アスカ・スタジオ

2011/9/1以降の映画記事は「八十路STUDIO」=(同一人管理blog)とリンクしました。

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戦場でワルツを

2011-06-15 20:55:10 |  映画(ス~ソ)

 狼と思ったが犬だった。怖ろしい顔をした26匹の犬が街中を突っ走る異様な風景が、画面に一気に集中させる。
 しかも「これがアニメか」と思わせるような丁寧な描写である。

 「身が凍る」雪原を歩む男の息が白い。
 路面に付いた車のタイヤ跡が鮮やか。
 林の中の木漏れ日も。
 美しさだけではない。ぼかしていない性器。それが嫌らしさを感じさせないのだ。
 といった調子である。

 “ワルツ”の題意は途中で分かるが、題名からは想像も出来ない残忍な内容だった。
 アニメ画面が現実画面となってショッキングなアニメは終わる。「アニメにしたのは残酷さを薄めたかったからです」と言わんばかりに。

 ファランヘ党という台詞から、このアニメは戦争への反省を込めたドキュメンタリーと知ったのは、映画を観た後であった。

 [私の評価]優れたアニメ作品です。
 2008年(09公開)(2011/6/15TV録画観賞=初見)イスラエル/仏/独/英.[監督]アリ・フォルマン[音楽]マックス・リヒター[原題]VALS IM BASHIR[上映時間]1時間30分。

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續姿三四郎

2011-01-10 19:55:31 |  映画(ス~ソ)

 太平洋戦争敗戦の数ヶ月前に公開された「續姿三四郎」。“続”ではなく、旧漢字なのが懐かしい。そういえば、明治20年から始まる舞台地も横浜ではなく“横濱”だ。

 道場に掲げられた掟。
一.許可ナク他流試合シタル者ハ破門ス
二.見世物、興行物類ニ出場シタル者ハ破門ス
三.道場ニ於テ飲酒、放歌或ハ道場ヲ汚シタル行為アリタル者ハ破門ス
 覚悟の上でそれを破る三四郎を、第1作に続いて藤田進が演じる。ほかの配役も第1作に出演していた名前が目立つ。

 

 ニヤリと不敵の笑いを浮かべる三四郎がいい。藤田進は適役だ。柔道対ボクシング。対空手。と、今で言うアクション場面で娯楽性は充分。
 特に前者の試合は、欧米が敵国だった時代。背後に国策の影は感じるものの、テーマの師弟愛が、全編に脈々と流れ引き締まる。ただ一塊の娯楽劇だけに留めぬところは、さすが黒澤明監督である。

 [私の評価]中の上。
 1945年.日(東宝)[監督]黒澤明[撮影]伊藤武夫[音楽]鈴木静一[主な出演者]藤田進。月形龍之介。大河内伝次郎。轟夕起子。河野秋武。森雅之。宮口精二。高堂国典。菅井一郎[上映時間]1時間23分。
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【零れ話】
 黒澤さんが「綴方教室」(38)や「馬」(41)で、山本嘉次郎監督の門下生をされていた頃、両作品に主演された高峰秀子さんが、密かな想いをされたとか。
 結果は、デビュー作「姿三四郎」(43)に続く監督第2作「一番美しく」 に主演された矢口陽子さんと結ばれることになるのだが。

 黒澤監督が第15作「生きものの記録」を撮られた1955年、高峰秀子さんは、当時、木下恵介監督の門下生、松山善三さんと、簡素な結婚式を挙げられた。

 

 なお、これにて黒澤明監督全30作品のレビューを終えることが出来た。
 ところで、恰好の映画検定向きの出題を思いついた。
 高峰秀子さんは黒澤明監督の作品に出演されたでしょうか?。

 陰の声(遊んでいる場合ではない)。
 私(すみません)。

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姿三四郎

2011-01-08 17:55:36 |  映画(ス~ソ)

