住宅新報社・月刊「不動産受験新報」20007年12月号
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平成19年度 宅建本試験問題その3
【問 35】 宅地建物取引業者が宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項について説明する場合における次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 建物の貸借の媒介において,当該建物について石綿が使用されていない旨の調査結果が記録されているときは,その旨を借主に説明しなくてもよい。
2 建物の貸借の媒介において,当該建物が宅地造成等規制法の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは,その旨を借主に説明しなければならない。
3 平成19年10月に新築の工事に着手した建物の売買において,当該建物が指定確認検査機関,建築士,登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは,その内容を買主に説明しなければならない。
4 宅地の売買の媒介において,当該宅地の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結等の措置を講じないときは,その旨を買主に説明しなくてもよい。
【問 36】 法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に関する監督処分及び罰則に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 Aが,建物の売買において,当該建物の将来の利用の制限について著しく事実と異なる内容の広告をした場合,Aは,甲県知事から指示処分を受けることがあり,その指示に従わなかったときは,業務停止処分を受けることがある。
2 Aが,乙県内で行う建物の売買に関し,取引の関係者に損害を与えるおそれが大であるときは,Aは,甲県知事から指示処分を受けることはあるが,乙県知事から指示処分を受けることはない。
3 Aが,正当な理由なく,その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他人に漏らした場合,Aは,甲県知事から業務停止処分を受けることがあるほか,罰則の適用を受けることもある。
4 Aの従業者Bが,建物の売買の契約の締結について勧誘をするに際し,当該建物の利用の制限に関する事項で買主の判断に重要な影響を及ぼすものを故意に告げなかった場合,Aに対して1億円以下の罰金刑が科せられることがある。
【問 37】 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはどれか。なお,Aは,甲県内に本店と一つの支店を設置して事業を営んでいるものとする。
1 Aが販売する新築分譲マンションの広告を受託した広告代理店は,その広告代金債権に関し,Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有しない。
2 Aは,免許の有効期間の満了に伴い,営業保証金の取戻しをするための公告をしたときは,遅滞なく,その旨を甲県知事に届け出なければならない。
3 Aは,マンション3棟を分譲するための現地出張所を甲県内に設置した場合,営業保証金を追加して供託しなければ,当該出張所でマンションの売買契約を締結することはできない。
4 Aの支店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者は,その取引により生じた債権に関し,1,500万円を限度として,Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。
【問 38】 宅地建物取引業者Aの業務に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 Aは,実在しない宅地について広告又は虚偽の表示を行ってはならないが,実在する宅地については,実際に販売する意思がなくても,当該宅地の広告の表示に誤りがなければ,その広告を行うことができる。
2 Aは,新築分譲マンションを建築工事の完了前に売却する場合,建築基準法第6条第1項の確認を受ける前において,当該マンションの売買の広告及び売買契約の締結のいずれもすることはできない。
3 都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地について,Bが開発行為を行い貸主として貸借をしようとする場合,Aは,Bがその許可を受ける前であっても,Bの依頼により当該宅地の貸借の広告をすることができるが,当該宅地の貸借の媒介をすることはできない。
4 Aは,都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地について開発行為を行いCに売却する場合,Cが宅地建物取引業者であれば,その許可を受ける前であっても当該宅地の売買の予約を締結することができる。
