住宅新報社・月刊「不動産受験新報」20007年12月号
(毎月1日発売 定価910円)
平成19年度 宅建試験 解答と解説その2
今回の解答と解説については,次の先生方にお願いしました。(アイウエオ順)合田 格,井尻茂美,伊藤陽三,岩本周二,植杉伸介,小川多聞,鈴木 優,瀬川丈夫,十影 響,福田隆光
【問 18】 正解 1
1 正しく正解。高度地区の定義そのままの問題文。高度地区は,用途地域内において市街地の環境を維持し,または土地利用の増進を図るため,建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区である(都市計画法9条17号)。
2 誤り。三大都市圏の一定の都市や指定都市の都市計画区域では,都市計画で区域区分を定めることが義務付けられているが,それ以外の都市計画区域では義務付けられていない(7条1項)。
3 誤り。届け出るのは工事着手後ではない。地区計画の区域(道路,公園などの政令で定める施設の配置および規模が定められている再開発等促進区または地区整備計画が定められている区域に限る。)内で,土地の区画形質の変更,建築物の建築その他政令で定める行為を行おうとする者は,当該行為に着手する日の30日前までに,行為の種類等について,市町村長に届け出なければならない(58条の2第1項)。
4 誤り。都市計画の決定または変更の提案をすることができるものとしては,当該提案に係る土地の区域内の所有権または建物の所有を目的とする借地権(地上権・賃借権)を有する者のほか,まちづくりの推進を図る活動を行うことを目的として設立された特定非営利活動法人,民法の法人その他の営利を目的としない法人,独立行政法人都市再生機構,地方住宅供給公社,まちづくりの推進に関し経験と知識を有するものとして国土交通省令で定める団体またはこれらに準ずるものとして地方公共団体の条例で定める団体がある(21条の2第1項,第2項)。
楽学宅建 p.429「地域地区」 パーフェクト宅建 p.231「区域区分」,p.238「地域地区」,p.251「地区計画等の区域内における建築等の規制」
【問 19】 正解 4
1 誤り。開発許可を受けた開発区域内で用途地域などが定められていない場合,工事完了公告後に,当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物の建築等をするには,都道府県知事の許可が必要であり,その旨の届出をすればよいということではない(都市計画法42条1項)。
2 誤り。開発許可を受けた開発区域内で,工事完了公告後,国が行う行為については,当該国の機関と都道府県知事との協議が成立することをもって,知事の許可があったものとみなされるが(42条2項),地方公共団体について,このような規定はない。
3 誤り。都道府県知事が開発許可をする場合に,当該開発区域内の土地について,建築物の建ぺい率等に関する制限を定めることができるのは,「用途地域の定められていない」区域だけである(41条1項)。したがって,必ず用途地域が定められる市街化区域において,本肢のように建ぺい率に関する制限を定めることはできない。
4 正しく正解。市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内では,都道府県知事の許可を受けなければ,原則として,建築物の新築,第一種特定工作物の新設,建築物の改築,用途変更をすることはできないが,その例外の一つとして,公民館は公益上必要な建築物なので,知事の許可を受けなくても建築することができる(43条1項,29条1項3号)。
楽学宅建 p.439~p.440「建築等の制限」 パーフェクト宅建 p.282~p.287「建築制限」
【問 20】 正解 1
ア 庭球場(テニスコート)は,10,000㎡(1ha)以上の場合に第二種特定工作物になるが,5,000㎡では,第二種特定工作物には該当しない。このため,市街化調整区域内であっても,この場合,開発許可は不要である(都市計画法29条1項,4条11項,施行令1条2項1号)。
イ 図書館は,開発許可の不要な公益上必要な建築物に該当するので,区域・開発規模面積によらず,開発許可は不要である(29条1項3号)。
ウ 農業,林業,漁業の用に供する政令で定める建築物やこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的の開発行為は,市街化調整区域,区域区分が定められていない都市計画区域,または準都市計画区域内で行う場合,開発許可は不要だが,市街化区域内ではこのような例外規定がないため,開発規模が1,000㎡を超える場合には開発許可が必要になる(29条1項2号)。
以上により,開発許可を受ける必要のないものの組合せはアとイであるから,1が正解。
楽学宅建 p.435「開発許可が必要となる場合」,p.436「許可不要となる開発行為」 パーフェクト宅建 p.267「特定工作物」,p.269「許可の適用除外」
【問 21】 正解 1
1 正しく正解。共同住宅は特殊建築物であり(建築基準法・別表第1(い)),その用途に供する部分の床面積が100㎡を超えるものについて大規模の修繕をしようとする場合は,建築確認を受けなければならない(6条1項1号)。
2 誤り。建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質(「石綿等」)を添加したり,石綿等をあらかじめ添加した建築材料を使用することは禁止されている(28条の2第1号,第2号)。
