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猫と庄造と二人のをんな

2005-08-25 09:38:00 |  映画ナ行
先ず上に書いたような下手な(上手な?)字【←字書きの観賞ノートでないと表現できないのが残念です】でタイトルが写る。所謂凝っているのである。内容もその字体によく似ていた。いやタイトルで内容を表現していた。たいしたものだ。

配役も又粒より。今年(1956年)の演技賞はこの作品の出演者で独占するかも知れない。浪花千恵子が絶世の名演技だ。狡い中年女を実によく演じている。品子が帰ってきたところで逃げるところ等傑作。主演の森繁にしても昨年の夫婦善哉の柳吉とよく似た性質の役だが、進歩している。実に彼の演技は秀抜だ。我々が日常よくやる囁き声をやって見せた。実に自然である。映画でこんな実感を醸し出した例はまずないだろう。

山田五十鈴の品子、又文句なしに堂に入ったもの。自分が大ファンである香川京子がこれまた大俳優に伍して些かも怯む色を見せず、福子役を見事にやりきった。少し暴れすぎて演技過多の嫌いがあるぐらいだ。しかし猫を芦屋雁玉にやってしまったことを告げるクローズアップの表情など素晴らしい。

次に此の映画は官能描写が得意の谷崎潤一郎の原作ではあるが、仄かなエロティズムがほのぼのと立ちこめ、その雰囲気描写は秀逸。ラストは雨の降る中を猫を抱いた庄造は何処へ行くとなるが、余りに猫を可愛がりすぎ、生活力皆無。ただ善意だけが取り柄の人間で、現代社会では落伍者だ。
佳作【1956年10月9日、セントラル劇場にて観賞、観客の入り70%)】

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