【問 39】 宅地建物取引業者Aは,BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受けた。この場合における次の記述のうち,宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 Aは,Bとの間に媒介契約を締結したときは,当該契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を,法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。
2 Aは,Bとの間で媒介契約を締結し,Bに対して当該宅地を売却すべき価額又はその評価額について意見を述べるときは,その根拠を明らかにしなければならない。
3 Aは,Bとの間に専属専任媒介契約を締結したときは,当該契約の締結の日から5日以内(休業日を除く。)に,所定の事項を当該宅地の所在地を含む地域を対象として登録業務を現に行っている指定流通機構に登録しなければならない。
4 Aは,Bとの間で有効期間を2か月とする専任媒介契約を締結する際,「Bが媒介契約を更新する旨を申し出ない場合は,有効期間満了により自動更新するものとする」旨の特約を定めることができる。
【問 40】 宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う場合に交付する「35条書面」又は「37条書面」に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。なお,35条書面とは,同法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面を,37条書面とは,同法第37条の規定に基づく契約の内容を記載した書面をいうものとする。
1 Aは,35条書面及び37条書面のいずれの交付に際しても,取引主任者をして,当該書面への記名押印及びその内容の説明をさせなければならない。
2 Bが宅地建物取引業者でその承諾がある場合,Aは,Bに対し,35条書面及び37条書面のいずれの交付も省略することができる。
3 Cが宅地建物取引業者でその承諾がある場合,Aは,Cに対し,35条書面の交付を省略することができるが,37条書面の交付を省略することはできない。
4 Aが,宅地建物取引業者Dと共同で媒介を行う場合,35条書面にAが調査して記入した内容に誤りがあったときは,Aだけでなく,Dも業務停止処分を受けることがある。
【問 41】 宅地建物取引業者Aが,自ら売主として,宅地建物取引業者でないBと建物の売買契約を締結しようとし,又は締結した場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば,正しいものはどれか。
1 Aは,自己の所有に属しない建物を売買する場合,Aが当該建物を取得する契約を締結している場合であっても,その契約が停止条件付きであるときは,当該建物の売買契約を締結してはならない。
2 売買契約の締結に際し,当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し,又は違約金を定める場合において,これらを合算した額が売買代金の2割を超える特約をしたときは,その特約はすべて無効となる。
3 「建物に隠れた瑕疵があった場合,その瑕疵がAの責に帰すことのできるものでないときは,Aは瑕疵担保責任を負わない」とする特約は有効である。
4 Bがホテルのロビーで買受けの申込みをし,3日後にBの自宅で売買契約を締結した場合,Bは,当該建物の引渡しを受け,かつ,その代金の全部を支払っているときでも,当該売買契約の解除をすることができる。
【問 42】 宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は,B所有の建物について,B及びCから媒介の依頼を受け,Bを貸主,Cを借主とする定期借家契約を成立させた。この場合における次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。なお,1か月分の借賃は13万円,保証金(Cの退去時にCに全額返還されるものとする。)は300万円とする。
1 建物が店舗用である場合,AがCから受け取ることができる報酬の限度額は,147,000円である。
2 Aは,媒介報酬の限度額のほかに,Bの依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して,Bから受け取ることができる。
3 建物が居住用である場合,AがB及びCから受け取ることができる報酬の限度額は,B及びCの承諾を得ているときを除き,それぞれ68,250円である。
4 定期借家契約の契約期間が終了した直後に,AがBC間の定期借家契約の再契約を成立させた場合にAが受け取る報酬については,宅地建物取引業法の規定は適用されない。
【問 43】 次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 宅地建物取引業者Aは,都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地の造成工事着手前において,当該許可を受けていない場合であっても,当該許可を受けることを停止条件とする特約を付ければ,当該宅地の売買契約を締結することができる。
2 宅地建物取引業者Bが自ら売主となって,宅地建物取引業者でないCと1億円のマンションの売買契約(手付金1,500万円,中間金1,500万円,残代金7,000万円)を建築工事完了前に締結し,その引渡し及び登記の移転を残代金の支払と同時に行う場合,Bは,手付金の受領前及び中間金の受領前それぞれについて,保全措置を講じなければならない。