3 誤り。必ず耐火建築物にしなければならないのは,防火地域内では地階を含む階数が3以上または延べ面積が100㎡超の建築物であり,準防火地域内では地階を除く階数が4以上または延べ面積が1,500㎡超の建築物である(61条,62条1項)。したがって,準防火地域内では延べ面積が1,000㎡超の建築物はすべて耐火建築物にしなければならないわけではない。
4 誤り。延べ面積が1,000㎡超の建築物は,防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し,かつ,各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならないが,耐火建築物または準耐火建築物ではこの規定は適用されないので,本肢は誤りである(26条1号)。
楽学宅建 p.444「建築確認」,p.465~p.467「防火地域・準防火地域内の制限」 パーフェクト宅建 p.299~p.301「防火地域内・準防火地域内の制限」,p.333「一般規制(4)防火壁」,p.335「一般規制(9)」,p.337「建築に関する手続」
【問 22】 正解 4
1 誤り。第二種低層住居専用地域内においては,美容院は,その用途に供する部分が2階以下,かつ150㎡以下であれば,建築することができる(建築基準法48条2項,別表第2(ろ)項,施行令130条の5の2第2号)。
2 誤り。第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域に関する都市計画において外壁の後退距離の限度を定める場合,その限度は「1.5mまたは1m」である(54条2項)。
3 誤り。第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域内においては,建築物の高さは,原則として,10mまたは12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない(55条1項)。
4 正しく正解。第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域内においては,隣地斜線制限は適用されない(56条1項2号)。
楽学宅建 p.442「建築基準法」 パーフェクト宅建 p.290「建築物の用途制限」,P314「外壁の後退距離の制限」,p.317「建築物の高さに関する制限」
【問 23】 正解 1
1 誤りで正解。都道府県知事は,宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地(これに附帯する道路その他の土地を含み,宅地造成工事規制区域内の土地を除く)の区域であって一定の基準に該当するものを,造成宅地防災区域として指定することができる(宅地造成等規制法20条1項)。すなわち,宅地造成工事規制区域内の土地を造成宅地防災区域に指定することはできない。
2 正しい。都道府県知事は,造成宅地防災区域の全部または一部についてその指定の事由がなくなったと認めるときは,当該造成宅地防災区域の全部または一部についてその指定を解除するものとされている(20条2項)。
3 正しい。造成宅地防災区域内の造成宅地の所有者,管理者または占有者は,災害が生じないよう,その造成宅地について擁壁等の設置または改造その他必要な措置を講ずるように努めなければならない(21条1項)。
4 正しい。都道府県知事は,造成宅地防災区域内の造成宅地について,災害の防止のため必要があると認める場合においては,その造成宅地の所有者,管理者または占有者に対し,擁壁等の設置または改造その他災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができる(21条2項)。
楽学宅建 p.488「宅地造成等規制法」 パーフェクト宅建 p.381「宅地造成等規制法」
【問 24】 正解 3
1 誤り。土地区画整理組合を設立しようとする者は,事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては,「7人以上」共同して,定款および事業基本方針を定め,その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる(土地区画整理法14条2項)。
2 誤り。土地区画整理組合は,その事業に要する経費に充てるため,賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができ(40条1項),この場合,その賦課徴収について都道府県知事の認可を受ける必要はない。
3 正しく正解。宅地について所有権または借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は,当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる(3条2項)。
4 誤り。許可権者は,当該土地区画整理組合ではなく,「都道府県知事」である(76条1項)。
楽学宅建 p.497「土地区画整理法」 パーフェクト宅建 p.361「土地区画整理法」
【問 25】 正解 2
1 誤り。相続による農地の取得については許可を要しない(農地法3条1項)が,その取得した農地を転用する場合には,許可が必要である(4条1項)。
2 正しく正解。転用目的で,市街化区域内にある農地を取得する場合,あらかじめ農業委員会への届出を行えば,許可を受ける必要はない(5条1項3号)。
