ガルージン駐日ロシア大使は6月5日、日本対外文化協会の研究会で、ロシアの対外政策と日露関係について約40分間講演した。ガルージン氏はトランプ米大統領が「G7は時代遅れで、世界で起きていることに適応していない」と述べ、ロシアや豪州を含めた拡大G7を提案したことに対し、「拡大G7は正しい方向と思うが、(中国を含めた)G 20の方が今は効果的だ」と指摘した。
講演会はオンラインで行われ、ガルージン大使は都内のロシア大使館で、ロシア研究者やジャーナリストらと意見交換した。まず、ガルージン氏が新型コロナウイルスの拡大が起こした国際関係の変化についてロシア側の考えを明らかにした。コロナ禍により人的交流が大きな影響を受けており、「全ての国々がコロナのテストに合格したわけではない」と指摘した。その上で、「一部の国はパンデミックな状況を競争相手の抑圧に利用しようとしている」と批判。その例として、ロシアが医療支援をめぐり地政学的な影響力を強める為に行ったとの見方に対し、「事実無根の主張だ」と強調した。
ガルージン氏はこうした状況に対し、国連の活動を微調整して多角的な世界の現実に適応させるとともに、G 20などのポテンシャルを効果的に使うべきだと指摘した。また、コロナ禍は世界経済に大きな打撃を与えたとして、団結を促すため総合プロジェクトのポテンシャルを有効活用しないといけないと述べた。
続いて日露関係についてガルージン氏は、5月7日の安倍首相とプーチン大統領との電話協議で日露対話を維持するよう努めることで合意したと述べるとともに、日露間の地域交流や文化交流を通じて両国関係の発展をさらに進めたいと強調。「日露間に良好な関係が作られることにより、平和条約のような両国間の複雑な問題解決に貢献すると思っている」と力を込めた。
この後、質疑が行われた。「コロナ対策で日露首脳の状況が似ている。2人は早く会って話し合うべきだ」との提案に対し、ガルージン氏は「コロナ禍がなかったら2人は対話ができていたと思う。今後、再び日露首脳の対話をどう進めるか、協議することになると思う」と述べた。コロナ禍の先行きが見通せない状況が続いているが、ガルージン氏の発言から、状況が好転すれば日露首脳の協議が進展するとの期待感が感じられた。(この項終わり)
講演会はオンラインで行われ、ガルージン大使は都内のロシア大使館で、ロシア研究者やジャーナリストらと意見交換した。まず、ガルージン氏が新型コロナウイルスの拡大が起こした国際関係の変化についてロシア側の考えを明らかにした。コロナ禍により人的交流が大きな影響を受けており、「全ての国々がコロナのテストに合格したわけではない」と指摘した。その上で、「一部の国はパンデミックな状況を競争相手の抑圧に利用しようとしている」と批判。その例として、ロシアが医療支援をめぐり地政学的な影響力を強める為に行ったとの見方に対し、「事実無根の主張だ」と強調した。
ガルージン氏はこうした状況に対し、国連の活動を微調整して多角的な世界の現実に適応させるとともに、G 20などのポテンシャルを効果的に使うべきだと指摘した。また、コロナ禍は世界経済に大きな打撃を与えたとして、団結を促すため総合プロジェクトのポテンシャルを有効活用しないといけないと述べた。
続いて日露関係についてガルージン氏は、5月7日の安倍首相とプーチン大統領との電話協議で日露対話を維持するよう努めることで合意したと述べるとともに、日露間の地域交流や文化交流を通じて両国関係の発展をさらに進めたいと強調。「日露間に良好な関係が作られることにより、平和条約のような両国間の複雑な問題解決に貢献すると思っている」と力を込めた。
この後、質疑が行われた。「コロナ対策で日露首脳の状況が似ている。2人は早く会って話し合うべきだ」との提案に対し、ガルージン氏は「コロナ禍がなかったら2人は対話ができていたと思う。今後、再び日露首脳の対話をどう進めるか、協議することになると思う」と述べた。コロナ禍の先行きが見通せない状況が続いているが、ガルージン氏の発言から、状況が好転すれば日露首脳の協議が進展するとの期待感が感じられた。(この項終わり)