飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

プーチン露大統領の最後(?)の任期がスタート!

2018年05月05日 00時23分29秒 | Weblog

3月のロシア大統領選で圧勝したプーチン氏の4期目の任期が7日からスタートした。任期は6年で、任期満了時には71歳の大台を迎える。憲法では任期は連続2期までとされているが、本当に最後の任期となるのだろうか?

大統領就任式は7日、クレムリンで約1,500人の招待客を迎えて行われた。宣誓後の就任演説でプーチン大統領は「ロシアは国際社会で強く活発で影響力のある国であり、国家の安全は保障される」と強調する一方、「今は国内の重要課題に対応するため、経済と技術の躍進に全ての能力を注力しなければならない」と、内政重視の方針を示した。その上で、去就が注目されたメドベージェフ首相の続投を提案した。下院は8日にもこの提案を承認する見通しだ。

プーチン氏は初めて大統領に就任した2000年以来、大学の後輩、メドベージェフ氏を首相に任命。プーチン氏の大統領任期である2期8年が切れると、今度は自分が首相に、メドベージェフ氏が大統領に就任、二頭立ての政治体制を続けてきた。この政治体制は縦列の二人乗り自転車を指す「タンデム」と呼ばれている。今回はメドベージェフ氏の蓄財ぶりが世論の反感を買っているため、首相を交替させるのではとの見方もあったが、タンデム体制を維持した。首相交代に伴う政治権力の不安定化を嫌ったためだろう。

プーチン氏は首相時代を含め、大国の指導者をすでに18年間務めている。さらに今回の任期6年加えると、四半世紀近くの長期政権となる。いかに国民に人気があると言っても、飽きられ、不満を持つ人が増えてくるのは避けられない。そこは本人自身も十分認識していて、若手やリベラル系を多数起用するとみられている。特に、閣僚や州知事など、政権の中枢には実務能力のあるリベラル系を抜擢するとの見方が有力だ。4月にモスクワ支局長に赴任した大前仁・毎日新聞特派員のルポ企画「プーチンのロシア〜4期目始動」(上)によると、昨秋イワノボ州知事代行に就いたバスクレセンスキー氏がその典型だという。

プーチン氏は、任期満了の2024年以降について「今のところ憲法を改正する、いかなる考えもない」と発言している。モスクワ大学法学部出身だけに、表立った法律破りはしないだろうが、大統領と権限を二分するような、憲法裁判所長官のようなポストに就くことは考えているかもしれない。今後、プーチン氏の権力への執着ぶりをじっくりみていきたい。
(この項終わり)



コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 19回目のハルピン学院記念碑... | トップ | 日露首脳の信頼関係で何度会... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事