ゴールデンウィークが終わり5月のこの頃になるとあなたのことを想い出す。
「不倫」をうたった掲示板に書き込んだ。
地域を限定できるタイプの。
自分で書き込んで返事がきたことは一度もなかった。当時、そんなものなのかと思っていた。
それなのになぜ書き込んでいるかと思うが、誰かがきっと見てくれているから、そんな想いもあったような気がする。
かなり前でモバイルPCを持っている人が少なく、仕事で使う高性能のものと電話回線でのメールチェック。そんなフラチな行動。
夕方5時過ぎだった。初めてのメールが届く。
その日からメールのやりとりがはじまった。
あなたは旦那さんが転勤族で今春この街に来たのだという。
PCもごく最近買って、なにができるのか興味津々だったようだ。
なぜそんな掲示板への書き込みなのかは後にわかった。
いつも思うのだが、彼女たちが何を求めてこの世界に入ってくるのか。
この世界というのは無限の広がり、そこへの自己逃避?少しの会話、言葉からの想像。なんだろう。
ひととのつながり。現実につながっている日常、そこへの蜘蛛の糸。
救い。それほど大袈裟なものでなく。安易。安堵。
求める。