福田ちえのときどき日記

日々の活動や雑感を掲載いたします。

日航年金よりひどい 地方議員年金 破綻まで秒読み?

2010年01月14日 | オピニオン
                  私の所属する会派「民主市民連合議員会」の執務室です
                       御覧の通り、いつも雑然としています
                   (宇都宮市役所の西に隣接する議会棟内にあります)
                      この日はひとりで会報の作成作業でした


◆日本年金機構 (前身は旧社会保険庁) が設立されて、公的年金制度は国民の信頼回復に向けて新しい一歩を踏み出しました。

全国民にとって 老後生活の頼みの綱でもある公的年金。
今度こそ、責任を明確にして くれぐれも安定した運営を行っていただかなくてはなりません。

◆また、年金といえば、連日報道を賑わす「日航の再建問題」で、すでにOBがもらっているJAL企業年金の一部カットの問題。

ここにきてどうにか3分の2を超えるOBの同意をとりつけられて、企業再建の段取りが一歩進んだ形ですが、

「自分たちが今まで積み立てた年金だから全額もらえないのはおかしい!」と、

減額を断固拒否しているOBがまだまだ大勢いるようです。


◆似た話題で、ご存知の方も多いと思いますが、私たち地方自治体の議員にも独自の年金制度があります。

「地方議員年金」と呼ばれるもので、議員になると同時に どんな議員も全員が強制的に加入させられます。

最近新聞などで取りざたされるのが、この「地方議員年金」の破綻についてで、
各地方自治体の議会内でも 今後どうしたら良いのかあれこれと思案して意見を集約しているところです。

破綻に動揺する 地方議員の年金制度。

危うくなった理由は簡単で、
年金の掛金を納める人が減ったのに、年金をもらえる人が減っていないから です。

数年前からの市町村合併などで、全国の自治体議員の定数は減少の一途。
議員の職を失い退職する議員が大勢でて、集まる掛金は減少する一方なのに、逆に支払う額が一気に増えてしまったというわけです。

◆現在、この「議員年金制度」の原資は、現職議員が納める掛金が60%、その他40%を税金でまかなうしくみとなっています。

実は、破綻までの残された時間は もう2年もないのでは… とまで言われていますが、
それでも、私の場合で毎月10万円近くの掛金を徴収されています。

破綻が目に見えているのに… 理屈ではわかっているつもりでも、正直 なにか釈然としない気持ちです。
そしてもちろん、皆さんの税金も投入され続けています。

◆自治体行政と議員年金を所管する総務省では、破綻を前提に いくつかの廃止案をすでにまとめていて、

案のひとつが、
議員が今まで払い込んだ掛金を 各人ごとにそれぞれ算出して、そのうち約6割を一時金として払い戻しして解散するというやり方。

もうひとつが、
議員在職期間が12年を超えている(年金の受け取り資格を有している)議員については、一時金を受け取るか あるいは 給付額を一定額減らしながら 年金の形で受け取るか を選択できる、というものです。

◆宇都宮市でも、議会としての意見をまとめるということで、会派ごとに検討が行なわれています。

様々な意見がありましたが、私の会派では「議員年金は廃止する」という結論が出されていますが、

他の会派では「できうる限り存続させる」といった方針を唱えていたりして、
全国的にみると、廃止反対を訴えるところもまだまだ数多くあるようで、行方は依然はっきりしません。

また、廃止案の中でも、前記の2番目の案を支持する方も大勢いらっしゃるようですが、
すでに議員年金をもらっている人は、仮に制度が破綻して廃止されても 一生涯年金をもらい続けられるというのも釈然としないものがあります。

私は、1案による「廃止賛成派」です。

それも 即刻やめたほうが良いと考えています。
これ以上無駄な税金の投入をすることも、当然 民意に反すると思います。

制度を廃止しないとすれば、
議員からの毎月の掛金を今の倍近く増やして、併せて 投入する税金も大きく増やす、
といったことが避けられません。

◆現在の「議員年金制度」は、当時の定数(大勢)の現職議員が、構成員として半永久的に居続けるといったことを大前提に何十年も前に設けられた制度です。

しかしその後に、制度の設計当時には予期できなかった「市町村大合併」という事情の変化があったわけです。
事業を成り立たせる大前提が崩れた今は、どうにか存続させようとしても 大きな無理が生じます。
無理を超えて 無茶のレベルまでいってしまったら怖いです。


◆今回のケースは地方議員という限られた職域でおこった破綻劇ですが、
年金の掛金を納める人が減ったのに、年金をもらえる人が増え続ける(減らない)ということが起これば、

国家プロジェクトともいえる「公的年金制度」といえども安泰とは言い切れません。

「少子高齢化」や「世代間の不公平感」がこれからますます問題になると思いますが、
若者世代に負担を大きく押しつけるには限界があります。

せめて公的年金は、地方議員年金のような採算割れが生じることがなく、
くれぐれも存続可能で、国民に安心を与える盤石な制度でありますよう…。



 「福田ちえ」ホームページ http://www.f-chie.jp

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