飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

プーチン政権の存続を左右する下院の総選挙スタート!

2021年09月19日 11時18分07秒 | Weblog
ロシアでは5年に一度の下院総選挙が9月17日から3日間の日程でスタートした。プーチン大統領は初当選した2000年以来、21年間に渡って事実上、政権を維持している。だが、与党の「統一ロシア」は過去最低の26%まで支持率が落ち込み、プーチン大統領はかつてないほどの危機庵を募らせている。選挙結果によっては、プーチン政権の存続が問われることにもなりかねない。

与党「統一ロシア」の支持率がこれほど下がった要因には、いくつかの見方があげられている。その主な要因を列記すると、①年金支給年齢の引き上げなど、不人気な政策②実質所得の減少や食料品の高騰など、国民生活の悪化③プーチン政権の長期化に伴う飽き、または厭世気分の高まり、などだ。

このため、プーチン政権は態勢立て直しのため、以下の政策を明らかにした。主な政策は①全ての年金受給者に約1万五千円の一時金を支給する②投票日をこれまでの1日から平日を含む3日間に拡大③全国区比例代表名簿の上位にラブロフ外相らの人気者をあげる、などだ。

こうした必死のテコ入れで、与党「統一ロシア」の支持率が上がっていると伝えられる。世論調査などによると、与党の獲得議席数が過半数を占めるとの予測も出ている。だが、政権反対勢力への厳しい攻撃には、国民の間からも批判が強まっている。特に、有力な野党候補である反体制派指導者、ナワリヌイ氏への執拗な弾圧は良識派のひんしゅくを買っている。

選挙の成否のバロメーターは、投票率だ。中央選管プレスセンターは投票2日目の18日午後8時現在(モスクワ時間)の投票率を31・5%と発表した。投票最終日の19日に、投票率がどこまで伸びるかが問題だ。投票率が50%を割ったり、大掛かりな不正投票が露見したりすれば、再び大きな混乱が生じる恐れがある。今後の動きを注視したい。(この項終わり)
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