火地域内では地階を除く階数が4以上または延べ面積が1,500㎡超の建築物である(61条,62条1項)。したがって,準防火地域内では延べ面積が1,000㎡超の建築物はすべて耐火建築物にしなければならないわけではない。
4 誤り。延べ面積が1,000㎡超の建築物は,防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し,かつ,各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならないが,耐火建築物または準耐火建築物ではこの規定は適用されないので,本肢は誤りである(26条1号)。
楽学宅建 p.444「建築確認」,p.465~p.467「防火地域・準防火地域内の制限」 パーフェクト宅建 p.299~p.301「防火地域内・準防火地域内の制限」,p.333「一般規制(4)防火壁」,p.335「一般規制(9)」,p.337「建築に関する手続」
【問 22】 正解 4
1 誤り。第二種低層住居専用地域内においては,美容院は,その用途に供する部分が2階以下,かつ150㎡以下であれば,建築することができる(建築基準法48条2項,別表第2(ろ)項,施行令130条の5の2第2号)。
2 誤り。第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域に関する都市計画において外壁の後退距離の限度を定める場合,その限度は「1.5mまたは1m」である(54条2項)。
3 誤り。第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域内においては,建築物の高さは,原則として,10mまたは12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない(55条1項)。
4 正しく正解。第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域内においては,隣地斜線制限は適用されない(56条1項2号)。
楽学宅建 p.442「建築基準法」 パーフェクト宅建 p.290「建築物の用途制限」,P314「外壁の後退距離の制限」,p.317「建築物の高さに関する制限」
【問 23】 正解 1
1 誤りで正解。都道府県知事は,宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地(これに附帯する道路その他の土地を含み,宅地造成工事規制区域内の土地を除く)の区域であって一定の基準に該当するものを,造成宅地防災区域として指定することができる(宅地造成等規制法20条1項)。すなわち,宅地造成工事規制区域内の土地を造成宅地防災区域に指定することはできない。
2 正しい。都道府県知事は,造成宅地防災区域の全部または一部についてその指定の事由がなくなったと認めるときは,当該造成宅地防災区域の全部または一部についてその指定を解除するものとされている(20条2項)。
3 正しい。造成宅地防災区域内の造成宅地の所有者,管理者または占有者は,災害が生じないよう,その造成宅地について擁壁等の設置または改造その他必要な措置を講ずるように努めなければならない(21条1項)。
4 正しい。都道府県知事は,造成宅地防災区域内の造成宅地について,災害の防止のため必要があると認める場合においては,その造成宅地の所有者,管理者または占有者に対し,擁壁等の設置または改造その他災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができる(21条2項)。
楽学宅建 p.488「宅地造成等規制法」 パーフェクト宅建 p.381「宅地造成等規制法」
【問 24】 正解 3
1 誤り。土地区画整理組合を設立しようとする者は,事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては,「7人以上」共同して,定款および事業基本方針を定め,その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる(土地区画整理法14条2項)。
2 誤り。土地区画整理組合は,その事業に要する経費に充てるため,賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができ(40条1項),この場合,その賦課徴収について都道府県知事の認可を受ける必要はない。
3 正しく正解。宅地について所有権または借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は,当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる(3条2項)。
4 誤り。許可権者は,当該土地区画整理組合ではなく,「都道府県知事」である(76条1項)。
楽学宅建 p.497「土地区画整理法」 パーフェクト宅建 p.361「土地区画整理法」
【問 25】 正解 2
1 誤り。相続による農地の取得については許可を要しない(農地法3条1項)が,その取得した農地を転用する場合には,許可が必要である(4条1項)。
2 正しく正解。転用目的で,市街化区域内にある農地を取得する場合,あらかじめ農業委員会への届出を行えば,許可を受ける必要はない(5条1項3号)。
3 誤り。耕作目的での「原野の取得」であり,農地法上の許可は要しない(3条1項参照)。
4 誤り。遊休化していても農地であり,その転用には許可が必要である(4条1項)。
楽学宅建 p.481「農地法」 パーフェクト宅建 p.373「農地法」
【問 26】 正解 4
1 誤り。居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(以下「買換えの特例」という)における譲渡資産について価額の要件は設けられていない(租税特別措置法36条の2)。
2 誤り。買換えの特例における買換資産とされる家屋については,譲渡資産の譲渡をした日の属する年のみならず,その前年または翌年の12月31日までに取得された家屋についても適用が認められている(36条の2)。
3 誤り。買換えの特例における譲渡資産とされる家屋については,譲渡があった年の1月1日における所有期間が10年を超えることが適用要件となっており,5年を超えていれば足りるものではない(36条の2)。
4 正しく正解。買換えの特例における買換え資産とされる家屋については,自己の居住の用に供する部分の床面積が,50㎡以上280㎡以下との適用要件がある。(施行令24条の2)。
楽学宅建 p.518「所得税」 パーフェクト宅建 p.659「所得税」
【問 27】 正解 1
1 正しく正解。住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例が適用されるための住宅取得等資金といえるには,配偶者や,直系血族,生計を一にする親族等から住宅を取得するような場合以外でなければならない(租税特別措置法70条の3,施行令40条の5)。