3 宅地建物取引業者Dは,取引態様の明示がある広告を見た宅地建物取引業者Eから建物の売買の注文を受けた場合,Eから取引態様の問い合わせがなければ,Eに対して,取引態様を明示する必要はない。
4 宅地建物取引業者Fが自ら売主となって,宅地建物取引業者でないGと宅地の売買契約を締結するに際して手付金を受領する場合において,その手付金が解約手付である旨の定めがないときは,Fが契約の履行に着手していなくても,Gは手付金を放棄して契約の解除をすることができない。
【問 44】 宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 保証協会に加入することは宅地建物取引業者の任意であるが,一の保証協会の社員となった後に,重ねて他の保証協会の社員となることはできない。
2 宅地建物取引業者で保証協会に加入しようとする者は,その加入の日から2週間以内に,弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。
3 宅地建物取引業者で保証協会に加入しようとする者は,その加入に際して,加入前の宅地建物取引業に関する取引により生じたその者の債務に関し,保証協会から担保の提供を求められることはない。
4 保証協会に加入した宅地建物取引業者は,直ちに,その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。
【問 45】 宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引主任者証(以下この問において「取引主任者証」という。),従業者証明書,従業者名簿,帳簿及び標識に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 宅地建物取引業者の従業者は,宅地建物取引業者が発行する従業者証明書をその業務に従事する間,常に携帯し,取引の関係者から請求があったときは,従業者証明書を提示しなければならないが,従業者が取引主任者である場合は,取引主任者証の提示をもってこれに代えることができる。
2 宅地建物取引業者は,その事務所ごとに従業者名簿を備え,取引の関係者から請求があったときは,当該名簿をその者の閲覧に供しなければならないが,当該名簿を事務所のパソコンのハードディスクに記録し,ディスプレイの画面に表示する方法で閲覧に供することもできる。
3 宅地建物取引業者は,その事務所ごとにその業務に関する帳簿を備え,取引のあったつど,所定の事項を記載しなければならないが,当該帳簿の記載事項を事務所のパソコンのハードディスクに記録し,必要に応じ当該事務所においてパソコンやプリンタを用いて紙面に印刷することが可能な環境を整えることで,当該帳簿への記載に代えることができる。
4 宅地建物取引業者は,売主として一団の宅地建物の分譲を当該物件から約500m離れた駅前に案内所を設置して行う場合,当該物件の所在する場所及び案内所のそれぞれに,免許証番号,主たる事務所の所在地等の所定の事項を記載した標識を掲示しなければならない。
【問 46】 平成19年4月1日に住宅金融公庫(以下この問において「公庫」という。)は廃止され,独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)が設立された。機構の業務に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 機構は,住宅の建設,購入,改良若しくは移転(以下この問において「建設等」という。)をしようとする者又は住宅の建設等に関する事業を行う者に対し,必要な資金の調達又は良質な住宅の設計若しくは建設等に関する情報の提供,相談その他の援助を業務として行う。
2 機構は,子どもを育成する家庭又は高齢者の家庭に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けを業務として行う。
3 機構は,事業主又は事業主団体から独立行政法人雇用・能力開発機構の行う転貸貸付に係る住宅資金の貸付けを受けることができない勤労者に対し,財形住宅貸付業務を行う。
4 機構は,公庫が機構の設立前に受理した申込みに係る資金の貸付けのうち,機構の設立から半年以内に実行するものに限り,資金の貸付けを業務として行う。
【問 47】 宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち,不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば,正しいものはどれか。
1 新築分譲マンションの広告に住宅ローンについて記載する場合,返済例を表示すれば,当該住宅ローンを扱っている金融機関の名称や融資限度額等について表示する必要はない。
2 マンションの広告を行う場合,当該マンションが建築後2年経過していたとしても,居住の用に供されたことがなければ「新築分譲マンション」と表示することができる。
3 1枚の新聞折込みチラシに多数の新築分譲住宅の広告を掲載する場合には,物件ごとの表示スペースが限られてしまうため,各物件の所在地を表示すれば,交通の利便に関する表示は省略することができる。