 黒澤明監督の第1作である。戦時中に作られたがフィルムの一部が切られた。それはこの作品に限らず。「無法松の一生」も然り。切られる場所は恋のシーンに決まっている。戦時下の宿命であった。
 「フィルムを切るなら横に切らずに縦に切れ」黒澤監督の怒りが聞こえる。それでも、唐傘を指した小夜。千切れた下駄の鼻緒を結んでやる三四郎。石段でのシーンは、和風音楽のもと情感零れる。

 村井半助との試合は固唾を飲む。投げられても三四郎倒れず。村井の驚きの表情が秀逸。扮する志村喬。黒澤作品での長い出演がこれから始まる。
 キセル。ランプ。明治の時代考証も確かである。下駄にじゃれる犬。流れる下駄。撮影も光る。

 
 圧巻は、三四郎が一夜を過ごす矢野正五郎邸の池。夜明けと共に何時しか開く蓮の花の効果的なこと。全編を通じてのテーマに、ものの見事に融合して居る。
 非凡な腕が随所に見られる黒澤監督の処女作は、檜垣源之助との壮絶な死闘で閉める。ヒューヒューと鳴る北風に、靡く葦。千切れるように流れる雲。民謡調音楽。草むらに座し天を仰ぐ三四郎。

 「此のたび公開保留が解除されましたので再上映に際し、原形に戻すべきでありますが、不幸にも戦時の混乱で短縮した部分のネガフィルムが散逸し(以下略)」の1952年版は、三四郎と小夜が談笑する客車内情景で終わる。たとえ音声は聞き取り難くとも、たとえフィルムに挟みを入れられようとも、二人の心中は充分に伝わってくる。

 [私の評価]優れた作品です。
 1943年.日(東宝)[監督]黒澤明[撮影]三村明[音楽]鈴木静一[主な出演者]藤田進。大河内伝次郎。轟夕起子。月形龍之介。志村喬。高堂国典[上映時間]1時間19分=1952年版。

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スター・トレック

2010-11-17 07:38:43 |  映画(ス~ソ)
 何度目のリメイクかは知らないが、彼の有名なSF。新作らしく、VFXを駆使して映像美豊かな作品に仕上がっている。
 ジェームズ・T・カークの父が壮烈な最期を遂げるプロローグを経て、オープン・クレジット。
 幾歳月が経過する。アイオワ州と、ussエンタープライズのクロス・カッティングの後、高揚しながら、バルカン星が登場するクライマックスに突入してゆく。

 

 私の中で、ロマン漂う佳い面と、「猿の惑星」のような“思想”に乏しく、アクション主流に陥っている頼りなさ感とが葛藤する。
 「シールド」。「ロック」。「ワープ」。「転送」。「攻撃しろ」。「ポジション」。「チェック」。…何度、これらの台詞が登場したことか。
 ちょっと煩わしかった。
 銃。殴り合い。怪獣。アクションも満載。
 一応楽しめる。

 だけど、「球体の体積は?」。「4/3πr(3乗)」は、あまりにも易過ぎるぜぃ。後の「1.26」「1548」は、その反対で、全く不可解。
 些細なことにケチをつけて仕舞って、我ながらみっともない。
 これはussエンタープライズが…任務を遂行して新世界を探索し…新しい生命と文化を求めて…人類未到の地に航海した物語であったのに。伝統在るSFの名作に対して申し訳なかったかもしれない。

 [私の評価]準佳作。
 2009年.米(パラマウント)[監督]J・J・エイブラムス[撮影]ダン・ミンデル[音楽]マイケル・ジアッキノ[主な出演者]クリス・パイン。ザカリー・クイント。エリック・バナ。ゾーイ・サルダナ。ブルース・グリーンウッド。[原題]STAR TREK[上映時間]2時間6分。
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スペース カウボーイ