2 誤り。住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例が適用されるための要件として,住宅用家屋の新築または取得に要した費用についての制約はない。したがって誤り。ただし,増改築について適用を受けるためには100万円以上要した増改築であることとの制約がある(法70条の3)。
3 誤り。住宅取得等資金の贈与を受ける場合の相続時精算課税の特例における住宅用家屋といえるためには,その床面積の2分の1以上に相当する部分がもっぱら居住の用に供されていなければならないとされる。床面積の3分の1を店舗として使用しても,なお2分の1以上がもっぱら適用を受ける者の居住の用に供されていれば,適用を受けうることから誤り(施行令40条の5)。
4 誤り。住宅取得等資金の贈与を受ける場合の相続時精算課税の特例を受けるための住宅用家屋の新築もしくは取得または増改築等は,資金を取得した日の属する年の翌年3月15日までになされなければならない。したがって,資金の贈与を受けた年の12月31日までに新築等をしなければならないとするのは誤り(法70条の3第1項1号)。
楽学宅建 p.527「相続税・贈与税」 パーフェクト宅建 p.634「住宅取得資金の贈与の特例」
【問 28】 正解 3
1 誤り。不動産取得税の免税点は,土地の取得については,10万円未満である。したがって,30万円に満たないときとする本肢は誤り。なお,固定資産税の免税点は30万円未満なので,混同しないよう注意が必要である(地方税法73条の15の2)。
2 誤り。一定の住宅を取得した場合には,不動産取得税の課税標準の算定につき,特例が設けられ,住宅の価格から最大で1,200万円が控除される。この特例は,新築住宅の取得については,法人による取得か個人による取得かを問わないが,中古住宅については,個人の自己居住用に限って適用される。したがって,法人による取得でも特例による控除が受けられるとするのは誤り(73条の14第1項・第3項)。
3 正しく正解。不動産取得税の標準税率は100分の4が本則であるが,特例により平成18年4月1日から平成21年3月31日までに取得された土地または住宅については100分の3とされている。したがって,平成19年4月に取得された商業ビルの敷地につき標準税率を100分の3とする本肢は正しい(73条の15,改正附則第11条の2)。
4 誤り。不動産取得税は,相続,合併,信託等形式的に所有権が移転するような場合には課されない。したがって,相続により不動産を取得した場合にも課税されるとする本肢は誤り。(法73条の7)。
楽学宅建 p.509「不動産取得税」 パーフェクト宅建 p.628「不動産取得税」
【問 29】 正解 4
1 正しい。不動産の価格を求める鑑定評価の基本的手法は,原価法,取引事例比較法および収益還元法に大別され,各手法による試算価格をそれぞれ積算価格,比準価格,収益価格という(不動産鑑定評価基準総論第7章第1節価格を求める鑑定評価の手法,同Ⅱ,1意義,同Ⅲ,1意義,同Ⅳ,1意義)。
2 正しい。取引事例は,取引事例比較法に即応し,適切にして合理的な計画に基づき,豊富に秩序正しく収集し,選択すべきであり,投機的取引であると認められる事例等適切さを欠くものであってはならない(同基準総論第7章第1節Ⅰ,2事例の収集及び選択)。
3 正しい。再調達原価とは,対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいう(同基準総論第7章第1節Ⅱ,2,(1)再調達原価の意義)。
4 誤りで正解。収益還元法のうち,DCF法は,連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を,その発生時期に応じて現在価値に割り引き,それぞれを合計する方法である(同基準総論第7章第1節Ⅳ,2収益価格を求める方法)。なお,一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法を直接還元法という。
楽学宅建 p.530「収益還元法」 パーフェクト宅建 p.597「収益還元法」
【問 30】 正解 2
1 誤り。宅地建物取引業者が,一団の宅地建物の分譲を行うため案内所を設置し,当該案内所において売買契約の申込みの受付のみを行う場合,当該案内所に成年者である専任の取引主任者をおかなければならない(宅建業法15条1項,施行規則6条の2)。
2 正しく正解。事務所ごとに設置される専任の取引主任者の氏名に変更があった場合,その日から30日以内に業者名簿の変更の届出をしなければならない(9条)。
3 誤り。専任の取引主任者の法定数が不足したときは,宅建業者は2週間以内に是正措置をとらなければならず(15条3項),是正措置をとらなかったときは業務停止処分を受ける(65条2項2号)ほか,100万円以下の罰金に処せられる(82条2号)。
4 誤り。宅建業者本人,法人の役員が取引主任者である場合,これらの者を自ら主として業務に従事する事務所等に置かれる成年者である専任の取引主任者とみなし,その事務所に設置しなければならない専任の取引主任者の数に算入してよい(15条2項)。
楽学宅建 p.282「専任の取引主任者の設置義務」 パーフェクト宅建 p.427「取引主任者の設置-専任の取引主任者」
【問 31】 正解 2
1 誤り。登録の移転はあくまでも任意であり,登録の移転の申請をしなければならないわけではない(宅建業法19条2)。
2 正しく正解。取引主任者資格者が取引主任者としてすべき事務を行い情状が特に重いときは,当該登録の消除の処分を受け,その日から5年を経験するまでは,再び登録を受けることができない(68条の2,18条9号)。
3 誤り。取引主任者が取引主任者証の有効期間の更新を受けようとするときは,登録をしている「都道府県知事」が指定する講習で交付申請前6月以内に行われるものを受講しなければならない(22条の2第2項)。
4 誤り。取引主任者証の亡失によりその再交付を受けた後において,亡失した取引主任者証を発見したときは,速やかに,発見した取引主任者証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない(施行規則14条の15第4項)。
楽学宅建 p.286「取引主任者の登録」,p.296「取引主任者証」 パーフェクト宅建 p.431「登録」,p.443「取引主任者証」
【問 32】 正解 2
1 誤り。Aが競売により取得した宅地を10区画に分割し,宅建業者に販売代理を依頼して不特定多数の者に分譲する場合,Aは免許を受ける必要がある(宅建業法2条2号)。Aの行為は,宅地を自ら売買する行為に該当するからである。
2 正しく正解。Bは自ら貸借を行うものであり,Dは管理を行うものであり,いずれも宅建業法上の取引に該当しない。したがって,BとDは免許を受ける必要はない。Cは他人が行う貸借を媒介するものであり,宅建業法上の取引に該当する。したがって,Cは免許を受ける必要がある(2条2号)。
3 誤り。Eの行為は宅地建物の売買の媒介を業として行うものであるので,宅建業法上の取引に該当し,免許を受ける必要がある(2条2号)。
