まだ重賞タイトルは持っていないが、前走の若駒S(京都・芝2000m)は “重賞勝ち”に匹敵する高い評価を十分に与えられる勝利だった。2着に退けたルーラーシップは、次走で500万下のアルメリア賞(阪神・芝1800m)を快勝し、次週の毎日杯で主役を務めそうな評判馬だ。これまでで唯一、精彩を欠く内容だった前々走のラジオNIKKEI杯2歳S(4着)は、ゲート内でテンションが上がってしまったことが響き、終始リズムの悪い走りだった。直線で圧巻の切れ味を披露した前走こそが、この馬本来の姿。連勝の期待が高まる。
ヒルノダムールについて、昆調教師
今日は前に馬を置いて、その馬が逃げ切り体制を作ったところから交わすという追い切りでした。見ていても一瞬で交わす脚を見せてくれましたので、いい調教ができたと思います。
元々この馬は最後の脚は切れるという印象は持っていましたが、レースでは見せていなかったところで迎えた若駒ステークスは、その末脚を存分に発揮してくれたレースでした。
レース後の疲労などはありませんでしたが、遅生まれでどこかで間隔を空けてと思っていたところだったので、7週間の間隔をとりました。馬体も成長していい形でここへ来ることが出来たと思います。
ここはしっかり1着をとってクラシックに向かう態勢をとらなくてはいけないので、成長途上ではありますが、別路線にも強い馬がいるということを知らしめて欲しいですね。
ペルーサ
ハイペースで勝ち星を量産し、昨年に通算1000勝の大台を突破した藤沢和雄調教師。JRAのGI も21勝しているが、クラシック三冠のタイトルはまだひとつも手にしていない。圧倒的な強さでデビュー2連勝中のこの馬は、名伯楽に初の勲章をもたらす大物かもしれない。2勝目を挙げた前走時の馬体重は510キロ。雄大な馬体から繰り出されるフットワークは実にパワフルで、しかも柔軟性に富んでいる。中間の調教の気配も抜群。関東期待の新星として、大きく飛躍する可能性を秘めている。
コスモエンペラー
初勝利を飾った4走前の未勝利(中山・芝2000m)、2勝目を挙げた前々走の500万下(東京・芝2400m)は、いずれも逃げ切り勝ち。逆に、逃げられなかった5戦はすべて4着以下に敗れている。この戦績を見る限り、先手を奪ってみずからペースをつくる形が最も合っているのは明白だ。オープンクラスに昇級して初めて挑んだ前走のすみれS(阪神・芝2200m)では、2番手から最後まで食い下がって0秒3差の4着。ここにきて力をつけてきており、今回すんなり逃げられるようなら、粘り込むチャンスがあるかもしれない。
ニシノマナザシ
デビュー6戦目となった前走の未勝利(東京・芝1800m)でようやく初勝利を挙げたが、以前から素質の片鱗は示していた。2戦目の未勝利(小倉・芝1800m)では、勝ったエイシンアポロン(朝日杯フューチュリティS・弥生賞でともに2着)から0秒4差の2着。4戦目の未勝利(京都・芝1600m)でも、勝ち馬のベストクルーズ(阪神ジュベナイルフィリーズ3着)に0秒2差の3着と接戦を演じている。これまで、強い相手と差のない競馬をしてきた馬だけに、昇級初戦でも狙い目は十分だ。