2010-10-14 15:45:02 |  映画(ス~ソ)
 現役時代に果たせなかった夢って、多くの人に在るのでは無いだろうか?。それがいま眼前に現れたとしたら!。そんな事が起これば誰でも発奮するだろう。
 手動修理が必要の宇宙衛星が発生したのだ。現役時代に、チンパンジーに取って代わられ、無念の涙を呑んだ宇宙ロケットへの乗り組み。

 70歳のフランクの志望を渋るNASA当局は、許可する代償に二つの条件を課す。
①若者と同じ訓練を課す。
②他の飛行士に修理技術の伝授。
 責任者の決断こそ重要。この映画程では無くとも、自己の現役時代を思い出した。同年代のフランクの心意気にも共振した私は、この映画に一気に引き込まれた。

 

 SFXを駆使した宇宙乍ら美しい。イタリア半島が見える。長靴の先に「ゴッドファーザー」の舞台シシリー島も。
 3度発生する決断の“1の合図”は、なかなか見せる。

 「20%の確率でも‘0’よりはまし」の台詞がズシンと重い。
 予後生存率20%と言われても「決して諦めてはいけない」と必死に闘う人が、現実に身の回りに居るから。
 だからこそ、一人の尊い犠牲のもと、20%の確率が100%となるラスト。それが例えフィクションであっても感動するのだ。

 [私の評価]可成りの意欲を感じる佳作。
 2000年.米(WB)[監督]クリント・イーストウッド[撮影]ジャック・N・グリーン[音楽]レニー・ニーハウス[主な出演者]クリント・イーストウッド。トミー・リー・ジョーンズ。ドナルド・サザーランド。ジェームズ・ガーナー[原題]SPACE COWBOYS[上映時間]2時間10分。
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ゼロの焦点(リメイク)

2010-10-13 14:01:30 |  映画(ス~ソ)
 効果的な音楽♪オンリ~・ユ~。カラ~画面に白い残雪。現代調に甦ったリメイクは、決して悪い出来ではない。「生まれ変わりたい。曽根益三郎は死ねばよい」…社会悪に対する怒り。弱者に向ける同情の眼。は、原作の主張を伝えて余り無い。
 だが、憤怒と悲哀に充ちた葬列が、観る者の胸を突き刺したオリジナル。あの妄執がより強烈に憑く。弱い人間の擁護。権威、権力、社会悪への抗議のほかに、惹いては人間として在るべき姿、姿勢、行動まで感じ取れた。
 昔の裏日本は雪が多く深く、晴れ渡る冬は年に僅かしか無かった筈。カラーでは冬の北陸を表現することは極めて難しいと思う。この映画はモノクロなればこそ佳い。とは私のオリジナル鑑賞記である。が、やはり、そうだった。

 

 サスペンスの観点からも、鵜原の所持品から零れ堕ちた3枚の写真を活かし切って居た。金沢行きの三等席。包んだ新聞紙から取り出すスリッパのワンカット一つにも、松本清張の思想を理解しきった野村芳太郎演出が光っていたオリジナルと、後半選挙シークェンスが多いリメイク。では、前者の判定勝ち。
 独断と偏見ではあるが、主要人物の対比は、鵜原禎子=○久我美子vs▲広末涼子。室田佐知子=△高千穂ひづるvs△中谷美紀。田沼久子=○有馬稲子vs▲木村多江。鵜原憲一=○南原宏治vs△西島秀俊。鵜原宗太郎=○西村晃vs▲杉本哲太。室田儀作=○加藤嘉vs△鹿賀丈史。(○=好演。△=稍好演。▲=普通)といったところか?。
 リメイクは、可成り健闘しても、どうしても損である。

 [私の評価]佳作。
 2009年.日(東宝)[監督]犬童一心[撮影]蔦井孝洋[音楽]上野耕路[主な出演者]広末涼子。中谷美紀。木村多江。西島秀俊。鹿賀丈史[原作]松本清張[上映時間]2時11間分。
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 庭でいい匂い。今年も木犀が咲いた。

