ハノハノ福ちゃんとヤッコさんの ☆ALOHAブログ☆

ハノハノ陸上部&チームランファン北海道の活動と二人の日常をお伝えしています!

優しく強いハノハノマサルの応援日記

2014-01-15 17:39:57 | ■ハノハノ福田のMAHALO日記

ハノハノ陸上部東京のマサルがショウの応援日記を書きました。ハノプロブログには既に公開していますが、監督ブログリスナーの皆さんにもご紹介したい内容です。      監督:福田

1月12日、日曜日。
昔住んでいた赤羽から、歩いて5分ほどのところにある荒川の土手<wbr></wbr>にやってきた。僕が所属する北海道の陸上部「ハノハノ陸上部」のチームメイトが参加するハーフマ<wbr></wbr>ラソンを応援をするためだ。僕が東京にいるせいで、北海道のその<wbr></wbr>彼とはまだ一度も会ったことがなかった。
午前9時30分過ぎ、僕がスタート会場に着いた時にはすでに、ラ<wbr></wbr>ンナーたちがスタートラインにひしめき合っていた。その中から目<wbr></wbr>を凝らしてチームのユニフォームを探してみたが、あまりの人の多<wbr></wbr>さに見つけることができなかった。
僕は探すのを諦めて、コースに沿った土手を歩いた。500mくら<wbr></wbr>いのところで、応援の人がほとんどいない場所があったので、僕は<wbr></wbr>そこに荷物を置き、背負ってきたリュックの中からチームの旗を取<wbr></wbr>り出した。
少し枯れかかった草がまばらに生える緑の土手に立っていると、雲<wbr></wbr>ひとつない空から降り注ぐ太陽の光に温められた風が、ほほを気持<wbr></wbr>ちよくなでていった。遠くからレースのスタートを知らせるピストルの発砲音が響いてきた。
フルマラソンに比べ距離の短いハーフだからか、スタートして間も<wbr></wbr>ない選手たちが、サバンナを肉食獣から逃れようと必死になるヌー<wbr></wbr>の大群のように、勢いよく駆け抜けていった。
先頭が通過してから少し遅れて、ブルーのユニフォームを着たチー<wbr></wbr>ムメイトが僕の掲げていた旗に気がついて、手を振りながら走り寄<wbr></wbr>ってきてくれた。慌てて写真を撮ろうとしているうちに、彼は僕の<wbr></wbr>前を通り過ぎていってしまった。彼が行ってしまうと、戻ってくる<wbr></wbr>まで予定では1時間ほどあった。僕は土手に腰をおろし、会社から<wbr></wbr>持って帰ってきたやりかけの仕事を取り出した。太陽の光を背中で<wbr></wbr>遮って、紙にボールペンでこりこりと文字を埋めていった。今どき<wbr></wbr>手書きで書く書類など、ろくでもないものと相場が決まっている。