3 誤り。耕作目的での「原野の取得」であり,農地法上の許可は要しない(3条1項参照)。
4 誤り。遊休化していても農地であり,その転用には許可が必要である(4条1項)。
楽学宅建 p.481「農地法」 パーフェクト宅建 p.373「農地法」
【問 26】 正解 4
1 誤り。居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(以下「買換えの特例」という)における譲渡資産について価額の要件は設けられていない(租税特別措置法36条の2)。
2 誤り。買換えの特例における買換資産とされる家屋については,譲渡資産の譲渡をした日の属する年のみならず,その前年または翌年の12月31日までに取得された家屋についても適用が認められている(36条の2)。
3 誤り。買換えの特例における譲渡資産とされる家屋については,譲渡があった年の1月1日における所有期間が10年を超えることが適用要件となっており,5年を超えていれば足りるものではない(36条の2)。
4 正しく正解。買換えの特例における買換え資産とされる家屋については,自己の居住の用に供する部分の床面積が,50㎡以上280㎡以下との適用要件がある。(施行令24条の2)。
楽学宅建 p.518「所得税」 パーフェクト宅建 p.659「所得税」
【問 27】 正解 1
1 正しく正解。住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例が適用されるための住宅取得等資金といえるには,配偶者や,直系血族,生計を一にする親族等から住宅を取得するような場合以外でなければならない(租税特別措置法70条の3,施行令40条の5)。
2 誤り。住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例が適用されるための要件として,住宅用家屋の新築または取得に要した費用についての制約はない。したがって誤り。ただし,増改築について適用を受けるためには100万円以上要した増改築であることとの制約がある(法70条の3)。
3 誤り。住宅取得等資金の贈与を受ける場合の相続時精算課税の特例における住宅用家屋といえるためには,その床面積の2分の1以上に相当する部分がもっぱら居住の用に供されていなければならないとされる。床面積の3分の1を店舗として使用しても,なお2分の1以上がもっぱら適用を受ける者の居住の用に供されていれば,適用を受けうることから誤り(施行令40条の5)。
4 誤り。住宅取得等資金の贈与を受ける場合の相続時精算課税の特例を受けるための住宅用家屋の新築もしくは取得または増改築等は,資金を取得した日の属する年の翌年3月15日までになされなければならない。したがって,資金の贈与を受けた年の12月31日までに新築等をしなければならないとするのは誤り(法70条の3第1項1号)。
楽学宅建 p.527「相続税・贈与税」 パーフェクト宅建 p.634「住宅取得資金の贈与の特例」
【問 28】 正解 3
1 誤り。不動産取得税の免税点は,土地の取得については,10万円未満である。したがって,30万円に満たないときとする本肢は誤り。なお,固定資産税の免税点は30万円未満なので,混同しないよう注意が必要である(地方税法73条の15の2)。
2 誤り。一定の住宅を取得した場合には,不動産取得税の課税標準の算定につき,特例が設けられ,住宅の価格から最大で1,200万円が控除される。この特例は,新築住宅の取得については,法人による取得か個人による取得かを問わないが,中古住宅については,個人の自己居住用に限って適用される。したがって,法人による取得でも特例による控除が受けられるとするのは誤り(73条の14第1項・第3項)。
3 正しく正解。不動産取得税の標準税率は100分の4が本則であるが,特例により平成18年4月1日から平成21年3月31日までに取得された土地または住宅については100分の3とされている。したがって,平成19年4月に取得された商業ビルの敷地につき標準税率を100分の3とする本肢は正しい(73条の15,改正附則第11条の2)。
4 誤り。不動産取得税は,相続,合併,信託等形式的に所有権が移転するような場合には課されない。したがって,相続により不動産を取得した場合にも課税されるとする本肢は誤り。(法73条の7)。
楽学宅建 p.509「不動産取得税」 パーフェクト宅建 p.628「不動産取得税」
【問 29】 正解 4
1 正しい。不動産の価格を求める鑑定評価の基本的手法は,原価法,取引事例比較法および収益還元法に大別され,各手法による試算価格をそれぞれ積算価格,比準価格,収益価格という(不動産鑑定評価基準総論第7章第1節価格を求める鑑定評価の手法,同Ⅱ,1意義,同Ⅲ,1意義,同Ⅳ,1意義)。
2 正しい。取引事例は,取引事例比較法に即応し,適切にして合理的な計画に基づき,豊富に秩序正しく収集し,選択すべきであり,投機的取引であると認められる事例等適切さを欠くものであってはならない(同基準総論第7章第1節Ⅰ,2事例の収集及び選択)。
3 正しい。再調達原価とは,対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいう(同基準総論第7章第1節Ⅱ,2,(1)再調達原価の意義)。
4 誤りで正解。収益還元法のうち,DCF法は,連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を,その発生時期に応じて現在価値に割り引き,それぞれを合計する方法である(同基準総論第7章第1節Ⅳ,2収益価格を求める方法)。なお,一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法を直接還元法という。