 
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続馬喰一代

2010-09-13 17:39:14 |  映画(ス~ソ)
 1952年9月6日。今はその姿も留めぬ奈良映劇で観た。これが映画鑑賞記を本格的に書き始めた最初の作品である。
 岡田茉莉子主演の「思春期」と二本立て上映だった。当時のノートを紛失中だが、この映画は幸いにもパソコンに転記していた。
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 新聞の映画評には余りよく書いてないがそんなことはない。だいたい映画評なんてものは殆どけなすことばかりで誉めて良いところは誉めて良いのに誉めない。
 社会悪と闘う人間の烈々たる闘志が溢れている。
 「市川猿之助が堅い堅い。もっと滑稽味を出せ」と言っているが、この人物は堅い所の個性を持っているとしたらそれでよいのではないか。
 人間誰しもいろいろな個性があって良いのだ。
 亦アプレ娘の単純軽率な態度も良く表している。
 自然美も美しい。他に菅原健二、三條美紀等出演。
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 以上であるが、我ながら若気に逸った勇ましい文を書いたなと、苦笑する。
 市川猿之助は北見の山を愛する男。その勇猛な働きぶりは今も印象深く脳裏に残っている。
 彼を取り巻く人達の愛と恩讐渦巻く中で、発生する山火事。此がクライマックスを形成する。総てを忘れて消火に当たる猿之助らの姿に、商売仇も折れる場面が心を動かす。
 適度のユーモアも織り交ぜつつ、野性味豊かに描いた人情劇であった。

 古い映画で、映像はない。このような作品をレビュー出来る私を、一映画ファンとして幸せであると思う。
 [私の評価]中の上。
 1952年.日(大映)[監督]島耕二[撮影]相坂操一[音楽]伊福部昭[主な出演者]市川猿之助。轟夕起子。菅原謙二。三條美紀。星ひかる。進藤英太郎[上映時間]1時間40分。

追伸:
 この映画の前年に公開された「馬喰一代」の続編である。
 本編(主演:三船敏郎.京マチ子)は未見。
 1963年にも、三國連太郎.新珠三千代主演でリメイクされている。(未見)
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007/慰めの報酬(第22作)

2010-08-01 09:44:33 |  映画(ス~ソ)

 ライオンが吠える例のMGMのロゴが出た少し後で、コロンビアのロゴ。最近の米映画界の製作配給系統はどうなっているのか、さっぱり分からぬ。1950年代ハリウッド7大メジャー時代が懐かしい。
 そう言えば、この007シリーズも様変わりした。すっかり近代アクション路線に模様替え。初っぱなからカーチェイス。タイトル・クレジットが終わるや、馬車の列。やがて、派手な屋根上のアクション。お~瓦が崩れる。あちこちで。

 ロンドンで「ユーロだ」「$だ」と騒いでいるうちに、舞台はハイチへ。ホテル。モーターボート等は、007モードだが、舞台は一躍オーストリアのブラゲッツ。トスカ鑑賞と来れば、だんだん解り辛くなって来た。でもパターンは同じだから、大凡のところは掴めるけど。
 小道具はケータイ類。ボンドガールも今迄のような魅力は失せる。イタリアのタラモーネという島で、「若い頃には簡単に善と悪を見分けられたが…」という台詞を聞いた。私も若い頃の007は、善と悪がはっきり分かって楽しかったなぁ。と、ふと思った。

 ちょっと待て。ボリビア、ラパスの空中戦は、一応、善と悪の熾烈な闘争。「この国では何も信用するな」「コカインと共産主義を除いたら…」の台詞に、その片鱗を見た。
 「カジノ・ロワイヤル」の続編らしいが、何やら、また続編が出そうな気配を感じさせつつ、第22作は終わりを告げた。
 如何にも総花的の感あり。カジノの大勝負で高揚を見せた第21作よりは劣る。と、見たが…。

