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クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

激突!キング・オブ・カンフー

2006年03月14日 22時12分41秒 | 香港的電影
『激突!キング・オブ・カンフー』
(Legend of a Fighter 霍元甲 袁和平監督 袁家班武術指導 1980 香港)


香港映画2連発!(興味ない方ごめんなさいね)
3月18日より公開される『SPIRIT』で、ジェット・リーが演じている英雄・霍元甲。何度となく映画・ドラマ化された実在の英雄で、精武門館長。『ドラゴン怒りの鉄拳』で、ブルース・リー演じる陳真が真っ白な詰め襟姿でかけつけるのは、この霍元甲のお葬式ですね(ちなみに陳真は架空の人物)。

『激突!キング・オブ・カンフー』は、霍元甲の半生を描いた功夫映画の傑作です。クライマックスでは・・・泣きました!

監督は、『SPIRIT』でも武術指導を担当しているユエン・ウーピン(袁和平)です。

少年霍元甲(袁日初)は、病弱なため父親から武術を習うことを固く禁じられていた。しかし強くなりたいという情熱を抱く彼は、こっそり兄弟たちの稽古を盗み見ていた。ある日家庭教師としてやってきた中国人教師(実は日本人 倉田保昭)が、実は達人だと知った霍元甲は、父親に内緒で功夫の手ほどきを受ける。師弟の絆を強める二人。しかしひょんなことから争いにまきこまれ、教師は去っていく。別れに翡翠の首飾りを贈る霍元甲。

必死に努力して達人となった霍元甲(レオン・カーヤン)は、長じて父親の跡を継ぎ、その武徳から人々に尊敬される存在になる。時は20世紀初め、帝国列強が中国に進出する時代。彼はロシアや日本の格闘家から異種格闘技戦を挑まれて…

…と、ここからが『SPIRIT』の話です(たぶん)。

日本人の師匠と霍元甲との、複雑な関係や皮肉な運命が、『激突!キング・オブ・カンフー』の大きなテーマとなっています。

民族や流派の壁を越え、ふたりの武術家=人間が、真に結びつくことができるのか。闘い、そして許し合うとはどういうことなのか。この深いテーマが、功夫を通してていねいに描かれます。その意味では、『ドラゴン怒りの鉄拳』よりもさらにふみこんだ、複雑な人間ドラマになっていると言えます(とはいえ全編に李小龍へのリスペクトは感じられます)。

袁和平は、『酔拳』『蛇拳』の監督作品で、ジャッキー・チェンをスターにしたことで有名ですね。主人公の修行・成長が袁和平の重要なモチーフですが、『激突!キング・オブ・カンフー』でもそれがしっかり描かれます。『酔拳』のコミカル路線とは違い、シリアスに格調高く描いているのが、本作の特徴です。

成長してからの霍元甲を演じたのは、レオン・カーヤン(梁家仁)。恵まれた体格と演技力、そして彼の功夫アクションは、功夫映画ファンにはきわめて高い人気があります。わたしも大好き。何と彼は映画界に入ってから功夫をマスターしたというのですから、びっくりです。

それにしても若き日の倉田アニキのかっこよさといったら!彼の武術の腕がホンモノであることが、よっくわかります。コミカルな演技も余裕でこなし、人間的な深さを感じさせるすばらしい存在感!

本当にいい作品だし、重要な役で倉田さんも出ているというのに、日本では廃盤になっているのがまっことに残念です。レンタル屋さんで見かけたら、即借りしてくれっ!

時代の流れは、いやおうなく民族同士の対立を生む。われわれは、それをどう乗り越えられるのか・・・それが、この映画のメッセージです。さあ『SPIRIT』はどんなもんかな?ジェット・リーが中村獅童に負けるはずはないだろうけど・・・"中国の至宝"リー・リンチェイのアクション、たっぷり堪能できるとうれしいですね♪





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