4 残戸数が1戸の新築分譲住宅の広告を行う場合,建物の面積は延べ面積を表示し,これに車庫の面積を含むときには,車庫の面積を含む旨及びその面積を表示する必要がある。
【問 48】 宅地建物の統計等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 平成19年地価公示(平成19年3月公表)によれば,平成18年の1年間の地価変動率は,全国平均で住宅地がマイナス1.5%,商業地がプラス2.3%となり,住宅地は引き続き下落しているが,商業地は平成3年以来16年ぶりにわずかな上昇となった。
2 建築着工統計(国土交通省)によれば,平成17年度の新設住宅着工戸数は約115万戸で,対前年度比では約1.7%減となり,2年連続の減少となった。
3 平成18年版土地白書(平成18年6月公表)によれば,平成17年の売買による土地所有権移転登記の件数は全国で約158万件となっており,2年連続の増加となった。
4 平成17年度法人企業統計年報(財務省)によれば,平成17年度における不動産業の売上高は約34兆5,000億円で,全産業の売上高の約2.3%を占めている。
【問 49】 地盤の特徴に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 谷底平野は,周辺が山に囲まれ,小川や水路が多く,ローム,砂礫等が堆積した良質な地盤であり,宅地に適している。
2 後背湿地は,自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり,水田に利用されることが多く,宅地としての利用は少ない。
3 三角州は,河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり,地震時の液状化現象の発生に注意が必要である。
4 旧河道は,沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり,建物の不同沈下が発生しやすい。
【問 50】 建築物の構造に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 防火地域内に建築する仮設建築物の基礎に木ぐいを用いる場合,その木ぐいは,平家建ての木造の建築物に使用する場合を除き,常水面下にあるようにしなければならない。
2 建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物,防風林その他これらに類するものがある場合においては,その方向における速度圧は,一定程度まで減らすことができる。
3 積雪荷重の計算に当たり,雪下ろしを行う慣習のある地方においては,その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても,積雪荷重は,雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。
4 高さが60mを超える建築物を建築する場合,国土交通大臣の認定を受ければ,その構造方法を耐久性等関係規定に適合させる必要はない。
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平成19年度 宅建本試験問題その3
【問 35】 宅地建物取引業者が宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項について説明する場合における次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 建物の貸借の媒介において,当該建物について石綿が使用されていない旨の調査結果が記録されているときは,その旨を借主に説明しなくてもよい。
2 建物の貸借の媒介において,当該建物が宅地造成等規制法の規定により指定された造成宅地防災区域内にあるときは,その旨を借主に説明しなければならない。
3 平成19年10月に新築の工事に着手した建物の売買において,当該建物が指定確認検査機関,建築士,登録住宅性能評価機関又は地方公共団体による耐震診断を受けたものであるときは,その内容を買主に説明しなければならない。
4 宅地の売買の媒介において,当該宅地の瑕疵を担保すべき責任の履行に関し保証保険契約の締結等の措置を講じないときは,その旨を買主に説明しなくてもよい。
【問 36】 法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に関する監督処分及び罰則に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 Aが,建物の売買において,当該建物の将来の利用の制限について著しく事実と異なる内容の広告をした場合,Aは,甲県知事から指示処分を受けることがあり,その指示に従わなかったときは,業務停止処分を受けることがある。
2 Aが,乙県内で行う建物の売買に関し,取引の関係者に損害を与えるおそれが大であるときは,Aは,甲県知事から指示処分を受けることはあるが,乙県知事から指示処分を受けることはない。
3 Aが,正当な理由なく,その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他人に漏らした場合,Aは,甲県知事から業務停止処分を受けることがあるほか,罰則の適用を受けることもある。
