クーベリック・トリオの演奏を毎年聴いています。
石川静のヴァイオリン、クヴィータ・ビリンスカのピアノ、
カレル・フィアラのチェロ。
チェコ在住の3人ですが、毎年日本に来て、演奏します。
前にも書きましたが、石川静さんとは中学の同級で、友達です。
そのおかげで、クヴィータともカレルともお友達になってしまいました。
と言っても、静さんの通訳付きですけれど(笑)
今年は演奏会の場所がとても小さなところで、
それは私にとって、新しい発見でした。
10月24日は、狛江市のエプタザールという160席の小さなホール。
プログラムは、
ベートーヴェン;ピアノ三重奏曲 ハ短調Op1-3
スーク;ピアノ三重奏曲 ハ短調Op2
ドヴォルジャーク;ピアノ三重奏曲 変ロ長調 Op21
エプタザールは、木をふんだんに使った、天井の高いホールです。
そしてステージの段差がなく、
演奏者と観客が同じ高さにいるという親近感があります。
天井が高いので、音が直接響くのではなく、
巡ってきた音も同時に聴けるような造りになっています。
ピアノは、茶色のベーゼンドルファーです。
私は左側の一番前に座って、静さんのヴァイオリンを弾く姿を見ながら、
トリオの音にうっとりして、いつまでも聴いていたい!!!
と終わった後も、椅子からなかなか立ち上がれませんでした。
心に染み入る、素敵な演奏でした。
10月31日は、個人宅尾上邸の音楽室、30人でいっぱいの広さ。
プログラムは、前半がピアノとヴァイオリンで、後半がトリオでした。
ベートーヴェン;ピアノとヴァイオリンのためのソナタ
第1番ニ長調 作品12−1
ドヴォルジャーク;ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス ヘ短調作品11
ドヴォルジャーク;ピアノ三重奏曲 第3番ヘ短調 作品90
ここでは、一番後ろに座って、聴きました。
と言っても、小さなお部屋なので、
演奏者とも他の観客の方たちとも、とても近い距離です。
モーツァルトの時代には、きっとこんな風に、
個人のサロンで演奏することが多かったのだろうなあと想像しながら、
久々の、静さんのベートーヴェンのソナタを堪能し、
また、このトリオの十八番である、ドヴォルジャークのドウムキーを
楽しみました。
とても贅沢な時間と空間を体験しました。
写真は、エプタザールのベーゼンドルファーです。
里英子