楽学宅建 p.530「収益還元法」 パーフェクト宅建 p.597「収益還元法」
【問 30】 正解 2
1 誤り。宅地建物取引業者が,一団の宅地建物の分譲を行うため案内所を設置し,当該案内所において売買契約の申込みの受付のみを行う場合,当該案内所に成年者である専任の取引主任者をおかなければならない(宅建業法15条1項,施行規則6条の2)。
2 正しく正解。事務所ごとに設置される専任の取引主任者の氏名に変更があった場合,その日から30日以内に業者名簿の変更の届出をしなければならない(9条)。
3 誤り。専任の取引主任者の法定数が不足したときは,宅建業者は2週間以内に是正措置をとらなければならず(15条3項),是正措置をとらなかったときは業務停止処分を受ける(65条2項2号)ほか,100万円以下の罰金に処せられる(82条2号)。
4 誤り。宅建業者本人,法人の役員が取引主任者である場合,これらの者を自ら主として業務に従事する事務所等に置かれる成年者である専任の取引主任者とみなし,その事務所に設置しなければならない専任の取引主任者の数に算入してよい(15条2項)。
楽学宅建 p.282「専任の取引主任者の設置義務」 パーフェクト宅建 p.427「取引主任者の設置-専任の取引主任者」
【問 31】 正解 2
1 誤り。登録の移転はあくまでも任意であり,登録の移転の申請をしなければならないわけではない(宅建業法19条2)。
2 正しく正解。取引主任者資格者が取引主任者としてすべき事務を行い情状が特に重いときは,当該登録の消除の処分を受け,その日から5年を経験するまでは,再び登録を受けることができない(68条の2,18条9号)。
3 誤り。取引主任者が取引主任者証の有効期間の更新を受けようとするときは,登録をしている「都道府県知事」が指定する講習で交付申請前6月以内に行われるものを受講しなければならない(22条の2第2項)。
4 誤り。取引主任者証の亡失によりその再交付を受けた後において,亡失した取引主任者証を発見したときは,速やかに,発見した取引主任者証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない(施行規則14条の15第4項)。
楽学宅建 p.286「取引主任者の登録」,p.296「取引主任者証」 パーフェクト宅建 p.431「登録」,p.443「取引主任者証」
【問 32】 正解 2
1 誤り。Aが競売により取得した宅地を10区画に分割し,宅建業者に販売代理を依頼して不特定多数の者に分譲する場合,Aは免許を受ける必要がある(宅建業法2条2号)。Aの行為は,宅地を自ら売買する行為に該当するからである。
2 正しく正解。Bは自ら貸借を行うものであり,Dは管理を行うものであり,いずれも宅建業法上の取引に該当しない。したがって,BとDは免許を受ける必要はない。Cは他人が行う貸借を媒介するものであり,宅建業法上の取引に該当する。したがって,Cは免許を受ける必要がある(2条2号)。
3 誤り。Eの行為は宅地建物の売買の媒介を業として行うものであるので,宅建業法上の取引に該当し,免許を受ける必要がある(2条2号)。
4 誤り。Fが,建物の建設工事を請け負うことを前提に,当該建物の敷地に供せられる土地の売買を反復継続してあっせんする行為は,宅建業法上の取引に該当し,Fは免許を必要とする(2条2号)。
楽学宅建 p.254「宅建業の意味」 パーフェクト宅建 p.400「目的と用語の定義」
【問 33】 正解 3
1 誤り。本店は常に事務所となる。したがって,A社は甲県と乙県に事務所を設置して宅建業を営むことになるので,国土交通大臣の免許を受けなければならない(宅建業法3条1項,施行令1条の2)。
2 誤り。B社の取締役が,刑法第204条の傷害の罪により罰金に処せられた場合は,B社の免許は取り消されるが,刑法第209条(過失傷害)罪により罰金に処せられても免許を取り消されることはない(5条1項,3条の2,66条1項1号)。
3 正しく正解。C社が業務停止処分に違反したとして免許を取り消され,その取消しの日から5年を経過していない場合,C社は免許を受けることができない(5条1項2号)。
4 誤り。破産者が復権を得れば,その翌日から免許を受けることができる(5条1項1号)。したがって,D社の取締役が,かつて破産宣告を受けたことがある場合でも,復権を得れば,復権から5年を経過しなくてもD社は免許を受けることができる。
楽学宅建 p.268「免許の基準」 パーフェクト宅建 p.413「免許基準,免許条件」
【問 34】 正解 1
1 誤りで正解。Aは,Bに手付の倍額(1,000万円)を賠償しなければ,当該契約を解除することができない(宅建業法39条2項)。
2 正しい。法第41条第1項に規定する手付金等を受領しようとする場合における同条および第41条の2の規定による保全措置の概要は,重要事項の1つとして説明しなければならない(35条1項10号)。
3 正しい。宅地建物について,買主への所有権移転の登記がなされたとき,または宅地建物について,買主が所有権の登記をしたときは,保全措置を講じる必要はない(41条の2第1項)。
4 正しい。Aと銀行との保証契約の内容は,宅建業者が受け取る手付金等の全額の返還を連帯して保証するものでなければならない。したがって,本肢の場合,Bは手付金の全額の返還を当該銀行に請求することができる。