4 Aの従業者Bが,建物の売買の契約の締結について勧誘をするに際し,当該建物の利用の制限に関する事項で買主の判断に重要な影響を及ぼすものを故意に告げなかった場合,Aに対して1億円以下の罰金刑が科せられることがある。
【問 37】 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,誤っているものはどれか。なお,Aは,甲県内に本店と一つの支店を設置して事業を営んでいるものとする。
1 Aが販売する新築分譲マンションの広告を受託した広告代理店は,その広告代金債権に関し,Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有しない。
2 Aは,免許の有効期間の満了に伴い,営業保証金の取戻しをするための公告をしたときは,遅滞なく,その旨を甲県知事に届け出なければならない。
3 Aは,マンション3棟を分譲するための現地出張所を甲県内に設置した場合,営業保証金を追加して供託しなければ,当該出張所でマンションの売買契約を締結することはできない。
4 Aの支店でAと宅地建物取引業に関する取引をした者は,その取引により生じた債権に関し,1,500万円を限度として,Aが供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。
【問 38】 宅地建物取引業者Aの業務に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 Aは,実在しない宅地について広告又は虚偽の表示を行ってはならないが,実在する宅地については,実際に販売する意思がなくても,当該宅地の広告の表示に誤りがなければ,その広告を行うことができる。
2 Aは,新築分譲マンションを建築工事の完了前に売却する場合,建築基準法第6条第1項の確認を受ける前において,当該マンションの売買の広告及び売買契約の締結のいずれもすることはできない。
3 都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地について,Bが開発行為を行い貸主として貸借をしようとする場合,Aは,Bがその許可を受ける前であっても,Bの依頼により当該宅地の貸借の広告をすることができるが,当該宅地の貸借の媒介をすることはできない。
4 Aは,都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地について開発行為を行いCに売却する場合,Cが宅地建物取引業者であれば,その許可を受ける前であっても当該宅地の売買の予約を締結することができる。
【問 39】 宅地建物取引業者Aは,BからB所有の宅地の売却について媒介の依頼を受けた。この場合における次の記述のうち,宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば,誤っているものはどれか。
1 Aは,Bとの間に媒介契約を締結したときは,当該契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を,法第34条の2第1項の規定に基づき交付すべき書面に記載しなければならない。
2 Aは,Bとの間で媒介契約を締結し,Bに対して当該宅地を売却すべき価額又はその評価額について意見を述べるときは,その根拠を明らかにしなければならない。
3 Aは,Bとの間に専属専任媒介契約を締結したときは,当該契約の締結の日から5日以内(休業日を除く。)に,所定の事項を当該宅地の所在地を含む地域を対象として登録業務を現に行っている指定流通機構に登録しなければならない。
4 Aは,Bとの間で有効期間を2か月とする専任媒介契約を締結する際,「Bが媒介契約を更新する旨を申し出ない場合は,有効期間満了により自動更新するものとする」旨の特約を定めることができる。
【問 40】 宅地建物取引業者Aが売主Bと買主Cの間の建物の売買について媒介を行う場合に交付する「35条書面」又は「37条書面」に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。なお,35条書面とは,同法第35条の規定に基づく重要事項を記載した書面を,37条書面とは,同法第37条の規定に基づく契約の内容を記載した書面をいうものとする。
1 Aは,35条書面及び37条書面のいずれの交付に際しても,取引主任者をして,当該書面への記名押印及びその内容の説明をさせなければならない。
2 Bが宅地建物取引業者でその承諾がある場合,Aは,Bに対し,35条書面及び37条書面のいずれの交付も省略することができる。
3 Cが宅地建物取引業者でその承諾がある場合,Aは,Cに対し,35条書面の交付を省略することができるが,37条書面の交付を省略することはできない。
4 Aが,宅地建物取引業者Dと共同で媒介を行う場合,35条書面にAが調査して記入した内容に誤りがあったときは,Aだけでなく,Dも業務停止処分を受けることがある。
【問 41】 宅地建物取引業者Aが,自ら売主として,宅地建物取引業者でないBと建物の売買契約を締結しようとし,又は締結した場合に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法(以下この問において「法」という。)の規定によれば,正しいものはどれか。
1 Aは,自己の所有に属しない建物を売買する場合,Aが当該建物を取得する契約を締結している場合であっても,その契約が停止条件付きであるときは,当該建物の売買契約を締結してはならない。
