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七年目の浮気

2007-09-08 09:18:27 |  映画(サ~シ.)
 今を去る550年前、米国東海岸はインディアンの居住地だった。彼らは実に大らかだった。ということは次の二つの事例でも分かる。余談ながら、こんなにも親切で、且つ人間味に満ちたインディアン達を、東海岸から西へ次第に追いつめ攻撃した幾多の西部劇には疑問を投げかけたくなる。閑話休題。

 [事例その1]1492年12月のある厳寒の日、プリマスに入港した小船メイフラワー号には102人の男女が居た。迫害から逃れて遙か欧州から辿り着いたこれらの人々に、プリマスのインディアン達は親切だった。入植した人達に野菜栽培の指導さえした。これに感謝した人々は現在の感謝祭の基を創るに到る。

 [事例その2]丁度その頃、プリマスから300㎞ほど離れたマンハッタン島の夏は蒸し暑かったという。ちょうど今年の日本の夏のようだったのかもしれない。此処のインディアンの父親達は毎夏、妻子を避暑に出して自らは浮気を楽しんだとか?。←この映画の冒頭説明であることは周知の事実。

 この習慣は500年後も続いていた。NYのアパートに住むリチャード・シャーマンが妻子を避暑に出したその夜、上階から"トマト"の鉢を降らした女性が居た。それはマリリン・モンローそっくりのCMガールだった。部屋主が避暑に行ってる間だけ住んでいるという、如何にもわざとらしい設定も"トマト"を演ずるのがマリリン・モンローという機知で、ものの見事に掻き消されてしまう。

 「ラフマニノフのピアノ協奏曲」は『逢びき』以外でも使われていた。而も非常に機知に富んだ形態で。リチャードの妄想に現れる彼女は「ラフマニノフ?ずるいわ、これを聴くと体が痺れるの」と悩ましい。なのに現実の彼女は「コレ、クラシックでしょ。歌詞がないから」。さすが!ビリー・ワイルダーと唸ってしまう。

 あまりにも有名な地下鉄の換気口でのスカート場面も「二度目の風は急行」に喝采!。『喝采』と同じく舞台劇だったということから、この映画を連想してupした次第だが、相変わらず続く残暑に、この書込も横道に逸れ続ける。

 ところで二人が見に行った映画が『大アマゾンの半魚人』というのはあまり相応しくない。因みにこの映画の1年半ほど前に私もこの映画は観ている。曰く。
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 【ゲテもの映画。好奇心に駆られて観たが、あに図らんや、娯楽映画の生命であるべき面白さが全然無い。全く架空の動物を科学らしく見せかけているのが馬鹿らしい。男は残酷に殺すが、女は抱きかかえる等余りにも馬鹿げている。この種の映画にこんなことを怒ること自体が間違っているようだが、詰まらない映画だった。全く。(1954年6月3日京都日活にての鑑賞記)】
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 とある。どうしてこんな映画を見に行ったのだろう。ま、どうでもいいことだけど。

 この年の秋、ビリー・ワイルダーはオードリー・ヘプバーンで『麗しのサブリナ』を撮っている。3年後再びオードリー・ヘプバーンで『昼下りの情事』その2年後マリリン・モンローで『お熱いのがお好き』と続く。
 如何にも対照的な時の両女優を見事に活性化させたビリー・ワイルダー監督に脱帽したい。彼はこの作品でもマリリン・モンローに磨きをかけた。「暑くて眠れない」と言う彼女を自分たちの寝室に寝かせ、自らは居間で寝たリチャードに優しくキスする彼女にペーソスさえ感じたもの。

 1955年.米[監督]ビリー・ワイルダー[撮影]ミルトン・クラスナー[音楽]アルフレッド・ニューマン[出演]マリリン・モンロー。トム・イーウェル。イヴリン・キース。ソニー・タフツ[原題]The Seven Year Itch[上映時間]1時間44分[私の評価]機知に富む佳作。