楽学宅建 p.380「手付金等の保全措置」 パーフェクト宅建 p.523「手付金等の保全-未完成物件の場合」
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平成19年度 宅建試験 解答と解説その2
今回の解答と解説については,次の先生方にお願いしました。(アイウエオ順)合田 格,井尻茂美,伊藤陽三,岩本周二,植杉伸介,小川多聞,鈴木 優,瀬川丈夫,十影 響,福田隆光
【問 18】 正解 1
1 正しく正解。高度地区の定義そのままの問題文。高度地区は,用途地域内において市街地の環境を維持し,または土地利用の増進を図るため,建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区である(都市計画法9条17号)。
2 誤り。三大都市圏の一定の都市や指定都市の都市計画区域では,都市計画で区域区分を定めることが義務付けられているが,それ以外の都市計画区域では義務付けられていない(7条1項)。
3 誤り。届け出るのは工事着手後ではない。地区計画の区域(道路,公園などの政令で定める施設の配置および規模が定められている再開発等促進区または地区整備計画が定められている区域に限る。)内で,土地の区画形質の変更,建築物の建築その他政令で定める行為を行おうとする者は,当該行為に着手する日の30日前までに,行為の種類等について,市町村長に届け出なければならない(58条の2第1項)。
4 誤り。都市計画の決定または変更の提案をすることができるものとしては,当該提案に係る土地の区域内の所有権または建物の所有を目的とする借地権(地上権・賃借権)を有する者のほか,まちづくりの推進を図る活動を行うことを目的として設立された特定非営利活動法人,民法の法人その他の営利を目的としない法人,独立行政法人都市再生機構,地方住宅供給公社,まちづくりの推進に関し経験と知識を有するものとして国土交通省令で定める団体またはこれらに準ずるものとして地方公共団体の条例で定める団体がある(21条の2第1項,第2項)。
楽学宅建 p.429「地域地区」 パーフェクト宅建 p.231「区域区分」,p.238「地域地区」,p.251「地区計画等の区域内における建築等の規制」
【問 19】 正解 4
1 誤り。開発許可を受けた開発区域内で用途地域などが定められていない場合,工事完了公告後に,当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物の建築等をするには,都道府県知事の許可が必要であり,その旨の届出をすればよいということではない(都市計画法42条1項)。
2 誤り。開発許可を受けた開発区域内で,工事完了公告後,国が行う行為については,当該国の機関と都道府県知事との協議が成立することをもって,知事の許可があったものとみなされるが(42条2項),地方公共団体について,このような規定はない。
3 誤り。都道府県知事が開発許可をする場合に,当該開発区域内の土地について,建築物の建ぺい率等に関する制限を定めることができるのは,「用途地域の定められていない」区域だけである(41条1項)。したがって,必ず用途地域が定められる市街化区域において,本肢のように建ぺい率に関する制限を定めることはできない。
4 正しく正解。市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内では,都道府県知事の許可を受けなければ,原則として,建築物の新築,第一種特定工作物の新設,建築物の改築,用途変更をすることはできないが,その例外の一つとして,公民館は公益上必要な建築物なので,知事の許可を受けなくても建築することができる(43条1項,29条1項3号)。
楽学宅建 p.439~p.440「建築等の制限」 パーフェクト宅建 p.282~p.287「建築制限」
【問 20】 正解 1
ア 庭球場(テニスコート)は,10,000㎡(1ha)以上の場合に第二種特定工作物になるが,5,000㎡では,第二種特定工作物には該当しない。このため,市街化調整区域内であっても,この場合,開発許可は不要である(都市計画法29条1項,4条11項,施行令1条2項1号)。
イ 図書館は,開発許可の不要な公益上必要な建築物に該当するので,区域・開発規模面積によらず,開発許可は不要である(29条1項3号)。
ウ 農業,林業,漁業の用に供する政令で定める建築物やこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的の開発行為は,市街化調整区域,区域区分が定められていない都市計画区域,または準都市計画区域内で行う場合,開発許可は不要だが,市街化区域内ではこのような例外規定がないため,開発規模が1,000㎡を超える場合には開発許可が必要になる(29条1項2号)。
以上により,開発許可を受ける必要のないものの組合せはアとイであるから,1が正解。
楽学宅建 p.435「開発許可が必要となる場合」,p.436「許可不要となる開発行為」 パーフェクト宅建 p.267「特定工作物」,p.269「許可の適用除外」
【問 21】 正解 1
1 正しく正解。共同住宅は特殊建築物であり(建築基準法・別表第1(い)),その用途に供する部分の床面積が100㎡を超えるものについて大規模の修繕をしようとする場合は,建築確認を受けなければならない(6条1項1号)。
2 誤り。建築材料に石綿その他の著しく衛生上有害なものとして政令で定める物質(「石綿等」)を添加したり,石綿等をあらかじめ添加した建築材料を使用することは禁止されている(28条の2第1号,第2号)。
