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アラバマ物語

2010-05-15 10:55:52 |  映画(ア)

 「アメリカの法の精神は、すべてが平等です。すべての人が平等に創られているのです」四面楚歌の中で熱弁を奮う弁護士アティカスの勇姿が、薫り高く映った。
 差別と偏見の社会の真っ只中で、裁かれる黒人被告を護る男の物語である。


 1932年のアラバマ州メイコムが舞台。世界的不況に荒れ狂う当時の世情を画いたアメリカ映画は優れた作品が多い。
 子を想う母の心を画いた「チェンジリング」もそうだが、「アラバマ物語」は、子供の眼から、大人の世界を眺めていることに新鮮さがある。
 異常者扱いされているブーを盗み見ようとするジェムとスカウト。
 最初に観た時は、少し奇異な感じを受けたこの映画だが、ラドレー家の前の木の穴に置かれる贈り物のシーンは、何時観ても懐かしい場面だ。


 「父上が通られる」ラストの台詞のこの清涼感。
 あくまでも差別と偏見を嫌い、社会正義を強く主張。それを貫き続けた男。アティカスを演じたグレゴリー・ペック快心の出演作だ。
 一部で、彼を大根呼ばわりする声を聞いたことがある。とんでもないことだと思う。
①「片足を畜生にもぎ取られたならば、人間誰しも復讐を誓うのは当たり前」と思わせた「白鯨」。
②「電球は切れる瞬間に輝くのと一緒だ」の台詞が心に響く「頭上の敵機」。
③「将校は嫌いだけど、特にユダヤ人の将校がな」…「紳士協定」。
④チャールトン・ヘストンと競った「大いなる西部」。
⑤そして何よりも「どこの都市が一番よかったか」の質問を王女に浴びせた「ローマの休日」。
 グレゴリー・ペックはアメリカ映画界歴史の中に刻まれる名優の一人である。

 なお、AFIジャンル別Best10⑨法廷ドラマは、この作品を第①位に推している。アメリカ人の心を推察すると頷けるものがある。
 [私の評価]可成りの意欲ある佳作。
 1962年(63公開).米(ユニヴァーサル)[監督]ロバート・マリガン[撮影]ラッセル・ハーラン[音楽]エルマー・バーンスタイン[主な出演者]グレゴリー・ペック。メアリー・バダム。フィリップ・アルフォート。ロバート・デュヴァル。ブロック・ピータース。[原題]TO KILL A MOCKINGBIRD[上映時間]2時間9分。

 以下【My法廷ドラマ(アメリカ映画)Best10】
--------------------
①十二人の怒れる男(59)【AFI第2位】
②評決(82)【AFI第4位】
③ニュールンベルグ裁判(61)【AFI第10位】
④或る殺人(59)【AFI第7位】
⑤情婦(58)【AFI第6位】
⑥チャップリンの独裁者(60)
⑦アラバマ物語(62)【AFI第1位】
⑧陽のあたる場所(54)
⑨ニューオーリンズ・トライアル(03)
⑩フライド・グリーン・トマト(91)
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6 コメント

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こんばんは☆ (miri)
2010-05-17 19:35:27
☆ この映画、大好きです ☆
子供の頃に見たらしく、1シーン、ハッキリと覚えていて、以降、高校生、お勤めの頃、と見て、ずっと忘れていたのですが、5年ほど前に再見しまして、ハッキリと記憶に残り、こういう内容だったと理解し、ますます好きになりました☆

>一部で、彼を大根呼ばわりする声を聞いたことがある。とんでもないことだと思う。

グレゴリー・ペックは色々と言われますが、この主人公はアメリカ映画の何とかで1位らしく、そうでなくても私の中では良きアメリカ人の代名詞です。

先日「紳士協定」を見ましたが、途中からこの映画のように見えてきて、ちょっと困りました。

ところで、明日の朝の私の予約投稿の記事に(いつもいただいているので)たまには私からと思いまして、トラックバックを載せさせていただきました。宜しくお願いいたします。

