アスカ・スタジオ

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赤線地帯

2005-09-08 08:06:20 |  映画(ア)
いま話題の売春禁止法問題に、巨匠溝口健二が真っ向から取り組んだ作品。ネオン瞬く夕暮れともなれば、客を引っ張る女達の悲しい風景をふんだんに見せつつ、その中の一軒、夢の里にカメラを向け、中に働く女達の生態を描き出す。

この店一番の売れっ子やすみ(若尾文子)は、金を工面し結婚を申し込む男を、さんざん絞り上げた上はねつけ、店を辞め恋人と商売を始める。彼女がここに入った動機は、父の疑獄事件の釈放金が必要だったから。金こそ世渡りの鉄則という信念を持つ女だ。

ハナエ(木暮実千代)は、病気の夫と小さな子供を抱えている。ゆめ子(三益愛子)は、一人っ子のために身を崩したが、その子供にも見捨てられ発狂する可哀想な女。満州娘を唄いながら病院に送られる姿は涙を誘う。

途中から入ってきたミッキー(京マチ子)は稼ぎも多いが借金も多く、全く楽天的な女。だが父が引き戻しに来たときには、母に対する仕打ちを責め帰らす反面も持ち合わせている。

やすみが去った後、九州から手伝いに来たしず子(川上康子)が代わりに店頭に立つ。「ちょっと、ちょっと」と恥ずかしそうに呼びかけ顔を隠す場面でこの映画は終わる。

様々な人生模様を感じる。売春禁止法がお流れになり、花街は相変わらず今日も華やかな夜を迎えている。彼女たちの哀れを引き出したことは成功。しかし売春というものに対して賛成はしていないだろうが、明確な反対もない。

この点が弱い。黛敏郎の音楽は変な音をふんだんに使っているが、どうもマッチしないようにも思うが。【1956年3月18日観賞記】【2004年6月10日追記】此の映画が上映されていた時代は未だ赤線地帯が存在していました。

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2 コメント

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マリリンがらみ (ボー・BJ・ジングルズ)
2007-10-14 12:58:53
去年の秋は、テレビで溝口健二監督の特集があり、珍しく邦画を数本観ました。
京マチ子さんが、マリリンの映画を観に行こ、と言う場面があり、びっくり&喜びました。
マリリン・ファンの私には、それがいちばん印象に残ってしまう映画です。
おとといでしたか、ダンナさんの黒川氏が亡くなったニュースがありましたが、若尾文子さんも綺麗でした。
ボーさん、こんにちは (アスカパパ)
2007-10-14 16:24:35
BSの特集でしたね。私も懐かしくて全数の作品を再度(数回目の鑑賞作もありましたが)鑑賞しました。
ボーさんが仰る、京マチ子のそのセリフは残念ながら記憶にありません。私の集中力不足です。

若尾文子、京マチ子、山本富士子が、大映を支えていた頃でした。昭和は遠くなりにけり。

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「赤線地帯」 (或る日の出来事)
(c) 角川ヘラルド映画 溝口健二監督の遺作となった作品。原作・芝木好子、脚本・成沢昌茂、撮影・宮川一夫、音楽・黛敏郎。助監督に増村保造が参加している。 映画のラスト。初めて吉原の店に出る生娘の少女が、ようやくのこ