3 誤り。必ず耐火建築物にしなければならないのは,防火地域内では地階を含む階数が3以上または延べ面積が100㎡超の建築物であり,準防火地域内では地階を除く階数が4以上または延べ面積が1,500㎡超の建築物である(61条,62条1項)。したがって,準防火地域内では延べ面積が1,000㎡超の建築物はすべて耐火建築物にしなければならないわけではない。
4 誤り。延べ面積が1,000㎡超の建築物は,防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し,かつ,各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならないが,耐火建築物または準耐火建築物ではこの規定は適用されないので,本肢は誤りである(26条1号)。
楽学宅建 p.444「建築確認」,p.465~p.467「防火地域・準防火地域内の制限」 パーフェクト宅建 p.299~p.301「防火地域内・準防火地域内の制限」,p.333「一般規制(4)防火壁」,p.335「一般規制(9)」,p.337「建築に関する手続」
【問 22】 正解 4
1 誤り。第二種低層住居専用地域内においては,美容院は,その用途に供する部分が2階以下,かつ150㎡以下であれば,建築することができる(建築基準法48条2項,別表第2(ろ)項,施行令130条の5の2第2号)。
2 誤り。第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域に関する都市計画において外壁の後退距離の限度を定める場合,その限度は「1.5mまたは1m」である(54条2項)。
3 誤り。第一種低層住居専用地域または第二種低層住居専用地域内においては,建築物の高さは,原則として,10mまたは12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない(55条1項)。
4 正しく正解。第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域内においては,隣地斜線制限は適用されない(56条1項2号)。
楽学宅建 p.442「建築基準法」 パーフェクト宅建 p.290「建築物の用途制限」,P314「外壁の後退距離の制限」,p.317「建築物の高さに関する制限」
【問 23】 正解 1
1 誤りで正解。都道府県知事は,宅地造成に伴う災害で相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい一団の造成宅地(これに附帯する道路その他の土地を含み,宅地造成工事規制区域内の土地を除く)の区域であって一定の基準に該当するものを,造成宅地防災区域として指定することができる(宅地造成等規制法20条1項)。すなわち,宅地造成工事規制区域内の土地を造成宅地防災区域に指定することはできない。
2 正しい。都道府県知事は,造成宅地防災区域の全部または一部についてその指定の事由がなくなったと認めるときは,当該造成宅地防災区域の全部または一部についてその指定を解除するものとされている(20条2項)。
3 正しい。造成宅地防災区域内の造成宅地の所有者,管理者または占有者は,災害が生じないよう,その造成宅地について擁壁等の設置または改造その他必要な措置を講ずるように努めなければならない(21条1項)。
4 正しい。都道府県知事は,造成宅地防災区域内の造成宅地について,災害の防止のため必要があると認める場合においては,その造成宅地の所有者,管理者または占有者に対し,擁壁等の設置または改造その他災害の防止のため必要な措置をとることを勧告することができる(21条2項)。
楽学宅建 p.488「宅地造成等規制法」 パーフェクト宅建 p.381「宅地造成等規制法」
【問 24】 正解 3
1 誤り。土地区画整理組合を設立しようとする者は,事業計画の決定に先立って組合を設立する必要があると認める場合においては,「7人以上」共同して,定款および事業基本方針を定め,その組合の設立について都道府県知事の認可を受けることができる(土地区画整理法14条2項)。
2 誤り。土地区画整理組合は,その事業に要する経費に充てるため,賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができ(40条1項),この場合,その賦課徴収について都道府県知事の認可を受ける必要はない。
3 正しく正解。宅地について所有権または借地権を有する者が設立する土地区画整理組合は,当該権利の目的である宅地を含む一定の区域の土地について土地区画整理事業を施行することができる(3条2項)。
4 誤り。許可権者は,当該土地区画整理組合ではなく,「都道府県知事」である(76条1項)。
楽学宅建 p.497「土地区画整理法」 パーフェクト宅建 p.361「土地区画整理法」
【問 25】 正解 2
1 誤り。相続による農地の取得については許可を要しない(農地法3条1項)が,その取得した農地を転用する場合には,許可が必要である(4条1項)。
2 正しく正解。転用目的で,市街化区域内にある農地を取得する場合,あらかじめ農業委員会への届出を行えば,許可を受ける必要はない(5条1項3号)。
3 誤り。耕作目的での「原野の取得」であり,農地法上の許可は要しない(3条1項参照)。
4 誤り。遊休化していても農地であり,その転用には許可が必要である(4条1項)。
