ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

胎内に還る

2014-09-12 22:38:45 | 美を巡る
140912.fri.

「濱田樹里展」銀座コバヤシ画廊にて。


地階のスペースを覗いた途端、
包み込まれるような感覚。
そう、胎内に滑り込んだような。
赤、朱、茶、金、青緑、紫・・・、
強烈な色を縫うように白く動くもの。
それは花弁なのか、触手なのか、舌なのか。
ひたひたひたと静かな生命力に
絡めとられるような空間です。



インドネシアに生まれ、小学校時代を現地で育った画家には、
赤土の大地に落ちる夕日の赤こそが、自分の原点なのだ、と。
自分の人生を表現したら、それは作品になる、
と確信して画家を志したそう。
画材は岩絵の具。
キラキラ輝く鉱物の特長を生かし、予想もしないほど塗り込む。
それでいてくどくないのは、画材のせいか、
画家の作品との距離感か。
初期の絵から感じるゴーギャンの熱情のようなものは、いまも健在。
それでいて、すべてを内包するような温もりは
観る者を飽きさせず、
いつの間にかその内部に佇んでいるのは
自分だと気づく瞬間を愉しんでもいるような。



小作品も一点一点、完成度が高いです。
いい作品を見た日は、足取りも軽く帰宅。
あ、本日、校了日だったからかも?(笑)


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