2 売買契約の締結に際し,当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し,又は違約金を定める場合において,これらを合算した額が売買代金の2割を超える特約をしたときは,その特約はすべて無効となる。
3 「建物に隠れた瑕疵があった場合,その瑕疵がAの責に帰すことのできるものでないときは,Aは瑕疵担保責任を負わない」とする特約は有効である。
4 Bがホテルのロビーで買受けの申込みをし,3日後にBの自宅で売買契約を締結した場合,Bは,当該建物の引渡しを受け,かつ,その代金の全部を支払っているときでも,当該売買契約の解除をすることができる。
【問 42】 宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)は,B所有の建物について,B及びCから媒介の依頼を受け,Bを貸主,Cを借主とする定期借家契約を成立させた。この場合における次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。なお,1か月分の借賃は13万円,保証金(Cの退去時にCに全額返還されるものとする。)は300万円とする。
1 建物が店舗用である場合,AがCから受け取ることができる報酬の限度額は,147,000円である。
2 Aは,媒介報酬の限度額のほかに,Bの依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を報酬に合算して,Bから受け取ることができる。
3 建物が居住用である場合,AがB及びCから受け取ることができる報酬の限度額は,B及びCの承諾を得ているときを除き,それぞれ68,250円である。
4 定期借家契約の契約期間が終了した直後に,AがBC間の定期借家契約の再契約を成立させた場合にAが受け取る報酬については,宅地建物取引業法の規定は適用されない。
【問 43】 次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 宅地建物取引業者Aは,都市計画法第29条第1項の許可を必要とする宅地の造成工事着手前において,当該許可を受けていない場合であっても,当該許可を受けることを停止条件とする特約を付ければ,当該宅地の売買契約を締結することができる。
2 宅地建物取引業者Bが自ら売主となって,宅地建物取引業者でないCと1億円のマンションの売買契約(手付金1,500万円,中間金1,500万円,残代金7,000万円)を建築工事完了前に締結し,その引渡し及び登記の移転を残代金の支払と同時に行う場合,Bは,手付金の受領前及び中間金の受領前それぞれについて,保全措置を講じなければならない。
3 宅地建物取引業者Dは,取引態様の明示がある広告を見た宅地建物取引業者Eから建物の売買の注文を受けた場合,Eから取引態様の問い合わせがなければ,Eに対して,取引態様を明示する必要はない。
4 宅地建物取引業者Fが自ら売主となって,宅地建物取引業者でないGと宅地の売買契約を締結するに際して手付金を受領する場合において,その手付金が解約手付である旨の定めがないときは,Fが契約の履行に着手していなくても,Gは手付金を放棄して契約の解除をすることができない。
【問 44】 宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち,宅地建物取引業法の規定によれば,正しいものはどれか。
1 保証協会に加入することは宅地建物取引業者の任意であるが,一の保証協会の社員となった後に,重ねて他の保証協会の社員となることはできない。
2 宅地建物取引業者で保証協会に加入しようとする者は,その加入の日から2週間以内に,弁済業務保証金分担金を保証協会に納付しなければならない。
3 宅地建物取引業者で保証協会に加入しようとする者は,その加入に際して,加入前の宅地建物取引業に関する取引により生じたその者の債務に関し,保証協会から担保の提供を求められることはない。
4 保証協会に加入した宅地建物取引業者は,直ちに,その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告しなければならない。
【問 45】 宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引主任者証(以下この問において「取引主任者証」という。),従業者証明書,従業者名簿,帳簿及び標識に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 宅地建物取引業者の従業者は,宅地建物取引業者が発行する従業者証明書をその業務に従事する間,常に携帯し,取引の関係者から請求があったときは,従業者証明書を提示しなければならないが,従業者が取引主任者である場合は,取引主任者証の提示をもってこれに代えることができる。
2 宅地建物取引業者は,その事務所ごとに従業者名簿を備え,取引の関係者から請求があったときは,当該名簿をその者の閲覧に供しなければならないが,当該名簿を事務所のパソコンのハードディスクに記録し,ディスプレイの画面に表示する方法で閲覧に供することもできる。
3 宅地建物取引業者は,その事務所ごとにその業務に関する帳簿を備え,取引のあったつど,所定の事項を記載しなければならないが,当該帳簿の記載事項を事務所のパソコンのハードディスクに記録し,必要に応じ当該事務所においてパソコンやプリンタを用いて紙面に印刷することが可能な環境を整えることで,当該帳簿への記載に代えることができる。
