アスカ・スタジオ

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狼は天使の匂い

2010-10-31 14:03:04 |  映画(エ~オ)

 紅葉酣の季節も近い。若い頃はどちらかと言えば、百花繚乱の春が好きだったが、最近は、紅葉の美に魅力を感じる。この映画も湖畔の紅葉が綺麗だ。(トップ画像)
 因みに過去の映画で最も印象に残る紅葉は、1956年2月26日。SY京映のパナビジョン・スクリーンに映えた「ハリーの災難」。こんな美しい紅葉画面をその後も見た事が無い。
 が、映画の紅葉は、ただ美しいだけでは物足りない。
 「あゝ野麦峠」(79)で、「兄さ、飛騨が見える」背中の妹最後の言葉には、野麦峠の紅葉も嗚咽して居た。この様な紅葉でなければ。と思う。
 この映画では、チャーリーとトニーが籠もる紅葉の小屋に悲愴美を感じた。

 

 それにしてもトニーの数奇な運勢だった。不慮のアクシデントから、逃亡生活は、パリ→ニューヨーク→モントリオールと続く。
 島の脱出には、たった1箇所しか無い橋。例え逃げられたとしても、待ち受けているジプシーの一団。
 月日の経過に連れ、チャーリー一味と親密になるプロセスは丁寧。警官隊との銃撃戦は熾烈だ。

 ただ、それだけなら平凡な悪党映画になって仕舞う。が全編の中に、例えば、不本意乍らやむを得ず悪に走らねば為らなくなるような、人間の弱さとか、人間の本質を真摯に眺める姿勢が伺われる。
 チャーリーの背に、ゴッドファーザーの蔭もそっと重なるよう。ルネ・クレマン監督は、それを紅葉という衣でソフトに包んだような作品に仕上げている。

 [私の評価]佳作。
 1972年(74公開).仏/米[監督]ルネ・クレマン[撮影]エドモン・リシュール[音楽]フランシス・レイ[主な出演者]ロバート・ライアン。ジャン・ルイ・トランティニャン。ティサ・ファロー[原題]LA COURSE DU LIEVRE A TRAVERS LES CHAMPS[上映時間]2時間8分。


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