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昼下りの情事

2005-04-24 09:33:34 |  映画(ハ~ヒ.)
これはまた洒落た映画だ。その上、品格があるのが何よりも宜しい。芸術的な匂いさえ発散させている。これ一重に、痒いところに手が届くような演出、脚本と、主演級俳優の息の合った演技に因るものといえる。

フラナガン氏(ゲーリー・クーパー)を殺そうとする計画を漏れ聞いたミッシェル(オードリー・ヘプバーン)が、彼の急場を救ったことから、天下一の色男が一人のパリ娘に熱を浮かされる羽目に陥る。
ミッシェルは、探偵である父クロード(モーリス・シュヴァリエ)の資料を日常盗み見して楽しむお転婆娘。プレイボーイで富豪のフラナガンのことはよく知っていた。フラナガンがミッシェルの調査を依頼した探偵が、彼女の父だった。悶絶するクロード。自分に男が19人もあることをテープレコーダーに吹き込むミッシェル。悶絶するフラナガン。面白いことこの上無しと来たものだ。
4人のお抱かえ楽士がまた効果的。酒のやりとりなどウィットに富む。二人の数々の逢い引き場面も優れている。スリッパを探す時のフラナガン氏の思慕表現が秀逸なら、ミッシェルが徐々にフラナガンに惹かれて行く描写も妙を得ている。
クロードから「娘から手を退いて欲しい」と告げられ、別れる決心で汽車に乗り込むフラナガンではあったが、見送りに来たミッシェルを遂に抱き上げて終うラストの盛り上げ方も申し分なし。ヘプバーンの表現力は臨床的で見るべきものがある。
更に此の映画に花を添えるのは、主題のコンチネンタル・ワルツ「魅惑」だ。優雅で品があり、叙情を画面一杯に漂わせる。正に此の作品にぴったりの音楽だ。

最初に洒落た作品といったが、冒頭、愛のパリを説明したシーケンスがウイットに富み非常に好ましい。なにせ、わんちゃんまで口づけしているんだもの。

(1957年8月、SY京映にて観賞)
(日本初公開時のポスター)

アメリカ映画【原題】Love in the Afternoon
【後記】1961年5月13日、ハリウッド映画界に一世を風靡したゲーリー・クーパー氏死す。此処に謹んで故人のご冥福を祈る。

-----------------------
【2010年11月18日.一部訂正】
 ミッシェル(オードリー・ヘプバーン)と記してあるが、オードリー・ヘプバーンの役名は、アリアーヌ・シュヴァリエ(Ariane_Chavasse)であり、ミッシェルではなかった。なぜミッシェルと書いたのかと、ちょっと調べてみたら、ヴァン・ドードという俳優が、ミッシェル(Michel)という役名で出演している。多分、その勘違いと思う。
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17 コメント

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Unknown (kju96)
2006-05-02 14:59:33
ウイットがあって、お洒落な映画が無くなりましたね。

時代でしょうか・・・・?

監督、製作者の問題でしょうか・・・?



余韻を楽しむ映画が少なくなりました。



この映画は、お洒落で上品で、アスカパパが

書いておられる「痒い所に手が届く」

映画の大切な役割が演出されています。

良い映画ですね。

こんばんは^^ (プラム)
2006-05-02 21:46:06
 ちょっとお久しぶりですネ^^

kju96さんのところでお見かけして思わず来ちゃいました!^^

この映画は本当に素敵ですよね。

大好きです
kju96さん、プラムさん、TBとコメントありがとうございます。 (アスカパパ)
2006-05-03 17:01:13
TBありがとうございます。

最近は、本当にこういうお洒落な映画が見かけなくなりましたねぇ。

kju96さんが仰るように、製作者、監督の問題もあるのかもしれませんね。

この映画は、プラムさんによく似合った映画ですね。

本当にお洒落な映画です。
ラストシーン (まいじょ)
2007-10-09 01:11:28
記者を見送るラストシーン、とても印象的でした。
ただ、最後のナレーション「結婚という終身刑」は、よけいだと思います。
Re:ラストシーン (アスカパパ)
2007-10-09 09:18:13
ファースト・シーンで、興味を抱かせ、中身で嵌り込ませ、ラストシーンで盛り上げました。
堰を切ったようなオードリー・ヘプバーン、ミッシェルを全身で演じていたと思います。
異議なし! (DCP)
2008-02-10 16:30:21
「ウィットがありお洒落な映画がない」に全く異議なしです。この頃新作を観ない理由はそこなんです。お子さまランチばかりで。もう一つ言いたいのが邦題がカタカナばかりで嫌になります。配給の皆さん、少し工夫して下さいな。

この映画がロードショー真っ盛りの時のお粗末な話を披露します。当時、教育熱心な親は私に家庭教師をつけていました。書き取りのところで、「じじょう」、書けました、「事情」。「でも先生、この逆のじょうじって言葉ありますよね。どう言う意味ですか?」。(さすが映画小僧ですね)   先生は黙して語らずでした。とても真面目な先生でした。お粗末!。



Unknown (Unknown)
2008-02-10 16:41:33
そういえば、カタカナの邦題時代になってから、洋画は変貌を遂げていったように思います。無味乾燥なカタカナの訳題は、薫りがありませんね。
いま思い出したのですが、ヴィスコンティ監督の映画で原題は邦訳すると“官能”らしいですが、邦題は「夏の嵐」・・素晴らしいです。

DCPさんの家庭教師さんに纏わるエピソード、面白いです~!。
↑タイトルと名前忘れました。 (アスカパパ)
2008-02-10 16:46:09
タイトルは「カタカナ邦題に対する思いは同じです」
名前は「アスカパパ」
と、キーインするところ、忘れてしまいました。すみません。
あまりに、DCPさんのユーモアが素晴らしいので。
お二人へ (DCP)
2008-02-10 18:10:55
ついついアスカパパさんのこのサイトが懐かしく、かつ的確な論評に時間が経つのも忘れ楽しくてわくわくしております。余りの連発銃でアスカパパさんが書き上げるのを妨害しているのではとお詫び致します。

又、どこかで申し上げたかも知れませんがこれは携帯で送信しておりますが機種変更した事もあり、実に使い勝手が悪く濁音等、バとかパに間違えがあるかも知れませんがどうかご寛容のほどお願い致します。

UnKnown様 馬鹿馬鹿しい限りでお恥ずかしいです。私、何しろ目覚めたのが超遅かったものですから。痴ほう症どころか「昔の事、良く覚えてるなー」と仲間に言われます。そんなこんなでこのサイトで遥ーか昔の青春や幼少期を思い出している次第です。たまには馬鹿言いますが今後とも宜しくお願い申し上げます。 再びアスカパパ様へ ここをお借りしました。ありがとうございます。





DCP様 (アスカパパ)
2008-02-10 18:38:14
UnKnown=アスカパパです。二人じゃなくて一人二役といったところでしょうか(笑)このブログはタイトルと名前を書き忘れますと、UnKnownと出てしまいます。
なお、連発銃、別にかまいませんよ。お気遣い無く。
私のブログが何かのお役に立てば、こんな嬉しいことはありません。

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