天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

偽善

2014年02月09日 | 橋下徹
2月7日橋下徹@t_ishinより抜粋

本日の毎日新聞27面、「市長選挙の6億円を使うぐらいなら貧困家庭の子どもたちに温かいミルクティー一杯を出してあげたい」 こういう論評が最も無責任。僕の今回の市長選挙の6億円が無駄だと、まあ一斉批判。こういう論評をする人って、批判をするだけで批判対象のことを全く調べていない。

まず6億円で貧困家庭の子どもたちに温かいミルクティー一杯を出す。これが日本の政治を最もダメにした。6億円で温かいミルクティーをいっぱい出したら、それで終わり。次に続かない。これが最悪の政策だ。僕は大阪の子どもたちに昼食は絶対に食べさせるということで公立中学校の給食事業を実行した。

知事の時に350億円の予算枠を作った。市長になってすぐに公立中学校の給食を実行した。今年の4月から、中学一年生は全員給食。年40億円くらいかかる。経済的に苦しい家庭には無料や半額の制度を作った。大阪府内はそれまで公立中学校は弁当。経済的に苦しい家庭の子どもは弁当など持ってこない。

僕が知事のとき、大阪府内の公立中学校での給食実施率は10%程度。最悪だった。そこから給食事業を実施するために大変なエネルギーを割いた。府内の各市町村を説得し、市町村長は金がかかるからと難色。その時には住民に直接訴えて、市町村長に圧力をかけるように訴えた。

その結果、今では大阪府において公立中学校の給食をやらないと決めているのは、43市町村の内、堺市だけとなった。給食事業をやるのは大変だ。物凄いお金がかかる。それでも何とか実現した。そう言えば前大阪市長の平松さんは市長マニフェストで給食をやると掲げて結局4年かけてもできなかった。

大阪の子どもたちは、公立中学校では給食を食べられるようになった。その他、大阪市の教育関連予算は、僕が市長就任時にはわずか30億円ほどだったものを、280億円まで増やした。乳幼児医療費の助成、難病医療費の助成、塾代の助成・・・なぜこういうことができたか。徹底して改革をやったからだ。

他都市と比べて多すぎる補助金はどんどん削減した。当然凄まじい反発をくらった。それでも何とか改革をやり切り、子ども予算を8倍まで増やした。まだ改革が必要だ。この究極の改革が大阪都だ。これが成功すれば、年に1000億円の財源が出てくる。そしてこれまでの莫大な2重行政のロスを防げる。

年に1000億円の財源を生み出すために、今回、市長選選挙で6億円使わせてもらう。2重行政が発生すれば何千億円、いや兆単位のロスだ。それに今の大阪市役所体制ではガバナンスが効いていない。つい最近も過去の事業の失敗で280億円の和解金の支払いを決裁した。

年に1000億円の財源を生み出す、何千億円のロスを抑える、これが大阪都構想であり、今回大阪市議会ではストップをかけられた。その理由は市議会がなくなるからだろう。市長選挙の6億円を使っても価値がある改革だ。この毎日新聞のコラムのように、6億円を温かいミルクティーで配ってどうする。

温かいミルクティーを一回配ればそれで終わり。なんたる無責任か。こう言うのを偽善と言う。将来に全く責任を持たず、その場限りの優しさを前面に出す。政治は違う。将来への責任だ。今6億円かかっても、その何百倍のリターンを市民に返す。新聞にコラムを書くならもっと勉強して頭を使って記事を書け