アスカ・スタジオ

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有りがたうさん

2009-06-24 14:45:59 |  映画(ア)
「ありがうさん」ではなくて、「有りがうさん」である。“蒲田映画 松竹キネマ株式会社 土橋式 松竹フォーン 全發聲版”と、右書きのクレジット・タイトルが続く。
 やっと全トーキーになったばかりということが分かる。でも内容はロード・ムービーではないか。新鮮だ。

 行商人や茶店婆さん。猟帰りの男や旅芸人。道行く人にも「ありがとう」。バスに乗ってくれなくても「ありがとう」。
 牛車やリヤカーや人力車。追い越す自動車にも「ありがとう」。
 頼まれ事も気安く引き受ける人気の高い運転手‘ありがとうさん’が運転する乗り合いバスが、伊豆下田から、多分、三島までの道中風景を写し出す。多分、三島までと書いたのは、東京まで行く客が多いから。

 客は髭の紳士や医者や黒襟の女。新婚夫婦や田舎の老人。井戸端会議に花咲く車内。甘党実は辛党と正体ばれる痛快さ。一人乗っては二人降り。
 多分、花街に売られていく娘居り。「人に聞かれたら『東京の親戚に行く』と答えなさい」と諭す隣席の母親が本当に悲しい。

 前や後や横の窓。伊豆の山々や海岸線。写し出される風景は、ぐるぐる廻る走馬燈。若い方なら上原謙という名は未知でも加山雄三は知っておられるか。彼の父さんは、川端康成原作の「有りがたうさん」を爽やかに演じている。

 1936年.日(松竹)[監督&脚色]清水宏[原作]川端康成[撮影]青木勇[音楽指揮]堀内敬三[出演]上原謙。桑野通子。築地まゆみ。双葉かほる。水戸光子。爆弾小僧。[上映時間]1時間18分[私の評価]65点

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