だんだん登ってくる太陽の熱を含んだ空気は、僕の着ているコート<wbr></wbr>の下までしっかりと温め、気づくと汗がにじみででいた。僕はその<wbr></wbr>ろくでもない書類をさっさと仕上げてしまい、せっかくの穏やかな<wbr></wbr>空気に身をゆだねた。陽気に舞う鳥、雲ひとつない空。ランナーの<wbr></wbr>走り去った道には、ときどきレーシングタイプの自転車が鋭く通り<wbr></wbr>過ぎていった。
土手の不安定な斜面に座っているのに疲れて、僕はそのまま草の上<wbr></wbr>に寝そべった。空の青はどこまでも深かった。温かな陽差し、柔ら<wbr></wbr>かな空気。
僕はほんの一瞬眠りに落ち、そして夢を見た。僕は子どもで、女の<wbr></wbr>子の友だちの誕生日に呼ばれて、仲の良かった男友だちとかけっこ<wbr></wbr>で競争しながら、その子の家に向かっていた。地を蹴る僕の足はと<wbr></wbr>ても力強く、心は踊り、どこまででも行ける気がした。そんな嬉し<wbr></wbr>さにも似た、充実した気持ちに胸を満たされていると、どこからと<wbr></wbr>もなく歓声が聞こえた。そして、まぶたを開け、僕は温かな1月の<wbr></wbr>澄んだ青空の下で横になっていることに気がついた。1位のランナ<wbr></wbr>ーが戻ってきた。
20kmほど走り、彼の息は激しく顔は険しかった。ただその目は<wbr></wbr>前を見据え、進むために四肢を動かしていた。苦しそうだけど、で<wbr></wbr>も、きっと心の中はとても高揚しているに違いないと、僕は思った<wbr></wbr>。かなりの差があって、2位のランナーがやってきた。テレビで何<wbr></wbr>度か見たことのある人だった。確か公務員ランナーとかそんな感じ<wbr></wbr>だったと思う。やはり苦しそうな表情だったが、足のバネはまだし<wbr></wbr>っかりとしていて、決して諦めていない走りだった。
それから3位集団がやってきて、その後からも続々と選手たちが戻<wbr></wbr>ってきた。彼らを見ながら、もし僕が走っていたらどこらへんだっ<wbr></wbr>ただろうと考えた。夢で見た頃の自分がまっすぐに、速くなりたい<wbr></wbr>と願っていたら、上位の争いをしていただろうか。
でも、結局のところ、どこまでも速く、どこまでも遠くへいけたは<wbr></wbr>ずの頃の自分は失われた過去のものになってしまっていた。それに<wbr></wbr>僕だって、その頃はその頃なりに、必死に生きる意味について考え<wbr></wbr>、やりたいことや好きなこと、いろいろな選択肢に頭を悩ませてい<wbr></wbr>たのだ。そんなことを考えている間も200人、300人とランナ<wbr></wbr>ーが戻ってきた。もし、今の僕がこのレースに参加していたら、き<wbr></wbr>っとこのあたりだったかもしれない。

でも、面白いな。たとえ200人目であろうと300人目であろう<wbr></wbr>と、一生懸命走っている人は1位や2位で通り過ぎた人と同じ顔し<wbr></wbr>てる。なあんだ、そういうことなのか。

はるか遠くから、見覚えのあるブルーのユニフォームが走ってきて<wbr></wbr>いるのが見えた。僕は、心の底から声を張り上げた。

まだいける!まだいける!あと少し!あと少し!

20km近く走り、ゴールまであと1km。それまでの道のりに比<wbr></wbr>べればほんのわずか。順位はわからない。あの頃の自分はもういな<wbr></wbr>い。それでも、いや、だから、今だから前へ足を出すことの大切さ<wbr></wbr>がわかるのかもしれない。

僕は気がつくと走りながら選手たちに声をかけていた。


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ショウさんおつかれさまでした! (しぃ)
2014-01-15 22:18:16
ショウさんおつかれさまでした!
大会に出るために飛行機に乗る…ことが少し前まで考えられませんでした。
笑顔の写真が爽やかすぎです♪
そしてマサルさんの応援日記。
素敵な小説の世界にひきこまれたようでした。
青空、土手、おひさま、情景が目に浮かぶようです。
張り上げた、まだいける!の声が耳に入った時のショウさんを思うと勝手に感情移入しがちな私は涙が出そうになり…(^^;;

東京でマサルさんにご挨拶できることを楽しみにしております。
返信する
監督 (まさる)
2014-01-16 11:32:32
監督
お疲れさまです!
このような拙文をブログに載せていただき、ありがとうございます。恐縮ですが、とても嬉しいです!

しぃさん
はじめまして!
なんとなく日記につづったのを、大切に想う人への応援メッセージとして、小説風にしてみたので、若干現実と違ったりします^^
東京マラソンでお会い出来るのを楽しみにしています!どうぞよろしくお願いします(^o^)/
返信する
しぃちゃん まさる (福ちゃん)
2014-01-21 19:14:19
しぃちゃん まさる

東京マラソンでの第一印象はいったいどんな感じでしょうか?

僕が思うに、お互い、想像どおり かな?

2月23日、東京が賑やかになりますね。
返信する

コメントを投稿