アスカ・スタジオ

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2005-08-24 11:54:33 |  映画(ア)
今年(1956年)前半期に東宝は優秀作を殆ど出さず、このまま終わらずんば日活か大映辺りに取って代わられる様相だった。でもさすが文芸作品には伝統を誇る東宝。秋に入るや名作力作を送り込んだ。老舗松竹は木下恵介監督の「夕焼け雲」を発表したのみで最近の不振は目を覆う。

閑話休題。島崎藤村原作の自然主義文学を、藤村に拘ることなく、しかし原作の意志は尊重し、心温かい作品に仕立て上げた。シナリオが立派。地味な内容を飽かすことなく、観客を引きつける。美しいテーマ音楽がそれを助ける。

前半は「次郎物語」を彷彿させる。信州地方の火をまたぐ行事など印象深く描いている。母無き4人の子を自己犠牲で育て上げる父の血と涙の歴史を笠智衆が好演する。

「それから7年経った」と字幕が出る。灰色の髪を掻きむしり三男のフランス行きに反対する父。後で反省が来る。成人すれば子は一人前だ。後半、雪村いずみの演技が光る。歌手より女優になった方が良いぐらい。

次男の赤事件、父の病気事故、殊に前者は無くても良い。風呂の場面は情緒あり佳良。【1956年10月27日、セントラル劇場、観客の入り80%)】
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