4 宅地建物取引業者は,売主として一団の宅地建物の分譲を当該物件から約500m離れた駅前に案内所を設置して行う場合,当該物件の所在する場所及び案内所のそれぞれに,免許証番号,主たる事務所の所在地等の所定の事項を記載した標識を掲示しなければならない。
【問 46】 平成19年4月1日に住宅金融公庫(以下この問において「公庫」という。)は廃止され,独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)が設立された。機構の業務に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 機構は,住宅の建設,購入,改良若しくは移転(以下この問において「建設等」という。)をしようとする者又は住宅の建設等に関する事業を行う者に対し,必要な資金の調達又は良質な住宅の設計若しくは建設等に関する情報の提供,相談その他の援助を業務として行う。
2 機構は,子どもを育成する家庭又は高齢者の家庭に適した良好な居住性能及び居住環境を有する賃貸住宅の建設に必要な資金の貸付けを業務として行う。
3 機構は,事業主又は事業主団体から独立行政法人雇用・能力開発機構の行う転貸貸付に係る住宅資金の貸付けを受けることができない勤労者に対し,財形住宅貸付業務を行う。
4 機構は,公庫が機構の設立前に受理した申込みに係る資金の貸付けのうち,機構の設立から半年以内に実行するものに限り,資金の貸付けを業務として行う。
【問 47】 宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち,不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば,正しいものはどれか。
1 新築分譲マンションの広告に住宅ローンについて記載する場合,返済例を表示すれば,当該住宅ローンを扱っている金融機関の名称や融資限度額等について表示する必要はない。
2 マンションの広告を行う場合,当該マンションが建築後2年経過していたとしても,居住の用に供されたことがなければ「新築分譲マンション」と表示することができる。
3 1枚の新聞折込みチラシに多数の新築分譲住宅の広告を掲載する場合には,物件ごとの表示スペースが限られてしまうため,各物件の所在地を表示すれば,交通の利便に関する表示は省略することができる。
4 残戸数が1戸の新築分譲住宅の広告を行う場合,建物の面積は延べ面積を表示し,これに車庫の面積を含むときには,車庫の面積を含む旨及びその面積を表示する必要がある。
【問 48】 宅地建物の統計等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
1 平成19年地価公示(平成19年3月公表)によれば,平成18年の1年間の地価変動率は,全国平均で住宅地がマイナス1.5%,商業地がプラス2.3%となり,住宅地は引き続き下落しているが,商業地は平成3年以来16年ぶりにわずかな上昇となった。
2 建築着工統計(国土交通省)によれば,平成17年度の新設住宅着工戸数は約115万戸で,対前年度比では約1.7%減となり,2年連続の減少となった。
3 平成18年版土地白書(平成18年6月公表)によれば,平成17年の売買による土地所有権移転登記の件数は全国で約158万件となっており,2年連続の増加となった。
4 平成17年度法人企業統計年報(財務省)によれば,平成17年度における不動産業の売上高は約34兆5,000億円で,全産業の売上高の約2.3%を占めている。
【問 49】 地盤の特徴に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 谷底平野は,周辺が山に囲まれ,小川や水路が多く,ローム,砂礫等が堆積した良質な地盤であり,宅地に適している。
2 後背湿地は,自然堤防や砂丘の背後に形成される軟弱な地盤であり,水田に利用されることが多く,宅地としての利用は少ない。
3 三角州は,河川の河口付近に見られる軟弱な地盤であり,地震時の液状化現象の発生に注意が必要である。
4 旧河道は,沖積平野の蛇行帯に分布する軟弱な地盤であり,建物の不同沈下が発生しやすい。
【問 50】 建築物の構造に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
1 防火地域内に建築する仮設建築物の基礎に木ぐいを用いる場合,その木ぐいは,平家建ての木造の建築物に使用する場合を除き,常水面下にあるようにしなければならない。
2 建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物,防風林その他これらに類するものがある場合においては,その方向における速度圧は,一定程度まで減らすことができる。
3 積雪荷重の計算に当たり,雪下ろしを行う慣習のある地方においては,その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても,積雪荷重は,雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。
4 高さが60mを超える建築物を建築する場合,国土交通大臣の認定を受ければ,その構造方法を耐久性等関係規定に適合させる必要はない。