4 誤り。Fが,建物の建設工事を請け負うことを前提に,当該建物の敷地に供せられる土地の売買を反復継続してあっせんする行為は,宅建業法上の取引に該当し,Fは免許を必要とする(2条2号)。
楽学宅建 p.254「宅建業の意味」 パーフェクト宅建 p.400「目的と用語の定義」
【問 33】 正解 3
1 誤り。本店は常に事務所となる。したがって,A社は甲県と乙県に事務所を設置して宅建業を営むことになるので,国土交通大臣の免許を受けなければならない(宅建業法3条1項,施行令1条の2)。
2 誤り。B社の取締役が,刑法第204条の傷害の罪により罰金に処せられた場合は,B社の免許は取り消されるが,刑法第209条(過失傷害)罪により罰金に処せられても免許を取り消されることはない(5条1項,3条の2,66条1項1号)。
3 正しく正解。C社が業務停止処分に違反したとして免許を取り消され,その取消しの日から5年を経過していない場合,C社は免許を受けることができない(5条1項2号)。
4 誤り。破産者が復権を得れば,その翌日から免許を受けることができる(5条1項1号)。したがって,D社の取締役が,かつて破産宣告を受けたことがある場合でも,復権を得れば,復権から5年を経過しなくてもD社は免許を受けることができる。
楽学宅建 p.268「免許の基準」 パーフェクト宅建 p.413「免許基準,免許条件」
【問 34】 正解 1
1 誤りで正解。Aは,Bに手付の倍額(1,000万円)を賠償しなければ,当該契約を解除することができない(宅建業法39条2項)。
2 正しい。法第41条第1項に規定する手付金等を受領しようとする場合における同条および第41条の2の規定による保全措置の概要は,重要事項の1つとして説明しなければならない(35条1項10号)。
3 正しい。宅地建物について,買主への所有権移転の登記がなされたとき,または宅地建物について,買主が所有権の登記をしたときは,保全措置を講じる必要はない(41条の2第1項)。
4 正しい。Aと銀行との保証契約の内容は,宅建業者が受け取る手付金等の全額の返還を連帯して保証するものでなければならない。したがって,本肢の場合,Bは手付金の全額の返還を当該銀行に請求することができる。
楽学宅建 p.380「手付金等の保全措置」 パーフェクト宅建 p.523「手付金等の保全-未完成物件の場合」


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不動産受験新報2007年12月号 平成19年度 宅建試験 解答と解説その3

2007-12-04 09:00:00 | Weblog
住宅新報社・月刊「不動産受験新報」20007年12月号
       (毎月1日発売 定価910円)


平成19年度 宅建試験 解答と解説その3

今回の解答と解説については,次の先生方にお願いしました。(アイウエオ順)合田 格,井尻茂美,伊藤陽三,岩本周二,植杉伸介,小川多聞,鈴木 優,瀬川丈夫,十影 響,福田隆光

【問 35】 正解 2
1 誤り。建物の貸借の媒介において,建物について,石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは,その内容を借主に説明しなければならない。また,石綿が使用されていない旨の調査結果が記録されていないときは,その内容を借主に説明しなければならない(宅建業法35条14号,施行規則16条の4の3第3号)。
2 正しく正解。建物の貸借の媒介において,当該建物が宅地造成等規制法の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは,その旨を借主に説明しなければならない(法35条14号,施行規則16条の4の3第1号)。
3 誤り。耐震改修促進法に規定する技術上の指針となるべき事項に基づいて,一定の者(指定確認検査機関・建築士,登録住宅性能評価機関・地方公共団体)が行う耐震診断を受けたものであるときは,その内容を説明しなければならないが,当該建物が昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものは除かれる(法35条1項14号,施行規則16条の4の3第4号)。
4 誤り。宅地の売買の媒介において,当該宅地の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結等の措置を講じないときは,その旨を買主に説明しなければならない(法35条1項13号)。
楽学宅建 p.342「重要事項の説明」 パーフェクト宅建 p.483「重要事項の説明」
【問 36】 正解 2
1 正しい。Aが誇大広告等の禁止に違反した場合,甲県知事から指示処分を受けることがあり,その指示に従わなかったときは業務停止処分を受けることがある(宅建業法65条1項2号・2項3号)。
2 誤りで正解。Aが乙県内で行う建物の売買に関し,取引の関係者に損害を与えるおそれが大であるときは,Aは,甲県知事から指示処分を受けることがあり,また,乙県知事から指示処分を受けることもある(65条1項1号・3項)。
3 正しい。Aが,正当な理由なく,その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他人に漏らした場合,Aは甲県知事から業務停止処分を受けることがあるほか,50万円以下の罰金の適用を受けることがある(45条,65条2号,83条)。
4 正しい。Aの従業員Bが重要な事実の告知義務に違反した場合,法人であるAに対して1億円以下の罰金刑が科されることがある(84条1号)。
楽学宅建 p.407「監督,罰則」 パーフェクト宅建 p.550「監督」,p.558「罰則」
【問 37】 正解 3
1 正しい。営業保証金から還付を受けられる債権は,宅建業者と宅建業に関し取引したことから生じた債権である。したがって,広告代理店の広告代金等は営業保証金から還付を受けることができない(宅建業法27条1項)。
2 正しい。宅建業者は,免許の有効期間の満了に伴い,営業保証金の取戻しをするための公告をしたときは,遅滞なく,その旨を免許権者に届け出なければならない(法30条3項,宅地建物取引業営業保証金規則8条3項)。
3 誤りで正解。営業保証金を供託しなければならないのは事務所である(法25条1項・2項)。したがって,現地出張所を設置しても営業保証金を追加して供託する必要はない。
4 正しい。Aの支店でAと宅建業に関する取引をした者は,その取引により生じた債権に関し,Aが供託した営業保証金を限度として還付を受けることができる(法27条1項)。
楽学宅建 p.309「営業保証金」 パーフェクト宅建 p.448「営業保証金制度」
【問 38】 正解 2
1 誤り。実在する宅地についても,実際に販売する意思のない場合は,たとえ広告の表示に誤りがなくても,おとり広告として行うことはできない(宅建業法32条)。
2 正しく正解。未完成物件に関しては,建築確認を受ける前に広告をすることも,売買契約を締結することも許されない(33条,36条)。