楽学宅建 p.481「農地法」 パーフェクト宅建 p.373「農地法」
【問 26】 正解 4
1 誤り。居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例(以下「買換えの特例」という)における譲渡資産について価額の要件は設けられていない(租税特別措置法36条の2)。
2 誤り。買換えの特例における買換資産とされる家屋については,譲渡資産の譲渡をした日の属する年のみならず,その前年または翌年の12月31日までに取得された家屋についても適用が認められている(36条の2)。
3 誤り。買換えの特例における譲渡資産とされる家屋については,譲渡があった年の1月1日における所有期間が10年を超えることが適用要件となっており,5年を超えていれば足りるものではない(36条の2)。
4 正しく正解。買換えの特例における買換え資産とされる家屋については,自己の居住の用に供する部分の床面積が,50㎡以上280㎡以下との適用要件がある。(施行令24条の2)。
楽学宅建 p.518「所得税」 パーフェクト宅建 p.659「所得税」
【問 27】 正解 1
1 正しく正解。住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例が適用されるための住宅取得等資金といえるには,配偶者や,直系血族,生計を一にする親族等から住宅を取得するような場合以外でなければならない(租税特別措置法70条の3,施行令40条の5)。
2 誤り。住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例が適用されるための要件として,住宅用家屋の新築または取得に要した費用についての制約はない。したがって誤り。ただし,増改築について適用を受けるためには100万円以上要した増改築であることとの制約がある(法70条の3)。
3 誤り。住宅取得等資金の贈与を受ける場合の相続時精算課税の特例における住宅用家屋といえるためには,その床面積の2分の1以上に相当する部分がもっぱら居住の用に供されていなければならないとされる。床面積の3分の1を店舗として使用しても,なお2分の1以上がもっぱら適用を受ける者の居住の用に供されていれば,適用を受けうることから誤り(施行令40条の5)。
4 誤り。住宅取得等資金の贈与を受ける場合の相続時精算課税の特例を受けるための住宅用家屋の新築もしくは取得または増改築等は,資金を取得した日の属する年の翌年3月15日までになされなければならない。したがって,資金の贈与を受けた年の12月31日までに新築等をしなければならないとするのは誤り(法70条の3第1項1号)。
楽学宅建 p.527「相続税・贈与税」 パーフェクト宅建 p.634「住宅取得資金の贈与の特例」
【問 28】 正解 3
1 誤り。不動産取得税の免税点は,土地の取得については,10万円未満である。したがって,30万円に満たないときとする本肢は誤り。なお,固定資産税の免税点は30万円未満なので,混同しないよう注意が必要である(地方税法73条の15の2)。
2 誤り。一定の住宅を取得した場合には,不動産取得税の課税標準の算定につき,特例が設けられ,住宅の価格から最大で1,200万円が控除される。この特例は,新築住宅の取得については,法人による取得か個人による取得かを問わないが,中古住宅については,個人の自己居住用に限って適用される。したがって,法人による取得でも特例による控除が受けられるとするのは誤り(73条の14第1項・第3項)。
3 正しく正解。不動産取得税の標準税率は100分の4が本則であるが,特例により平成18年4月1日から平成21年3月31日までに取得された土地または住宅については100分の3とされている。したがって,平成19年4月に取得された商業ビルの敷地につき標準税率を100分の3とする本肢は正しい(73条の15,改正附則第11条の2)。
4 誤り。不動産取得税は,相続,合併,信託等形式的に所有権が移転するような場合には課されない。したがって,相続により不動産を取得した場合にも課税されるとする本肢は誤り。(法73条の7)。
楽学宅建 p.509「不動産取得税」 パーフェクト宅建 p.628「不動産取得税」
【問 29】 正解 4
1 正しい。不動産の価格を求める鑑定評価の基本的手法は,原価法,取引事例比較法および収益還元法に大別され,各手法による試算価格をそれぞれ積算価格,比準価格,収益価格という(不動産鑑定評価基準総論第7章第1節価格を求める鑑定評価の手法,同Ⅱ,1意義,同Ⅲ,1意義,同Ⅳ,1意義)。
2 正しい。取引事例は,取引事例比較法に即応し,適切にして合理的な計画に基づき,豊富に秩序正しく収集し,選択すべきであり,投機的取引であると認められる事例等適切さを欠くものであってはならない(同基準総論第7章第1節Ⅰ,2事例の収集及び選択)。
3 正しい。再調達原価とは,対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいう(同基準総論第7章第1節Ⅱ,2,(1)再調達原価の意義)。
4 誤りで正解。収益還元法のうち,DCF法は,連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を,その発生時期に応じて現在価値に割り引き,それぞれを合計する方法である(同基準総論第7章第1節Ⅳ,2収益価格を求める方法)。なお,一期間の純収益を還元利回りによって還元する方法を直接還元法という。
楽学宅建 p.530「収益還元法」 パーフェクト宅建 p.597「収益還元法」
