三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

聖歌「見よや十字の旗高し」

2013年02月15日 | 聖公会の礼拝
「四丁目」越しに見る立教大学モリス館
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)

昨年の降臨節第2主日以来、私は立教大学チャペルに足を運ぶようになった。僅か1年の学生生活だったが、キャンパスを散策する度に、あの頃の思い出が次々と甦ってくる。タッカー・ホール(講堂)での入学式も覚えている。「講堂」とは言うが、新入生全員を収容することができず、式典は学部別に分散して行われた。この日、角帽とガウンを召した総長の式辞は忘れたが、閉式の際に歌った古今聖歌300番「見よや十字の旗高し」の調べは強く印象に残った。

作曲者は英国のサリヴァン(Arthur Sullivan:1842-1900年)。脚本家のギルバートと組んだ喜歌劇「軍艦ピナフォア」「ミカド」などが知られている。「見よや十字の旗高し」は1871年の作で、その勇壮な調べによって広く愛唱されるようになった。米国の「マーチ王」と称されるスーザ(注1)の行進曲「力と栄光」や、スーザほど有名ではないが、カーター(注2)の行進曲「ボストン・コマンダリー」に、この聖歌の旋律が採り入れられているから、当時の人気のほどがうかがえよう。

ところが、この聖歌は現行の『日本聖公会聖歌集』と日本基督教団の『讃美歌21』(1997年改訂)から削除されている。「寄らば斬るぞの十字軍」を思わせる好戦的な歌詞が忌避されたのだろうか、例えば2節では「イェスの御旗を掲げなば、あた(敵)はおののき、逃げ隠れ」と歌っている。2006年、日本聖公会が『古今聖歌集』(1959年)を改訂した時、この聖歌は原詩を見直して継承する「救済策」も取られなかった。しかし、私にとっては不滅の「青春聖歌」なのである。


立教大学タッカーホール(講堂)
“ 見よや十字の旗高し 君なるイェスは先立てり ”

(注1):John Philip Sousa(1854-1932年)。代表作「星条旗よ永遠なれ」「雷神」「美中の美」など。
(注2):Thomas M. Carter(1841-1934年)。唯一の代表作「ボストン・コマンダリー」は、米国の名門吹奏楽団ゴールドマン・バンドのCD「The Golden Age of the American March」(New World:80266-2)で聴くことができる。むかし、吹奏楽部員だった私の愛聴盤。

<追記>
聖歌「見よや十字の旗高し(Onward, Christian Soldiers)」の作詞者は、英国聖公会司祭のサバイン・ベアリング=グールド(Sabine Baring-Gould:1834-1924年)。日本語の歌唱は、CD「なつかしの讃美歌 BEST 40」(Pony Canyon:PCCL-00587)で聴くことができる(歌詞は1954年版『讃美歌』379番による)。

◆主な参考文献など:
・「聖歌のしらべ 古今聖歌集作曲者略解」 佐藤裕著(聖公会出版・1987年)
・「聖公会の聖歌 いのちを奏でよ」 宮光著(聖公会出版・2006年)
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