3 誤り。未完成物件に関しては,開発許可があるまでは,貸借の広告をすることはできないが,貸借の媒介をすることはできる(33条,36条)。
4 誤り。契約締結時期の制限(36条)は,相手方が宅建業者であっても適用される。また,契約だけでなく,予約を締結することもできない。
楽学宅建 p.330「誇大広告等の禁止」,p.331「広告開始時期の制限」,p.332「契約締結時期の制限」 パーフェクト宅建 p.470「広告等に関する規制」
【問 39】 正解 4
1 正しい。国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別は,宅建業法第34条の2第1項に基づき交付すべき書面に記載しなければならない(宅建業法34条の2第1項7号,施行規則15条の7第4項)。
2 正しい。宅建業者は,宅地または建物を売買すべき価額または評価額について意見を述べるときは,その根拠を明らかにしなければならない(34条の2第1項2号・2項)。
3 正しい。専属専任媒介契約を締結したときは,当該契約の締結の日から5日以内(休業日を除く)に,一定の事項を指定流通機構に登録しなければならない(34条の2第5項,施行規則15条の7,15条の8,15条の10)。
4 誤りで正解。有効期間の更新は,依頼者の申出があった場合に限り更新でき,自動更新の特約は無効である(34条の2第4項・9項)。
楽学宅建 p.335「媒介契約の規制」 パーフェクト宅建 p.476「媒介契約・代理契約に関する規制」
【問 40】 正解 4
1 誤り。35条書面,37条書面のいずれも取引主任者をして,当該書面に記名押印させなければならない(宅建業法35条4項,37条3項)。しかし,内容の説明は,37条書面については不要である。
2 誤り。売主が宅建業者であっても,37条書面は交付しなければならない。なお,35条書面は売主(B)に交付する必要はない。
3 誤り。35条書面,37条書面のいずれも省略することは許されない。
4 正しく正解。ADが共同で媒介を行う場合は,ともに重要事項の説明について責任を負うのであるから,Dも業務停止処分を受けることがある(65条2項2号)。
楽学宅建 p.342「重要事項の説明」,p.353「契約書面の交付等」 パーフェクト宅建 p.483「重要事項の説明」,p.503「書面(契約書)の交付」
【問 41】 正解 1
1 正しく正解。宅建業者は,自己の所有に属しない宅地または建物について,自ら売主となる売買契約を締結してはならない(宅建業法33条の2)。しかし,他人との間に物件を取得する契約(停止条件付き契約を除く)を締結しているときは,この限りではない(同条ただし書)。本件では,停止条件付きなので,契約締結はできない。
2 誤り。2割を超える特約がすべて無効になるのではなく,2割を超える部分についてのみ無効となる(38条)。
3 誤り。瑕疵担保責任については,民法よりも買主に不利となる特約が無効とされる(40条)。「その瑕疵がAの責に帰することのできるものでないときは,Aは瑕疵担保責任を負わない」とするのは,無過失責任を定めた民法よりも買主に不利なので無効となる。
4 誤り。建物の引渡しを受け,かつ,代金の全部を支払っているときは,契約を解除することはできない(37条の2第1項2号)。
楽学宅建 p.364「自己の所有に属しない物件の契約制限」,p.368「事務所等以外の場所でした買受けの申込みの撤回等」,p.374「損害賠償額の予定等の制限」,p.376「瑕疵担保責任の特約の制限」 パーフェクト宅建 p.510「自己の所有に属しない宅地・建物の売買契約締結等の制限」,p.512「事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等」,p.516「損害賠償額の予定等の制限」,p.519「瑕疵担保責任についての特約の制限」
【問 42】 正解 3
1 誤り。まず,保証金は退去時に返還されるものなので,「権利金」とはならず,これを基礎に計算することはできない(建設省告示1552号第6)。AがCから受け取ることができる報酬の限度額は,13万円×1.05=136,500円である。
2 誤り。通常の広告料金は,宅建業者が負担しなければならない。
3 正しく正解。建物が居住用の場合,依頼者の承諾がない限り,家賃の1か月分の1/2の額が限度額となる(同告示第4)。したがって,13万円÷2=65,000円,これに消費税を加え65,000円×1.05=68,250円となる。
4 誤り。定期借家契約の再契約に関して宅建業者が受けることのできる報酬についても,新規の契約と同様に報酬規定が適用される。
楽学宅建 p.389「報酬」 パーフェクト宅建p.534「報酬に関する規制」
【問 43】 正解 2
1 誤り。宅建業者は,未完成物件については,都市計画法第29条の許可を受けた後でなければ,当該宅地の売買契約を締結することができない(宅建業法36条)。
2 正しく正解。宅建業者は,未完成物件については,手付金等の額が代金額の5%を超える場合,または1,000万円を超えるときは,保全措置を講じなければならない(41条1項)。本肢の場合,手付金および中間金の受領前に,手付金等の保全措置を講じなければならない。
3 誤り。取引態様の明示義務は,広告をするときと,注文を受けたときに課せられる(34条)。注文者が知っていても,また,宅建業者であっても省略することはできない。
4 誤り。宅建業者が自ら売主となる場合,手付は解約手付とみなされる。したがって,GはFが履行に着手する前であれば,手付金を放棄して契約を解除することができる(39条2項)。
楽学宅建 p.332「契約締結時期の制限」,p.380「手付金等の保全措置」,p.333「取引態様の明示義務」,p.376「手付の額の制限等」 パーフェクト宅建 p.498「契約締結時期の制限」,p.523「手付金等の保全」,p.474「取引態様の明示義務」,p.518「手付の額の制限等」
【問 44】 正解 1
1 正しく正解。一の保証協会の社員である者は,他の保証協会の社員となることはできない(宅建業法64条の4第1項)。
2 誤り。保証協会に加入しようとする者は,その加入しようとする日までに,弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない(64条の9第1項)。
3 誤り。弁済業務の円滑な運営に支障を生ずるおそれのある場合は,担保の提供を求めることができる(64条の4第3項)。
4 誤り。保証協会は,新たに社員が加入し,または社員がその地位を失ったときは,直ちに,その旨を当該社員である宅建業者が免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に報告しなければならない(64条の4第2項)。報告するのは,保証協会である。
楽学宅建 p.318「宅地建物取引業保証協会」パーフェクト宅建 p.456「保証協会の指定・業務・加入」,p.459「弁済業務保証金制度」
【問 45】 正解 1
1 誤りで正解。従業者が取引主任者であっても,取引主任者証の提示をもって従業者証明書の提示義務に代えることはできない(宅建業法48条2項)。
