アスカ・スタジオ

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暖簾

2007-08-09 14:41:49 |  映画ナ行
 「夫婦善哉」では気の弱い男を演じた森繁久弥が、今度は土性骨逞しい大阪商人、而も親子二代の二役で演ずる。冒頭タイトルで子供時代を描ききって終う手際よさ。なにせ最後は白髪の翁となる長い歳月を描くのだから。

 暖簾を分けて貰い商売の鬼と変わって行くが、時の流れのカット、カットは少し忙しすぎ、もう一つ不自然なところも見受ける。封建的な暖簾には女房付きという副産物もあった。初恋のお松と結ばれるのを望んでいた彼ではあったが。

 彼女に心を打ち明ける恵比寿祭のシーンは佳良。結果はお千代というしっかり者と一緒にならざるを得なくなる。年月の経過は子供も出来て、円満な夫婦になって行く過程が面白い。想う人と添えぬ事は悲しい。然し長年の歳月の流れは、それおも快い思い出として解消してくれる。

 後半は、息子の孝平と親父の、社会の変転による考え方の相違が描かれるが、ここでだれる。親父が昆布を市場のような所へ持って行き喧嘩するところ等何のことか判らない。またテーマが商人魂と夫婦愛に分裂している。

 以上、リアルタイムで観た時の感想記をそのままコピーした。
 先日のBS放映を懐かしく再鑑賞した。やはり後半がだれる。この前年に『幕末太陽伝』で気を吐いた川島雄三監督が撮ったと思えないぐらい。「何事堪忍」を芯柱にピリッと纏めて欲しかった。演技陣は役者揃い。関西弁が活き活きと輝く。浪花千栄子の「いんで」←(「帰って」という意味)。山田五十鈴の「あんなんでんねん」等々。

 森繁久弥は流石千両役者、吾平&孝平の二役もなんのその。「グラム?うちはまだモンメ(匁)でんねん」。「このくらい新円もーてもしゃないわ」と商魂を見せ、「そんなやさしいことゆーて。お前死ぬのんちゃうか」と愛妻ぶりを発揮し、「浪花屋もこれでしまいか。わいがわやになってしもたらそれでしまいやんか」 と晩年まで踏ん張り、みんなに「自分まで昆布になってしもて、塩吹いてはる」と言われてあの世に旅立った。

1958年.日(東宝)[監督]川島雄三。[撮影]岡崎宏三。[音楽]真鍋理一郎。主な出演者[★=好演]と(役名)★森繁久弥(吾平&孝平)。★山田五十鈴(千代)。中村雁治郎(浪花屋利兵衛)★浪花千栄子(きの)。乙羽信子(お松)[上映時間]2時間3分[私の評価]60点

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2 コメント

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浪花千栄子が,懐かしい。 (SUKIPIO)
2007-08-12 18:58:54
あらすじも忘れていた為に、かなり昔に観ました「猫と庄造と二人のをんな」と、山田五十鈴の何となく、大阪のお母さんの様な「こわさ」から最初は間違える様でした。
この作品も含め、懐かしい記憶を呼び起こす様に、ベタな大阪の雰囲気を醸し出した映画は、言葉使いもありますが、何故か以前からも作るには、既に無理な様にも感じられ、また、なかった様にも思います。
SUKIPIOさん、何時もコメントありがとうございます。 (アスカパパ)
2007-08-13 09:16:33
この映画は、芸達者な役者さんが、シッカと支えた作品でしたね。
山田五十鈴は「猫と庄造と二人のをんな」とは180度違うような性格の人ざまを、しっかと演じていますね。
浪花千栄子は本当に名バイプレイヤーだと思います。彼女の大阪弁の右を行く俳優って居るでしょうか?
森繁久弥・・『夫婦善哉』(55)から3年目。脂が乗りきった時期でした。

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