予約投稿ですので、コメントは後刻させて頂きます。さて、どの作品でしょうか?
ヒントは“アナベラさん”です♪
では、お楽しみに~!(それほどの事でもありませんが・・・すみません)
miriさん、こんにちは。 (アスカパパ)
2010-05-18 15:51:48
コメントありがとうございます。
この映画は、数回見ていますが、アメリカ人ならずとも、日本人にも共感を呼ぶ。良心的な映画ですね。
それから、グレゴリー・ペックに対するお考え、お聞きして嬉しいです。

ヒントから、「巴里祭」かな?、それとも、「地の果てを行く」かな?と、思っていました。トラックバックありがとうございました。
あっつ~!。 (DCP)
2011-07-06 11:56:06
ジェームズ・スチュワートを「アメリカの良心」と例えますよね。
「素晴らしき哉!、人生」で隣人に尽力したからでしょうか。


でも数ある作品の中ではキム・ノヴァク、ヴェラ・マイルズ、グレース・ケリー、ドリス・デイ、キャロル・ベイカー、ドナ・リードら麗人と○ッスばっかしたから認めたくない僕です(笑)。


むしろグレゴリー・ペックこそ幼い子供二人を抱えゼニ・カネではなく正義の為に尽力したのですから、では「アメリカの誠意」と例えたいですよ!。


脱線します。八海事件の冤罪を扱った正木弁護士の「真昼の暗黒」を先月買いました。まさかDVDがあるとは!。


話戻り(スミマセン)、アラバマの子役はもっと以後も映画に出てもらいたかったです。
オトコノコの方は「シェナンドー河」で家族に愛される末っ子だったような。松葉杖をついて教会に入って来たのを最後に俳優引退したのかも。


実はやや暑い電車内からです。
パパさんも室内にいても熱中症になるようですからお気を付け下さいね。ではまた。

Re:あっつ~!。 (アスカパパ)
2011-07-07 17:28:50
“やや暑い電車内”というお言葉から、Oh!この電車「無理に省エネしてるなぁ」と感じます。同じ設定温度でも、乗客の多い少ないによって、車内温度は変わりますものね~。

ジェームズ・スチュワートと、グレゴリー・ペック。DCPさんの話を聞いているうちに、片や、ハデ~ズ(派手)。片や、ジミ~ズ(地味)の感じもしてきました。でも私はどちらも同じぐらい好きです。

二人の子役。オトコノコはそうでしたか。オンナノコのその後も私は知りません。脱線しますが、「禁じられた遊び」のオンナノコ。品格のいいおばあさんになっている写真を数年前の新聞で見て懐かしかったことを思い出しました。

「真昼の暗黒」今井正監督の最高傑作かも?。他にも「青い山脈」「また逢う日まで」「ひめゆりの塔」「キクとイサム」「ここに泉あり」「米」「にごりえ」などなど、秀作が多くて、それを選ぶのに苦労する私です。

この映画を見て「この裁判は間違っている」と確信しましたね。映画としても「必死の逃亡者」に似た流動感が好きです。
こんにちは! (宵乃)
2012-05-30 14:56:39
わたしもこの作品は大好きです。
しばらく見ないでいたら、社会派ドラマの印象が残ってしまったんですけど、子供目線の温かいドラマでしたね。再見して、いつの間にかそれを忘れていた事に驚いてしまいました。
グレゴリー・ペックが大根役者だなんて言うひとがいるんですか~。わたしはこの映画を観て、こんなお父さんがいたら!と憧れてしまったのに!
これは余談ですが、 (アスカパパ)
2012-05-31 12:54:56
この頃ほかにも、タイロン・パワーや、アラン・ラッドなども呼ばれたことがあります。だけど、前者の「愛情物語」や、後者の「シェーン」を観て、そう呼ぶ人が居たとしたら、映画を観る眼を疑いたくなります。
思えば、グレゴリー・ペックを含めて、みんな美男子。
これって、二枚目俳優の宿命だと思います。

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映画「アラバマ物語」観ました (忘却エンドロール)
製作:アメリカ’62 原題:TO KILL A MOCKINGBIRD 監督:ロバート・マリガン 原作:ハーパー・リー ジャンル:★ドラマ父親を尊敬し父の話しを聞くのが大好きな兄妹スカウトとジェム。その父が暴行事件...