2 正しい。従業者名簿は取引関係者から請求があったときは,閲覧させなければならないが,当該名簿がパソコンに記録されているときは,ディスプレイの画面に表示する方法で閲覧に供することもできる(48条4項,施行規則17条の2第3項)。
3 正しい。帳簿がパソコンのハードディスクに記録されているときは,その記録を必要に応じて紙面に印刷することができれば,帳簿への記載に代えることができる(49条,施行規則18条2項)。
4 正しい。宅建業者が一団の宅地建物を案内所を設置して行う場合,物件の所在する場所と,その案内所の両方に標識を掲示しなければならない(50条1項,施行規則19条1項)。
楽学宅建 p.398「業務上の規制」 パーフェクト宅建 p.542「業務上の規制」
【問 46】 正解 4
1 正しい。独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という)の主な業務は,設問肢の記述のとおりである(独立行政法人住宅金融支援機構法13条1項4号)。
2 正しい。機構は子どもを育成する家庭または高齢者の家庭に適した良好な居住性能および居住環境を有する賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けを業務として行う(13条1項8号)。
3 正しい。機構は,事業主または事業主団体から独立行政法人雇用・能力開発機構の行う転貸貸付けに係る住宅資金の貸付けを受けることができない勤労者に対し,財形住宅貸付業務を行う(13条2項2号)。
4 誤りで正解。住宅金融公庫は,機構の成立時において解散するものとし,住宅金融公庫の一切の権利および義務は,国が承継する資産を除き,機構の成立時(住宅金融公庫の解散時)において機構が承継する(附則3条1項)。したがって,機構は,住宅金融公庫が機構の設立前に受理した申込みに係る資金の貸付けを業務として行うことになる。
楽学宅建 p.535「住宅金融支援機構法」 パーフェクト宅建 p.577「機構の主な業務」
【問 47】 正解 4
1 誤り。宅建業者が行う広告に住宅ローンについての記載をする場合は,①金融機関の名称・商号または都市銀行,地方銀行,信用金庫等の種類,②提携ローンまたは紹介ローンの別,③借入金の利率および利息を徴する方式または返済例,を明示して表示しなければならない(不動産表示公正競争規約15条12号,施行規則11条44号)。
2 誤り。宅建業者は,「新築」という用語を用いて表示するときは,建築後1年未満であって,居住の用に供されたことがないという意味で使用しなければならない(規約18条1項1号)。したがって,建築後2年経過しているマンションについて「新築」と表示することはできない。
3 誤り。新聞折込みチラシにおいて物件の表示をするときは,物件の交通の利便に関する事項を,当該広告の見やすい場所に,明りょうに表示しなければならない(規約8条4号,施行規則2条4号)。
4 正しく正解。宅建業者は,建物の広告を行う場合,建物の面積は,延べ面積を表示し,これに車庫,地下室等の面積を含むときは,その旨およびその面積を表示しなければならない(規約15条6号,施行規則11条15号)。
楽学宅建 p.538「不当表示の禁止」 パーフェクト宅建 p.583「表示規約」
【問 48】 正解 4
1 誤り。平成19年地価公示(平成19年3月公表)によれば,平成18年1年間の地価変動率は,全国平均で住宅地がプラス0.1%(マイナス1.5%ではない),商業地がプラス2.3%となり,住宅地および商業地ともに平成3年以来16年ぶりにわずかな上昇となった。これは地点数の多い三大都市圏および地方ブロック中心都市の上昇が押し上げたものである。
2 誤り。建築着工統計(国土交通省)によれば,平成17年度の新設住宅着工戸数は,約125万戸(約115万戸ではない。1,249,366戸)で,対前年度比では,約4.7%増(平成16年度1,193,038戸)となり,3年連続の増加となった。
3 誤り。平成18年版土地白書(平成18年6月公表)によれば,全国における平成17年の土地取引件数(売買による土地の所有権移転登記の件数)は,約158万件(対前年比1.3%減)となった。「2年連続の増加となった」ではない。
4 正しく正解。平成17年度法人企業統計年報(財務省)によれば,平成17年度における不動産業の売上高は,約34兆5,000億円(34兆4,997億円)で,全産業の売上高(1,508兆1,207億円)の約2.3%を占めている。
【問 49】 正解 1
1 誤りで正解。山間部において,河川の運搬する土砂が多く,侵食作用よりも堆積作用のほうが上回るとき,谷底に幅が狭く細長い谷が発達する。このように,山間部の谷底において,河川の堆積作用によって形成された平坦地を「谷底平野」という。谷底平野の上部は,主に軟らかい粘性土で構成されているので,一般的に建物の基礎地盤には不向きであるとされている。
2 正しい。後背湿地とは,自然堤防や砂丘などの微高地の背後に形成された低湿地をいう。「湿地」という言葉からも分かるとおり,一般的に軟弱な地盤なので,宅地としての利用には適しておらず,我が国では主に水田として利用されてきた。
3 正しい。三角州とは,河川の上流から流れてきた砂などが堆積することによって,河口付近に形成された地形をいう。枝分かれした2本以上の河川(分流)と海で囲まれた三角形に近い形をしていることから,三角州と呼ばれる。三角州の地下水位は一般的に浅いので,地震の際は,液状化現象を起こしやすい。
4 正しい。旧河道とは,河川の蛇行が進んで流路が短絡した場合などにできる地形をいう。かつては河川であった場所であるから,地盤は軟弱であり,建物の不同沈下が発生しやすい。
楽学宅建 p.542「土地」 パーフェクト宅建p.564「土地」
【問 50】 正解 4
1 正しい。建築物の基礎に木ぐいを使用する場合においては,その木ぐいは,平家建ての木造の建築物に使用する場合を除き,常水面下にあるようにしなければならない(建築基準法施行令38条6項)。なお,非常災害があった場合に建築される一定の応急仮設建築物については,建築基準法令の規定が適用されないとする規定があるが,防火地域内の建築物は除外されているので,本肢の記述は正しい。
2 正しい。建築物に対する風圧力は,速度圧に風力係数を乗じて計算する。そして,速度圧の計算式は,建物基準法施行令に定められているが,建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物,防風林その他これらに類するものがある場合においては,その方向における速度圧は,その数値を2分の1まで減らすことができるものとされている(施行令87条3項)。
3 正しい。雪下ろしを行う慣習があれば,積雪荷重が過大になる危険性が低いので,その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても,積雪荷重は,雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる(施行令86条6項)。
