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石内尋常高等小学校 花は散れども

2010-03-25 13:44:15 |  映画(イ~ウ)
 黒板に白い白墨で書かれた 傳書鳩 の字が眼を惹いた。伝が旧漢字だから。大正12年、広島県の片田舎。石内尋常高等小学校。
 私も入学時は尋常高等小学校だった。太平洋戦争の熾烈化により4年生から国民学校に変わったが。

 石内小の5年市川学級の授業風景から始まったこの映画。たとえ貧しくとも、慎ましやかに、心暖かく生きる庶民の泣き笑い。それが、素朴で素直な感動を呼び起こしてくれる。
 その代表は、教室で居眠りした三吉を罵倒する市川先生。徹夜田植えの手伝いが原因と判り謝る市川先生だ。私も似た経験を持つだけに、「米を作り麦を食う」精神に共感の嵐を呼ぶ。

 裸足の運動会。騎馬戦。玉入れ。童心を呼ぶ。おお、私の故郷が修学旅行地だ。感激。今や死語となった“活動写真”。映画撮影風景は、新藤監督のノスタルジアか。
 禁句となった現中国の当時の呼び名。愕然。「お母さ~ん」返ってきた山彦に山崎級長が呟く「もう泣かん」。こちらが泣いてしまう。

 

 圧巻は30年後の同窓会。「夫も戦死。再婚した夫の弟も戦死」胸を突く女子生徒の言葉。「ピカが…」ケロイドの跡が痛ましい男子生徒の叫び。
 30年前の初恋を実らせる、今は料亭おかみの心情が胸を打つ。
 現役時代が忘れられず、石内尋常高等小学校の前に住居を構えた市川先生の心情が痛いほど解る。

 「♪高い山からひとしずく~水は砕けて川となる~(中略)~ああ、石内尋常高等小学校」。
 新藤兼人監督97歳。2年前に撮ったこの若々しい作品に「ばんざ~い!!」

 [私の評価]紛れもない秀作。
 2008年.日(シネカノン)[監督/原作/脚本]新藤兼人[撮影]林雅彦[音楽]林光[主な出演者]柄本明。豊川悦司。大竹しのぶ。六平直政。[上映時間]1時間58分。

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4 コメント

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まだまだ寒いです。 (ヌートリアE)
2010-03-25 19:18:24
アスカパパさま、こんばんは。
この映画を見て早や2年たつでしょうか。これだけ本数の映画を見ていると、題名だけでは分からない映画も多くなります。
その中でもこの映画はやはり、95歳の脳裏で作った世界映画上でも稀なる映画。
実際90代の脳裏がどんなものか、それが映画化されるものがどんなものなのか、人類史上でもとても興味のあるものです。

そしてこの映画、とても清らかな映画でした。
こういう映画を見ていると、人間は物質的に恵まれて来ると同時に、捨てているものも多いと気づかされます。
ただ、いい時代があったなんていう郷愁ではなく、今の時代のなんと殺伐としたことか、と逆に実感させられます。
いやはやでもなんと若い新藤の脳裏。見習いたいものです。95歳なんていうものではないですね。
それでは。
ヌートリアEさん、こんにちは。 (アスカパパ)
2010-03-26 13:58:18
コメントありがとうございます。

この映画が出来てから、2年経つのですね。私は先日観たばかりです。昨今は、1~2年は遅れても、テレビ放映で名画級の秀作にも接しられるので、幸せと思っています。

この映画について、ヌートリアEさんと、同じような所感を持てて嬉しい限りです。

仰る通りですね。単なる郷愁に終わらせていないところが、この映画の優れたところですね。

永年勤めてくた恩師を、学校前の住居から追い出してしまう学校。何と、現世の殺伐たることよ。と思ってしまいます。
こんばんは☆ (miri)
2012-10-19 20:47:50
今日、見ました。
同時期に録画した「一枚のハガキ」を先に見てしまったので、色々と思う点がありますが、パパさん未見でいらっしゃると思うので、その点は後のお楽しみに・・・。

他の点について・・・
> 「♪高い山からひとしずく~水は砕けて川となる~(中略)~ああ、石内尋常高等小学校」。

これは素晴らしい歌詞ですね~!
何回もフルコーラスで聞いて、自然と覚えてしまいそうです♪

>新藤兼人監督97歳。2年前に撮ったこの若々しい作品に「ばんざ~い!!」

ホントに若々しいですね!
特に終盤は私から見ると「滅茶苦茶な映画」になってしまったけど、人間って面白いな~って思いました☆
miri様。 (アスカパパ)
2012-10-20 12:06:13
コメントありがとうございます。

この映画の感想が人により違うのは当然のことでして、そのどれも価値は同じだと思っています。

という前提で、私から見ると、この映画は珠玉の一編であり、この事は、変わりません。。

「一枚のハガキ」は未見ですが、最近のマスコミは概要を暴露するので、輪郭だけは知ってるつもりです。と言うことから、新藤兼人監督に対する私の敬意の念は不変だと思っています。

何時も同じ事を言ってるようですが、年寄りの何とか…と思って、ご容赦ください(笑)
これからも、お互い、自己の思うことを率直に書いて行きましょう。

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