アスカ・スタジオ

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これがシネラマだ

2005-09-12 11:29:40 |  映画(ク~コ)
 東京帝劇と日本で2館だけ上映のシネラマ。公開されてから7~8ヶ月になる筈。驚異のロングラン日本新記録である。去年(1954年)全焼して、シネラマ劇場として再建されたOS劇場は、広い館内、シネラマの大スクリーン、階段制の見易い席、凄く利いた冷房等、設備の素晴らしさに先ず驚嘆した。

 待つこと半時間、全館指定席の場内はほぼ埋まる。定刻、幕が開くやスタンダードスクリーンでシネラマ製作者が、映画の歴史の説明。絵画-幻灯-動く活動写真-映画-トーキー-そして「皆さんこれがシネラマです。」という声と共に突然我々の目前に景色が現れた。

 同時に異様なキーンという金属音。見れば我々はローラーコースターに乗っている。コースターのトップ部分が見えている。下りだ。猛烈なスピード。登りカーブ部分での展望。終着駅到着。我々の度肝を抜いた。

 聖歌合唱隊、アイーダ上演の劇場、次はベニスの運河をゴンドラで行く。橋の下を潜るときは思わず頭を下げる気分だった。スコットランド鼓笛隊の行進。スペインの闘牛場は我々は観衆だった。第1部終了。10分休憩。

 第2部。シネラマは画面だけでなく音もその一部と、15000サイクルまで再生可能と説明、ベートーベンの田園の一部を演奏の次は、ウイーン少年少女合唱団がウイーンの森の物語を熱唱。素晴らしい。「あの声はあの少年だ」と解った。

 アメリカの紹介に入る。水上スキー、モーターボートレース、楽しい。飛行機に乗る。NYマンハッタンを真下に、西へ。農場、工場街、シカゴ店ロッキー山脈、サンフランシスコ金門湾。むくむくと雲が飛ぶ大空を背景に終わる。

 一点だけ欠点があった。3つの映写機で映した画面を繋ぎ合せているが、繋ぎ目部に黒緯いと、ぼやけた帯が写り、現実感が時折人工感に変わった。これが解決すればシネラマは新しい形式の映画として文句ないものとなるだろう。然し劇映画として、また芸術作品として登場する日は遠いかもしれない。
【1955年8月14日に大阪OS劇場で観賞後の感想文】

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11 コメント

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Unknown (DCP)
2008-03-19 04:35:42
「80日間世界一周」の所で申し上げましたが私も旧帝劇で観ておりますが全席指定席、マホガニーをふんだんに使用したまるで英国の裁判所か国会のような格調高い建物、オスカー授賞式と見間違うばかりの道路から上がる階段から内部に続く真っ赤なカーペット。番号は承知してるから必要ないのですが小型のペン・ライトを片手に持って席まで案内してくれるガイド嬢。小学生の私は「子供がこんな所に来て良いの」と純粋に思いました。アスカパパさんのお話のように英語で響き渡る「This is CINERAMA」はまるで雷鳴のようでした。
絶対に今後あり得ないこの「シネラマ」を体験出来て私は幸せに思っております。50を前にして亡くなった製作者の一人マイケル・トッド、いわばシネラマ改良型のトッド・AO方式の70ミリまで開発し偉大なプロデューサー、惜しいです。

DCPさんへ (アスカパパ)
2008-03-19 09:20:21
コメントありがとうございます。
DCPさんは、帝劇で、私はOSで、全国でたった2館しか上映しなかった(それだけの設備が2館しかなかった)シネラマを観れたことは、本当に幸せだったと思います。
あの時代に生きていてよかったと。
二度と見られない作品ですものね。
シネラマをリアルタイムで観た方と、こうしてお喋り出来る幸運を、いま噛みしめています。
執念で、 (DCP)
2009-02-26 17:12:31
見つけました。映像はある筈はなく、サウンドトラックのCDがありました。3週間後にはロンドンから届きそうです。『This is CINERAMA』、そしてキーンですか。そっと目を閉じて半世紀以上も前にそれーっワープ!。

