ことばを鍛え、思考を磨く 

長野市の小さな「私塾」発信。要約力、思考力、説明力など「学ぶ力」を伸ばすことを目指しています。

学校で朝ご飯

2006年06月15日 | 日々雑感
朝食を食べない子どもが増える中で、やむにやまれず学校で「朝ご飯給食」を出す動きが出始めているそうです。
先日の朝日新聞で読みました。

記事には岡山県と高知県、東京都八王子市などの例が載っていました。
中でも岡山県美咲町では、5月から全小中学校で、1時間目終了時にヨーグルトやチーズなどの乳製品を出していると書かれていました。
1200万円の予算を組んだそうです。

過疎化で小学校が統合され、スクールバスに乗るために午前6時台に家を出なければならない児童もいるという地域事情もあるようですが、町の調査では小中学生の2割が朝食を食べて来ず、お腹がすいて勉強に集中できないという子も多かったとのこと...。

目の前の子どもたちを見て、直接的な対策を取らざるを得なかったということでしょう。
ただ、校長も言っている通り、「町がこんなことまでするのは、本来の姿ではない。家で朝食を食べなくてもいい、となったら本末転倒。」ですね。

「愛国心」を採り上げたときにも書きましたが、人間を育てるという大きな意味での「教育」の基本は家庭、家族にあります。
学校や塾はその補完作業しかできません。

その家庭や家族がおかしくなってきているのは、昨今の日本のニュースを見るまでもなく、皆さん先刻ご承知の通りですね。
で、年齢や経験を考えたときに、これはやはり子より親の問題が大きいという結論に自然に導かれます。
子の側に存在する問題だって、結局は親に起因することが多いはずですから...。

私も小さな塾の長として、親の側に問題があるのでは?と思う例にも多く接してきました。
教科学習の理解度は別として、子どもの学習態度ややる気、集中力、粘り強さなどは、今までの家庭での教育、躾に負うところが大きいはずです。
学校や塾に預ければ何とかなる、あとはお任せというのは責任放棄と言ってもいいでしょう。
家庭でも改善すべき所は改善し、共に子どもを育てていくという態勢を作ることが重要なはずです。

というわけで、何とかそういう親の意識を変えようと努力しましたが、結局徒労に終わることも多かった気がします。
考えてみれば、自分なりの価値観を確立した一人前の大人を変えようとすること自体、無理があるようにも思います。
自分の意見で人を変えようなんて、傲慢な考えだとも言えます。

でも自分で気づけば、自らの意志があれば、大人になっても変わることができるはず...。
そのためには、大人より先に子どもを変えた方がいいのかも知れません。
子どもが変われば、その変容を目の当たりにした大人も成長できるのではないでしょうか。

冒頭の記事中でも、最後に女子栄養大の足立名誉教授がこんな発言をしています。

「朝食を学校で補完するより、家庭の努力を促してもらいたい」
「でも、作らない親に言ってもなかなか変わらないのが現実。
だったら、子ども自身で朝食を作る力を育てるよう、発想の転換も必要な時代ではないか。
小学校低学年でもご飯の準備はできる。
親が変わるのを待つより、子どもを変える方が早いかもそれない。」


それでもやはり、親を変える努力も並行して続けるべきだと思います。
あたりまえのことを粘り強く訴えていくべきだと思います。
なんと言っても子どもに一番影響力を持っているのは、間違いなく母親であり父親であるはずですから...。


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