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8 コメント

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さすがワイルダー (ボー・BJ・ジングルズ)
2007-09-09 22:01:05
マリリンの映画の記事、ありがとうございます。
これは名匠ビリー・ワイルダー監督作だけあって、よくできてましたね。
撮影を手間取らせるマリリンに困りながらも、映画になると輝いている女優としての才能は認めていたようです。

マリリンそっくりの娘が、モンスターにも愛情を注ぐような優しいキャラクターというのを見せるために「大アマゾンの半魚人」を見に行ったことにしたのでしょうね。
撮影時、アメリカ本国でも多少は知られていた映画だったのでしょうか。
アスカパパへ (kju96)
2007-09-10 01:29:30
こんばんわ
この映画で使われたラフマニノフのピアノ・ソナタ2番
ユニークですよね。(仲間内でブームに)
なんと言っても脚本でしょうね。
そしてマリリンモンロー・・・スカートがめくれる有名なシーンは、ジョー・ディマジオと結婚して9ヶ月で離婚した原因になった作品としても有名ですね。
コメディのワイルダー作品も最高ですね。
ボーさん、コメントありがとうございます。 (アスカパパ)
2007-09-10 10:58:20
最近書いた『逢びき』の「ラフマニノフのピアノ協奏曲」と、『喝采』の舞台劇から、この映画が連想で脳裏に浮かんだもので、書いてみました。

「大アマゾンの半魚人」を見に行ったワケ、なるほど!そうだったかもしれませんね。
なんだか胸の支えが降りたようで、すっきりしました。ありがとうございました。
なお、この映画は、アメリカ本国では、3D映画だったと聞いたことがあります。私が見た日本公開版は、普通のモノクロ2Dでしたけど。
kju96さん、コメントありがとうございます。 (アスカパパ)
2007-09-10 11:18:28
ビリー・ワイルダーと、ジョージ・アクセルロッドが、共同して入魂のシナリオを完成させたと伺えるようです。
滑らかで、モダーンですね。

これは余談ですけど、当時私は、ウィリアム・ワイラーと、ビリー・ワイルダーの語句が似ているので混同したことがあります。
ワイラーはシリアル。ワイルダーはコメディに、特に才を発揮した印象を当時は持っていました。
避暑地の恋 (マーちゃん)
2007-11-04 14:18:58
妻子を送り出して、自らは浮気を楽しむ習慣は、インディアン時代から続くものだったのですね。ということは、奥方もそれを承知の上で、避暑に出かけたのでしょう。案外、奥方の間では、避暑地での浮気が慣習化していたのかもしれませんね。となると、リチャードの「奥さんが浮気をしている」という妄想は、妄想でないかも(笑)。
Re:避暑地の恋 (アスカパパ)
2007-11-04 18:58:57
まーちゃん、こんにちは。
わ~、そういう理屈になりますよね。(笑)
少々オツムの回転の鈍い私は、そこまでは気が付きませんでした~。
全くもって、この映画は痛快極わむる作品であるということでしょうね。
「クシャーン!」何処かで、ワイルダーさんのクシャミが聞こえたようです。(爆)
Unknown (まいじょ)
2007-11-05 14:02:49
「大アマゾンの半魚人」にしたのはワイルダー監督一流のジョークで、その意図はモンローの、悪く言えば無教養で悪趣味なところを、よく言えば男と見るのにそんな映画を選ぶイノセントさを表したのかと思います。

「逢びき」とはラフマニノフつながりですが、ワイルダー監督は1945年当時、アメリカではとても「逢びき」のような不倫や浮気は扱えないと思ったそうです。その後「アパートの鍵貸します」や「七年目の浮気」を作るわけですが、それでも相当厳しい自粛モードを感じます。
まいじょさん、コメントありがとうございます。 (アスカパパ)
2007-11-05 18:45:59
なるほど、そう言う解釈もあり得ますね。
私はいい方の解釈にしておこうかな。
でもいずれにしても、「大アマゾンの半魚人」は余り価値のない作品ということがはっきりしましたね。

1945年と言えば、8月15日まで、太平洋戦争だったのですからね。むべなるかなと思います。

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