凄い! (アスカパパ)
2009-02-27 22:13:12
凄い執念ですね。
あのキーンを思い出します。
大事・大事・言い忘れていました。 (DCP)
2011-07-02 11:05:26
シネラマ「西部開拓史」のBD盤も、更にそれに伴うニューDVD盤にも「シネラマ・アドヴェンチャー」が1枚付属しています(レンタルの場合は分かりませんが)。
シネラマ開発ストーリーからまさに「これがシネラマ」の一部映像も出ますよ!!。


今回のリマスター「西部開拓史」はワーナーの素晴らしい最新技術により約半世紀前の映像とは思えない昨日出来上がったばかり!と見間違う美しい映像とサウンド。WBに脱帽します。
シネラマ特有の2本のスジがデジタル処理で除去されています!。
ただテアトル東京で二度「西部開拓史」を観た僕的には「シネラマは2本のスジがあってこそシネラマ!。スジのないのはただのワイドスクリーンに過ぎない」が持論です。
それにしても僕が7、8歳だった頃の「これがシネラマ」に再会するとは!!。



世界の楽園 (DCP)
2011-07-03 02:32:20
思うに「西部開拓史」の冒頭はスペンサー・トレイシーのナレーションに合わせてロッキーの山々が空撮で映し出されます。
シネラマお得意の左右に画面を揺らしながら・・。


このロッキーの美しい映像は恐らく1957年のシネラマ3作目?の「世界の楽園」の流用映像の気がします。


あーあ、当時のパンフをとっておけば良かったと《人生の大公開?》。



Re:世界の楽園 (アスカパパ)
2011-07-03 09:53:14
 「世界の楽園」は、「シネラマ・ホリデー」「世界の七不思議」に続く4作目でしたね。
以下、当時の私の鑑賞記抜粋です。
---------------
 シネラマ第4作は世界の楽園巡り。第1作と比較し先ず思うのは、依然として三つの画面の繋ぎ目が治ってないこと。線は薄くなったがその代わり幅が広くなった。
 明暗の差が出ることもあり、今回は座席がずっと前の方だったので、繋ぎ目部分の景色がずれ、踊っているのが目について仕方なかった。
 迫力の点でも第1作に劣る。唯一の見物は、荒れ狂うインダス河を下るシーンの凄さ。さながら座席に、頭上に水飛沫が掛かる錯覚と、今にも舟が沈没しそうな恐怖感に似たものが稍感じられた。【以下略】(1958年、大阪OS劇場にて観賞後記)
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ながながとすみませんでした。
パパさんは確かBSファンでしたね。 (DCP)
2011-09-18 20:52:09
かの《西部開拓史》が今月23日13時から153分放映されます。


半世紀前の作品をWBは驚異の技術でリマスターBD化した作品を堪能なさって下さい。


僕は今年既に3回観ていますから観ませんが新ブログで是非お会いしたいです。



DCPさん、こんにちは。 (アスカパパ)
2011-09-19 08:45:24
情報のご提供ありがとうございます。
ハイ、私はBSファンですので、この件は充分承知しておりまして、予約録画を既にセット済みになって居ります。
余談ながら、撮り損じの無いよう、2台のブルーレイ録画機に、予約録画しておきました。(爆)

今年で3回とは凄いですね。
何れ、近いうちに新ブログで感想を発表させて頂きます。
では、また。
すっかりご無沙汰しております (DCP)
2013-08-28 16:13:04
お元気でしょうか?。私の方はこのごろは撮ったり撮られたりで余生を過ごしております(笑)。
最近になり、この「This is CINERAMA」のBDの北米盤がある事を知り(某国内通販サイトで、残り1点とあり、慌てて注文しました)買いました。この際、日本語字幕なんて全く不要で、60年前?の当時のカルチャー・ショックを存分に味わいたいと思います。
まさかデジタル処理で2本のスジが消してある、なんてない事を願っているのです。なぜなら2本のスジがあってこそ、文化であり当時の機械文明と言う持論は死ぬまで言い続けるつもりでありますよ。観賞した結果を来週にでもご連絡致します。

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