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チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調作品64

2005-07-07 09:23:37 |  ♪交響曲
交響曲第4番発表後11年の歳月が経過した1888年に作曲されたこの第5番。チャイコフスキーはこの間に欧州演奏の旅に多くを過ごし、ブラームス、グリーク、ドヴォルザーク、グノー、マスネ等とも交流したようだ。第5番はその影響もあるとか、無いとか、そのようなことは専門家に任せておいて、と。

第1楽章、アンダンテ、4分の4拍子。クラリネットで吹奏される「運命のモティーフ」とか「運命の動機」とか(以下、「動機」と呼ぶ)言われている主題は相変わらず重く暗い。ロシアの灰色の気候が浮かんで来る。
そのうちに軽くなって味わいある旋律が流れてくる。なんだかホッとする気分になる。別の主題も現れ優美さも加わる。激しさを感じるパートもある。全体的に変化に富みメロディックにこの楽章を終える。冒頭の暗さが嘘のようだった。

第2楽章、また不安げな気分に戻る。チャイコフスキーの交響曲は、藻掻けどもまた暗い淵に戻るような気がする。対照と反復の3部形式を採るこの楽章の構成がぴたり合う筈か。「動機」が中間部では高揚して、そして終結部では静かに現れる。
ホルン、クラリネット、オーボエ、この楽章は管楽器がよく活躍している魅力ある楽章だ。

第3楽章、わー、優美なワルツだ。ホッとするなぁ。「胡桃割り人形」を連想させるよ。でもやはり例の「動機」が光りのワルツに影を落としこの楽章を終えている。

第4楽章、長調による冒頭の「動機」に続く、ティンパニの強打から力強くなる。荒海を勇壮に運行する船影が浮かぶよう。荒波を突ききった船団は「動機」によって長い海の旅を終え、いま堂々と入港した。

第4番後、自己の音楽研鑽に10年余を経由したチャイコフスキーの、より成長した人生街道が想像される第5番である。

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