4 誤りで正解。本肢のような規定はない。常識的に考えて,低層で小規模な建築物であれば,耐久性等について規制を緩和することもありうるが,高さ60mを超える建築物(超高層建築物)については,きびしい規制をすべきだからである。超高層建築物の構造方法は,「耐久性等関係規定に適合し」かつ,国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない,とされている(施行令36条4項)。
楽学宅建 p.544「建物」 パーフェクト宅建p.568「建物」



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不動産受験新報2007年12月号 平成19年度 宅建試験 解答と解説その1

2007-12-04 09:00:00 | Weblog
住宅新報社・月刊「不動産受験新報」20007年12月号
       (毎月1日発売 定価910円)


平成19年度 宅建試験 解答と解説その1

今回の解答と解説については,次の先生方にお願いしました。(アイウエオ順)合田 格,井尻茂美,伊藤陽三,岩本周二,植杉伸介,小川多聞,鈴木 優,瀬川丈夫,十影 響,福田隆光

【問 1】 正解 3
1 誤り。表意者がその真意ではないことを知って行った意思表示(心裡留保による意思表示)は,相手方が悪意のときは,無効である(民法93条ただし書)。したがって,AB間の売買契約は無効である。
2 誤り。相手方と通じて行った虚偽の意思表示は無効である(94条1項)。したがって,AB間の売買契約は無効である。
3 正しく正解。相手方に対する意思表示について第三者が強迫を行った場合には,相手方の善意・悪意を問わず,その意思表示を取り消すことができる(96条1項・2項)。
4 誤り。意思無能力者が締結した契約は無効である。したがって,追認を拒絶する必要はなく,当該売買契約は当然に無効である。
楽学宅建 p.31「意思表示」 パーフェクト宅建 p.12「意思表示」
【問 2】 正解 1
1 正しく正解。委任による代理人は,本人の許諾を得たとき,またはやむを得ない事由があるときでなければ,復代理人を選任することができない(民法104条)。したがって,やむを得ない事由があれば,本人の許諾を得なくとも,復代理人を選任することができる。
2 誤り。委任による代理人は,本人の許諾を得て復代理人を選任したときは,その選任および監督について,本人に対してその責任を負う(105条1項)。したがって,Bは,その選任に関し過失があったときは,Aに対して責任を負う。
3 誤り。委任による代理人は,本人の指名に従って復代理人を選任したときは,復代理人が不適任または不誠実であることを知りながら,その旨を本人に通知しまたは復代理人を解任することを怠ったときに限り,本人に対して責任を負う(105条2項)。
4 誤り。代理人が復代理人を選任しても,代理人の代理権は消滅しない(104条)。なお,復代理人は,本人および第三者に対して,代理人と同一の権利を有し,義務を負う(107条2項)。
楽学宅建 p.50「代理」 パーフェクト宅建p.20「代理」
【問 3】 正解 3
1 誤り。即時取得は,動産について認められる制度であり,不動産については認められない(民法192条)。したがって,Bは,甲土地の所有権を即時取得することができない。
2 誤り。不実の登記を信頼して取引をした者は,当該不動産の所有者に過失があるとき(自分の知らない間に不実の登記がなされたことを知りながら,これを黙認したとき)は,民法94条2項の類推適用により,保護される(最判昭45・9・22)。したがって,Dに過失があれば,Cは甲土地の所有権を取得することができる。
3 正しく正解。不動産の不法占有者に対しては,登記を備えなくても,当該不動産の所有権の取得を対抗することができる(177条,最判昭25・12・19)。
4 誤り。GとHは,甲土地の所有権の取得を互いに争う関係にあるから,登記を先に備えた者が優先する(177条)。したがって,Gは,登記を備えなければ,Hに対して所有権を主張することができない。
楽学宅建 p.88「物権変動」 パーフェクト宅建 p.193「不動産物権変動の対抗要件」
【問 4】 正解 4
1 正しい。共有者の協議に基づかないで,共有者の一部の者から共有物の占有使用を承認された者は,当該一部の者の持分に基づくものと認められる限度で,共有物を占有使用することができる(民法252条,最判昭63・5・20)。
2 正しい。共有物の賃貸借契約の解除は,「共有物の管理に関する事項」に該当するから,各共有者の持分の価格に従い,その過半数で決することができる(252条,最判昭39・2・25)。したがって,AとBが合意すれば,Cの合意がなくとも,賃貸借契約を解除することができる。
3 正しい。各共有者は,5年を超えない期間内は共有物を分割しない旨の契約を締結することができる(256条1項ただし書)。
4 誤りで正解。共有者の1人が,その持分を放棄したときは,その持分は,他の共有者に帰属する(255条)。したがって,Aの持分は,BおよびCに帰属する。
楽学宅建 p.100「共有」 パーフェクト宅建p.158「共有」
【問 5】 正解 4
1 正しい。不法行為による損害賠償債務は,催告を待たず,損害発生と同時に履行遅滞となる(民法412条3項,最判昭37・9・4)。したがって,損害発生時から完済に至るまでの遅延損害金を支払う必要がある。
2 正しい。不法行為により財産以外の損害を被った者は,損害の発生と同時に慰謝料請求権を取得し,これを放棄したと解しうる特別の事情がない限り,その者が生前に請求の意思を表明することなく死亡しても,その相続人は,当該慰謝料請求権を相続する(710条,最大判昭42・11・1)。
3 正しい。共同不法行為者が負担する損害賠償債務は,いわゆる不真正連帯債務であって連帯債務ではないから,連帯債務に関する民法第434条(履行の請求)の規定は適用されない(719条,最判平6・11・24)。したがって,共同不法行為者の1人に対する履行の請求は,他の共同不法行為者に対しては,その効力を有しない。
4 誤りで正解。不法行為による損害賠償請求権は,被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年を経過すると,時効により消滅する。また,不法行為の時から20年を経過したときも,消滅する(724条)。
楽学宅建 p.192「不法行為」 パーフェクト宅建 p.152「不法行為」
【問 6】 正解 3
1 正しい。不動産の売買契約が取り消された場合,売主は,その旨の登記をしなければ,当該取消後に当該不動産を買主から取得した第三者に対し,所有権を対抗することができない(民法177条,最判昭17・9・30)。
2 正しい。不動産の売買契約が解除された場合,売主は,その旨の登記をしなければ,当該解除後に当該不動産を買主から取得した第三者に対し,所有権を対抗することができない(177条,最判昭35・11・29)。
