ことばを鍛え、思考を磨く 

長野市の小さな「私塾」発信。要約力、思考力、説明力など「学ぶ力」を伸ばすことを目指しています。

答が出なくてもいい

2006年01月05日 | 「教室だより」から
以下の文章は塾の「教室だより」1月号に載せたものです。
保護者、生徒向けなのでいつもの記事とは若干色合いが異なります。
その点ご了承願います。

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先月号でノートの使い方について話をしましたが、ちょっとその続きから....。
当塾では問題集の答は必ずノートに記入させていますが、答合わせの際、間違ったところは赤ペンで正解を書き込んで終わり....という子がとても多いのです。
問題をたくさんやって、ノートもいっぱい使って、それで勉強したつもりになっているのでしょう。

とんでもない!こんな勉強を何時間やっても力はつきません。
間違った所、わからなかった所は解説を読んですぐにもう一度やってみる。
「なるほど」と読んでいるだけではダメですよ。
必ず手を動かして実際に解いてみる。
選択問題なら記号を写すだけではなく全文を書く。
そこまでやって、それでも納得がいかないところは質問する。
それでやっと新たな学力が自分のものになるのです。

そもそも、できる問題だけをいくらこなしても、それは確認作業だけで学力アップには繋がらないのではないでしょうか。
基礎を身につけるまではある程度の問題をこなすことも有効ですが、そこから先は量ではありません。
機械的、反射的に答が出てくる問題をたくさんやるより、少ない問題数でいいからじっくり考えることが大切です。

たとえば「建武の新政」と聞いて「後醍醐天皇」「足利尊氏」などと答えるだけではなく、新政はなぜ失敗したのか、その後の朝廷の動きは?などを問う問題にあたってみる。
適当な問題が見つからなければ自分から調べてみる。
もちろんそのためには、なぜ?だから?本当に?など常に疑問を持つ学習態度が備わっていることが前提ですが....。

生徒にはできるだけ早く基礎力を身につけ、思考力を要する問題に進んでほしいと願っています。
極端な話、数学の超難問を1日1問解くだけでもいいのです。
いや、1問も解けなくても構いません。
ただし、考えて考えて、ああでもない、こうしたらどうかと試行錯誤を繰り返し挑戦し続けることが条件です。


図を描いたり補助線を引いたり、いろいろな角度から考えてみる。
たとえ正解にたどり着かなくても、この過程で頭はずいぶん鍛えられるのではないでしょうか。

もう一度言います。
問題集でできた所は放っておいてもいいのです(偶然当たったのは別!)。
できなかった問題こそ力を伸ばす絶好の材料なのです。
そこを徹底的に理解できるようにしましょう。
そして量をこなすことにとらわれず、考えることを楽しみながら良質の問題をじっくり解きましょう。そうすればあなたも確実に、トップクラスの仲間入りができますよ!


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