イマカガミ

こころにうつりゆくよしなしごとを・・・

勝間和代「勝間式『利益の方程式』」

2009-05-08 13:26:03 | 
を読む。amazon:勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─

これまで紹介したことは無かったけれど、私も「勝間本」、読んでましたよ。一応。
氏のブログもRSSにしばらく登録していたこともあるし。

この本は私がこれまで読んだ「勝間本」の中では一番有用かと思う。
顧客獲得、売価の上げ方・維持の仕方、原価の引き下げについて
いろいろと打ち手が述べられており、備忘録として役立つ。

ただ一方で、この"方程式"が役立つ場面というのはいささか限定的に感じられる。
この考え方が使えるのは、"現場で"(課長レベル?)、"固定費が重要でない"場面ではなかろうか。

方程式を見た瞬間に読者が思う疑問は、固定費がどこに含まれるかということだろう。
その点については原価に配賦している、と前半部分で述べられているものの、
やはり固定費は隠れてしまって見えなくなっている。
結局は、
利益=顧客数 X (売価 - 顧客獲得コスト - 原価)
=顧客数 X (売価 - 販促コスト/顧客数 - 商品原価 - 固定費(販促費以外) / 顧客数)
ということであり、最終的な顧客数はふたを開けて、
かつ時間がたたないとわからないため、この方程式では管理しきれないのだ。
仮にそれを認めて読み進めても、出てくる事例は原価を変動費とみなせる、
もしくは原価の中に固定費を含めないようなものばかり。
一方で投資を含めた範囲までカバーできてます、というような記述がたまにあり、
その点が混乱する。

つまりは投資などの固定費は埋没コストとして考慮しないのだろう。
それゆえ、商品開発などの投資の意思決定を伴う場面への応用は難しかろう。


それにしても、M社出身の人たちは目立ちたがりやね。
サンプル数2だけで語っているので誤解だろうけど。