3 誤りで正解。共同相続人の1人が,相続財産に属する不動産につき,勝手に単独で所有権を相続取得した旨の登記をして当該不動産を第三者に譲渡した場合,他の共同相続人は,共同相続の登記を備えなくても,自己の相続持分の取得を当該第三者に対抗することができる(177条,最判昭38・2・22)。
4 正しい。時効により不動産の所有権を取得した者は,その旨の登記をしなければ,時効完成後に当該不動産を旧所有者から取得して所有権移転登記を備えた第三者に対し,所有権を対抗することができない(177条,最判昭33・8・28)。
楽学宅建 p.88「物権変動」 パーフェクト宅建 p.193「不動産物権変動の対抗要件」
【問 7】 正解 4
1 誤り。法定担保物権である先取特権は,法律の規定に基づいて発生するものであり(民法303条),その権利の行使について,あらかじめ債務者との間で合意しておく必要はない。不動産工事の先取特権(325条2号)の場合も,この点は変わらない。
2 誤り。造作買取代金債権は,造作に関して生じた債権で,建物に関して生じた債権ではないとするのが判例である(最判昭29・1・14)。したがって,建物について留置権(295条1項)は発生せず,賃借人は建物を留置することはできない。
3 誤り。不動産についても占有の移転と継続は可能であり,不動産質権が認められている(356条)。
4 正しく正解。抵当権の効力は目的不動産の付加一体物に及ぶ(370条本文)。この付加一体物に従物はあたらないとされるが,抵当権設定時に存在した従物には,民法87条1項により抵当権の効力が及ぶとするのが判例である(大連判大8・3・15)。したがって,本肢の場合,地下のタンクや洗車機にも抵当権の効力が及ぶ。
楽学宅建 p.109「抵当権」 パーフェクト宅建 p.102「担保物権一般・質権」,p.112「抵当権・根抵当権」
【問 8】 正解 4
1 誤り。元本の確定前に,被担保債権の範囲を変更するのに,後順位の抵当権者その他の第三者の承諾は不要である(民法398条の4第1項・2項)。
2 誤り。元本の確定前に根抵当権者から被担保債権の範囲に属する債権を取得した者は,その債権について根抵当権を行使することはできない(398条の7第1項)。したがって,譲渡を受けた者が確定日付のある証書で根抵当権設定者(A)に債権譲渡通知を行っても,根抵当権を行使することはできない。
3 誤り。根抵当権者は,確定した元本並びに利息等の全部について,極度額を限度として,その根抵当権を行使することができる(398条の3第1項)。極度額の範囲なら,利息等の額に制限はないし,いくら最後の2年間に限定しても,極度額を超えたら根抵当権は行使できない。
4 正しく正解。判例は,「信用金庫取引による債権」として設定された根抵当権の被担保債権には,信用金庫の根抵当債務者に対する保証債権も含まれるとする(最判平5・1・19)。したがって,B信用金庫のAに対する保証債権も,根抵当権で担保される。
パーフェクト宅建 p.123「根抵当権」
【問 9】 正解 3
1 誤り。判例は「確定日付のある2通の譲渡通知が同時に到達したときは,各譲受人は,債務者に対し,それぞれ譲受債権について,その全額の弁済を請求することができる」としている。債権金額基準で按分した金額の弁済請求しかできないわけではない。
2 誤り。債権譲渡の対抗要件の特例として認められるものを除き(「動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律」参照),指名債権譲渡の第三者に対する対抗要件は,あくまで確定日付のある債権譲渡通知または確定日付のある承諾である(民法467条2項)。したがってゴルフクラブの会員名義書換えの手続を完了しても,第三者には対抗できない(最判平8・7・12)。
3 正しく正解。判例によれば,契約時点ではまだ発生していない将来債権でも,「予約完結時において譲渡の目的となるべき債権を譲渡人が有する他の債権から識別することができる程度に特定されていれば」譲渡することができる(最判平12・4・21)。そして「将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約の締結時において,右債権発生の可能性が低かったことは,債権譲渡契約の効力を,当然に左右するものではない」としている(最判平11・1・29)。
4 誤り。判例は「指名債権譲渡の予約につき確定日付のある証書により債務者に対する通知又はその承諾がなされ,その予約の完結により債権譲渡が行われた場合,その債権譲渡の効力は,当該予約についてなされた通知又は承諾をもって,第三者に対抗することができない」としている(最判平13・11・27)。
楽学宅建 p.148「債権譲渡」 パーフェクト宅建 p.70「債権譲渡」
【問 10】 正解 4
1 誤り。AB間の甲建物を目的とする売買契約は,平成19年9月1日に締結されたが,その前日である8月31日時点で甲建物は火災により滅失しており,契約時点では目的物が存在していないのであるから,AB間の売買契約は有効に成立しない。
2 誤り。売買契約成立後の9月15日に,債務者であるAの責に帰すべき火災により甲建物が滅失しているので,当該契約は履行不能となり,Aは債務不履行責任を負う(民法415条)。債務不履行責任は契約が有効であることを前提とするものであり,契約が無効になるものではない。
3 誤り。本肢では肢2の場合と異なり,9月15日に債権者Bの責に帰すべき火災により甲建物が滅失している。このような場合の危険は債権者が負担することとなっており,債務者は反対給付を受ける権利を失わない(536条2項)。したがって,Aの甲建物引渡し債務は消滅するが,Bの代金支払債務は消滅しない。
4 正しく正解。民法の危険負担の規定は任意規定であるので,当事者間の特約で別段の定めをおくことができる。したがって,AB間における「自然災害による建物滅失の危険は,建物引渡しまでは売主が負担する」という特約は有効であり,甲建物が実際に自然災害により滅失した場合は,Aの甲建物引渡し債務も,Bの代金支払債務も共に消滅する。
楽学宅建 p.158「危険負担」 パーフェクト宅建 p.67「危険負担」
【問 11】 正解 2
1 正しい。売主(A)が瑕疵担保責任をまったく負わないという特約は有効であるが,そのような特約がある場合でも,売主(A)が知りながら買主(B)に告げなかった瑕疵については,売主(A)は瑕疵担保責任を免れない(民法572条)。
2 誤りで正解。売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合に,当該瑕疵が売買契約をした目的を達成することができないとまではいえないときは,買主(B)は契約の解除をすることはできないが(570条,566条1項),だからといって売主(A)が瑕疵担保責任を免れるものではない。その場合は,売主(A)は買主(B)に対して損害賠償債務を負う(570条,566条1項)。
3 正しい。瑕疵担保責任が成立するためには,売買目的物の瑕疵は「隠れた瑕疵」でなければならない(570条)。「隠れた瑕疵」とは,瑕疵の存在につき買主が善意・無過失であることを意味する。したがって,買主(B)が瑕疵の存在を契約時に知っていた場合や,過失によりそれに気づかなかった場合は,売主(A)は瑕疵担保責任を負わない。
