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おとうと

2010-01-20 16:28:11 |  映画(エ~オ)
 今月30日公開予定の「おとうと」が、第60回ベルリン国際映画祭の閉幕作品に選ばれた事をお祝いして、元祖の「おとうと」を再鑑賞。
 周知の通りこの映画は銀残しと称する映像技法の元祖でもある。強コントラストと低彩度。その渋い画像は、よく雨が降る「セブン」(96)や、「プライベート・ライアン」(98)のノルマンディ海岸の教科書にもなった。
 最近の映画も銀残しの採用是非は別にして、暗褐色や濃紺の映像が多くなったと思う。現像の際に銀を取り除く処理を省き暗部をより暗くする技法で、見事に大正時代を再現。暗そうな家庭の雰囲気を写し出した市川崑監督と宮川一夫カメラマンは日本の誇りと言える。

 登場人物の多くは和服姿である。唐傘の許から弟の碧郎を想うげんが愛おしい。

 作家の父と、リュウマチの継母に仕えるげんが健気だ。そして高島田のげんの美しさには圧倒させられる。
 それは4人の家族から碧郎が離脱する時でもあった。夜中に一緒にお茶を飲むため、お互いの手首をしっかと繋ぎあった、官能的な布紐が微かに揺れて、胸を病む弟はやがて天に昇る。姉、そして駆けつけた父と母の前で。
 大家族首長制度だった大正(以前)は、昭和後半、核家族時代に変貌を遂げる。が、家族は切っても切れぬ布紐で繋がっている。これは、姉弟愛を画いた映画であるが、そのような家族の絆を、しっかと画いた映画でもある。[私の評価]秀作。

 1960年(公開).日(大映)[監督]市川崑[撮影]宮川一夫[音楽]芥川也寸志[主な出演者]岸恵子。川口浩。田中絹代。森雅之[上映時間]1時間38分。

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