ペーパードリーム

夢見る頃はとうに過ぎ去り、幸せの記憶だけが掌に残る。
見果てぬ夢を追ってどこまで彷徨えるだろう。

題詠blog2011 未投稿歌061~070

2011-09-09 00:59:06 | 題詠2011
061:有無
062:墓
風凪いで夕焼け雲のほっかりと青山墓地の空に浮きおり
063:丈
スカートの丈を詰めれば膝小僧笑いて眩し十五の娘
064:おやつ
おやつとふ言葉の響き懐かしく心の中のアルバムめくる
065:羽
鳳凰は羽根をふわりと広げ立つ千年前と同じ姿勢で
羽根ペンの先から生まるる細長い文字で彼女は人生語る
鳳凰の羽根は語りき千年の人の暮らしも思いの統べも
ミツバチのかすかな羽音聞こえますか 深呼吸して一歩踏み出す
羽根持ちてバブル時代を席巻し騒ぎし世代「あの人は今?」
066:豚
豚足は美容食だと言ひて喰ふ女子集まれば賑やかな夜
067:励
「かほちゃんがゾウのワッペン買ったげる」我を幼が励ましし夏
068:コットン
薄紅のコットンにシトラスの香の化粧水吸わす夜は穏やか
069:箸
070:介
親切とお節介なる行動は紙一重なり空に筋雲

題詠blog2011 未投稿歌051~060

2011-09-09 00:57:39 | 題詠2011
051:漕
052:芯
トイレットペーパーの芯も使いよう創意工夫の子の糸電話
053:なう
「ギャル」「なうい」死語と呼ばれし言葉にも時代の風がかつて吹きたり
「ランチなう」「吉祥寺なう」呟きて何を確かめているのか君ら
054:
丼をはみ出す海老のかき揚げの潮の香りを春に味わう
055:虚
虚無僧の眼見えねどその手には篤き情けの温もり宿す
薫る風渡れど虚ろなる視線五月病ひの若者の居り
056:摘
ひたすらに背を丸めて新茶摘む翁の指の確かな動き
我が内に生まれし反乱分子たち摘出されて甦る朝
057:ライバル
058:帆
ひところは帆布バッグの流行りいて猫も杓子もOLも持った
059:騒
060:直
太陽を従え影を真っ直ぐに伸ばして歩く砂漠の道を