【問 30】 正解 2
1 誤り。宅地建物取引業者が,一団の宅地建物の分譲を行うため案内所を設置し,当該案内所において売買契約の申込みの受付のみを行う場合,当該案内所に成年者である専任の取引主任者をおかなければならない(宅建業法15条1項,施行規則6条の2)。
2 正しく正解。事務所ごとに設置される専任の取引主任者の氏名に変更があった場合,その日から30日以内に業者名簿の変更の届出をしなければならない(9条)。
3 誤り。専任の取引主任者の法定数が不足したときは,宅建業者は2週間以内に是正措置をとらなければならず(15条3項),是正措置をとらなかったときは業務停止処分を受ける(65条2項2号)ほか,100万円以下の罰金に処せられる(82条2号)。
4 誤り。宅建業者本人,法人の役員が取引主任者である場合,これらの者を自ら主として業務に従事する事務所等に置かれる成年者である専任の取引主任者とみなし,その事務所に設置しなければならない専任の取引主任者の数に算入してよい(15条2項)。
楽学宅建 p.282「専任の取引主任者の設置義務」 パーフェクト宅建 p.427「取引主任者の設置-専任の取引主任者」
【問 31】 正解 2
1 誤り。登録の移転はあくまでも任意であり,登録の移転の申請をしなければならないわけではない(宅建業法19条2)。
2 正しく正解。取引主任者資格者が取引主任者としてすべき事務を行い情状が特に重いときは,当該登録の消除の処分を受け,その日から5年を経験するまでは,再び登録を受けることができない(68条の2,18条9号)。
3 誤り。取引主任者が取引主任者証の有効期間の更新を受けようとするときは,登録をしている「都道府県知事」が指定する講習で交付申請前6月以内に行われるものを受講しなければならない(22条の2第2項)。
4 誤り。取引主任者証の亡失によりその再交付を受けた後において,亡失した取引主任者証を発見したときは,速やかに,発見した取引主任者証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない(施行規則14条の15第4項)。
楽学宅建 p.286「取引主任者の登録」,p.296「取引主任者証」 パーフェクト宅建 p.431「登録」,p.443「取引主任者証」
【問 32】 正解 2
1 誤り。Aが競売により取得した宅地を10区画に分割し,宅建業者に販売代理を依頼して不特定多数の者に分譲する場合,Aは免許を受ける必要がある(宅建業法2条2号)。Aの行為は,宅地を自ら売買する行為に該当するからである。
2 正しく正解。Bは自ら貸借を行うものであり,Dは管理を行うものであり,いずれも宅建業法上の取引に該当しない。したがって,BとDは免許を受ける必要はない。Cは他人が行う貸借を媒介するものであり,宅建業法上の取引に該当する。したがって,Cは免許を受ける必要がある(2条2号)。
3 誤り。Eの行為は宅地建物の売買の媒介を業として行うものであるので,宅建業法上の取引に該当し,免許を受ける必要がある(2条2号)。
4 誤り。Fが,建物の建設工事を請け負うことを前提に,当該建物の敷地に供せられる土地の売買を反復継続してあっせんする行為は,宅建業法上の取引に該当し,Fは免許を必要とする(2条2号)。
楽学宅建 p.254「宅建業の意味」 パーフェクト宅建 p.400「目的と用語の定義」
【問 33】 正解 3
1 誤り。本店は常に事務所となる。したがって,A社は甲県と乙県に事務所を設置して宅建業を営むことになるので,国土交通大臣の免許を受けなければならない(宅建業法3条1項,施行令1条の2)。
2 誤り。B社の取締役が,刑法第204条の傷害の罪により罰金に処せられた場合は,B社の免許は取り消されるが,刑法第209条(過失傷害)罪により罰金に処せられても免許を取り消されることはない(5条1項,3条の2,66条1項1号)。
3 正しく正解。C社が業務停止処分に違反したとして免許を取り消され,その取消しの日から5年を経過していない場合,C社は免許を受けることができない(5条1項2号)。
4 誤り。破産者が復権を得れば,その翌日から免許を受けることができる(5条1項1号)。したがって,D社の取締役が,かつて破産宣告を受けたことがある場合でも,復権を得れば,復権から5年を経過しなくてもD社は免許を受けることができる。
楽学宅建 p.268「免許の基準」 パーフェクト宅建 p.413「免許基準,免許条件」
【問 34】 正解 1
1 誤りで正解。Aは,Bに手付の倍額(1,000万円)を賠償しなければ,当該契約を解除することができない(宅建業法39条2項)。
2 正しい。法第41条第1項に規定する手付金等を受領しようとする場合における同条および第41条の2の規定による保全措置の概要は,重要事項の1つとして説明しなければならない(35条1項10号)。
3 正しい。宅地建物について,買主への所有権移転の登記がなされたとき,または宅地建物について,買主が所有権の登記をしたときは,保全措置を講じる必要はない(41条の2第1項)。
4 正しい。Aと銀行との保証契約の内容は,宅建業者が受け取る手付金等の全額の返還を連帯して保証するものでなければならない。したがって,本肢の場合,Bは手付金の全額の返還を当該銀行に請求することができる。
楽学宅建 p.380「手付金等の保全措置」 パーフェクト宅建 p.523「手付金等の保全-未完成物件の場合」
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