4 正しい。特約のないかぎり,買主(B)は隠れた瑕疵があることを知ってから1年以内に,瑕疵担保責任を追及しなければならない(570条,566条3項)。
楽学宅建 p.167「売主の担保責任」 パーフェクト宅建 p.41「売主の担保責任」
【問 12】 正解 1
1 誤りで正解。相続人が数人あるときは,限定承認は,共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる(民法923条)。したがって,Cが単純承認をし,Dが限定承認をすることはできない。
2 正しい。相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは,相続人は単純承認したものとみなされる(921条1号)。財産の一部の売却は,相続財産の一部を処分したことになる。
3 正しい。被相続人の金銭債務をCDが共同相続し単純承認をした場合には,法定相続分の割合に応じて分割された債務を承継することになる(899条)。
4 正しい。相続人が存在しない場合には,家庭裁判所は,利害関係人または検察官の請求によって相続財産管理人を選任しなければならない(952条1項)。相続財産管理人によってAは債権回収を図ることが可能となる場合がある。
楽学宅建 p.205「単純承認」,「限定承認」 パーフェクト宅建 p.145「単純承認」,「限定承認」 p.147「相続人の不存在」
【問 13】 正解 4
1 正しい。本肢の事例はBに土地を使用する権限がないので,本来であれば土地の所有者となったCは,Bに対し建物収去・土地明渡請求をすることができる。しかし,Cの権利行使が信義則に反し権利濫用と判断される場合は,請求できない場合もありうる。また,Bが土地の所有権を時効取得している可能性もあり,その場合もCの請求は認められない。
2 正しい。建物の登記がある場合には借地権を第三者Cに対抗することができる(借地借家法10条1項,2条1号)。しかし,建物所有を目的とする使用貸借の場合には,建物登記があっても第三者に対する対抗力はない。
3 正しい。借地権の存続期間が満了した場合であっても,法定更新(請求による更新・継続使用による更新)によって借地契約が自動的に更新することがある(5条)。この法定更新が生じている場合には,Cは,Bに対して建物収去・土地明渡しを請求することができない。
4 誤りで正解。期間を定めずに借地契約を締結したときは,存続期間は30年となる(3条)。したがって,正当事由があればいつでも解約の申入れができるのではない。
楽学宅建 p.210「借地借家法」 パーフェクト宅建 p.169「借地権」
【問 14】 正解 1
1 正しく正解。定期建物賃貸借契約は書面で締結しなければならない(借地借家法38条1項)。一時使用賃貸借契約は,民法が適用されるので,口頭での一時使用賃貸借契約を締結することが可能である(40条)。
2 誤り。定期建物賃貸借契約は1年以上とすることができる。また一時使用賃貸借契約も特に期間の最低限が制限されていないので1年以上とすることができるが,20年を超えることはできない(40条,29条2項)。
3 誤り。定期建物賃貸借契約は,一定の要件を満たす場合には中途解約権が認められているが,一時使用賃貸借契約の場合には,特約がない限り,中途解約権は認められない(38条5項)。
4 誤り。借家権は,賃借権の登記がなくても引渡しがあれば,第三者(新所有者)に対抗することができる(31条1項)。賃借権の登記もなく,引渡しもないときは定期建物賃貸借契約の借主は,第三者に対抗できない。一時使用賃貸借契約の借主は,賃借権の登記がない場合には,たとえ引渡しがあったとしても賃借権を第三者に対抗できない。
楽学宅建 p.210「借地借家法」 パーフェクト宅建 p.182「借家権」
【問 15】 正解 4
1 正しい。本肢は区分所有法33条1項そのままの内容である。
2 正しい。最初に建物の専有部分の全部を所有する者は,公正証書により建物の部分(専有部分)を共用部分とする規約を定めることができる(区分所有法32条,4条2項)。
3 正しい。規約を保管する者は,利害関係人の請求があったときは,正当な理由がある場合を除いて,規約の閲覧を拒んではならない(33条2項)。
4 誤りで正解。規約の保管場所は,建物内の見やすい場所に掲示しなければならないが,各区分所有者に通知する必要はない(33条3項)。
楽学宅建 p.228「区分所有法」 パーフェクト宅建 p.160「区分所有権」
【問 16】 正解 1
1 誤りで正解。本肢の場合,まず表題部所有者であるAが保存登記をしてから,AからBへの移転登記をしなければならない(不動産登記法32条)。なお,区分建物の場合には例外があり,これと混同してはならない。
2 正しい。共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は,当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない(65条)。
3 正しい。権利が人の死亡または法人の解散によって消滅する旨が登記されている場合において,当該権利がその死亡または解散によって消滅したときは,共同申請主義の原則にもかかわらず,登記権利者は,単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる(69条)。
4 正しい。遺贈を原因とする所有権移転登記の登記義務者は,遺言執行者が選任されているときは遺言執行者が登記義務者となる。遺言執行者の選任がない場合には,相続人が登記義務者となる。そして登記権利者と登記義務者が共同申請することになる。
楽学宅建 p.243「不動産登記法」 パーフェクト宅建 p.200「不動産登記」
【問 17】 正解 2 
1 誤り。市街化調整区域や区域区分が定められていない都市計画区域内において,土地売買などの契約を締結した場合に,事後届出が必要な面積規模は5,000㎡以上なので,本肢の6,000㎡では事後届出が必要である(国土利用計画法23条2項1号ロ)。
2 正しく正解。都市計画区域外で事後届出が必要な面積規模は10,000㎡(1ha)以上なので,本肢の2haでは事後届出が必要である(23条2項1号ハ)。 
3 誤り。事後届出が必要であるにもかかわらず権利取得者が事後届出をしなかった場合,届出をするように都道府県知事が勧告するという規定はなく,罰則が適用される。本肢では,6月以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる(47条1号)。
4 誤り。事後届出の必要な権利取得者は,契約を締結した日から起算して2週間以内に,当該土地が所在する市町村長を経由して,都道府県知事に届け出なければならない(23条1項)。
楽学宅建 p.472「事後届出」 パーフェクト宅建 p.351「事後届出」



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