 [私の評価]凡作といえばお叱りを受けるかな?。
 2008年(09公開).英/米[監督]マーク・フォスター[撮影]ロベルト・シェイファー[音楽]デヴィッド・アーノルド[主な出演者]ダニエル・クレイグ。オルガ・キュリレンコ。マチュー・アマルリック。ジュディ・デンチ[原題]QUANTUM OF SOLACE[上映時間]1時間46分。

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 今朝の散歩。百日紅の木の幹を、擽ったら、ほんとに、百日紅が笑った。本当です。枝の先端の花や葉が揺れました。

 

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重力ピエロ

2010-07-29 16:59:45 |  映画(ス~ソ)
 冒頭、二階から飛び降りる春。…ラストでも。その時、「楽しそうに生きていれば、地球の重力だって消してしまえるんだよ」幼い頃、一家でサーカスを見に行った時、父が言った言葉を信じていたのだろうか。願望だったかも。それでも佳いではないか。あの時のピエロもそうだったかもしれない。

 「火には浄化作用がある」とか、「賞味するために食べるのではない。生きるために食べる」と、ガンジーは言った。とか、謎めいた、意味ありげな台詞が頻発する。
 一見、ミステリーめいているが、そうではないようだ。不幸な母を優しく包んだ、ガンジーのような父だった。「春は俺の子」と、彼の兄、泉水と共に、分け隔て無く育てた。

 

 「自分で考えろ」の言葉に「自分で考えた」。頻りにコドン表を活躍させつつ。
 「俺は生まれてこの方、何も反省するようなことはしてないんだよ」と、嘯く葛城の不敵の面構えは消え去った。
 ジャンプ・カットの多用。仙台の街並み。「アヒルと鴨のコインロッカー」(06)を思い出した。伊坂幸太郎の原作だった。

 [私の評価]佳作。
 2009年.日[監督]森淳一[撮影]林淳一郎[音楽]渡辺善太郎[主な出演者]加瀬亮。岡田将生。小日向文世。鈴木京香。渡部篤郎。[上映時間]1時間59分。

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007/サンダーボール作戦(第4作)

2010-07-14 12:02:11 |  映画(ス~ソ)
 大当たりした映画を専門用語ではブロック・バスターと呼ぶらしいが、そういう映画は屡々続編が作られる。続編も当たれば、シリーズ化に発展する。
 だが「20作以上のシリーズものは数少ない。そんな中で、007シリーズが当該するのは周知の通り。邦画では「寅さん」や「釣りバカ日誌」だろう。
 だが、シリーズものレビューは苦手だ。背景や人物などが違うだけで、パターンは決まっている。というのが都合のいい言い訳だけど。

 

 この第4作も、見所は海中アクション。ストーリーは都合良く出来過ぎの感あり。他に特筆すべきことと言えば、目玉の海中アクションが、赤VS黒の着装だったこと。
 ‘赤と黒’といえば、黒い鮫の犠牲者が水中に漂わす赤い血も鮮烈。1990年の角川映画「天と地と」で、上杉側を黒、武田側を赤の装備にして“赤と黒のエクスタシー”を当時の宣伝文句にしていた。これは‘007’が元祖だったのか。
 もう一つは冒頭の、人間がヘリのように空を飛ぶショット。ロサンゼルス・オリンピックで見て驚いた事を思い出す。これも、この映画で実現していたのか。
といったところ。

 だが、面白いことは面白い。何時もの独り言だけど「映画は面白ければ目的の一つは達せられている」のだ。
 [私の評価]準佳作。
 1965年.英(UA)[監督]テレンス・ヤング[撮影]テッド・ムーア[音楽]ドョン・バリー[主な出演者]ショーン・コネリー。クローテ゜ィヌ・オージェ。アドルフォ・チェリ[原題]THUNDERBALL[上映時間]2時間9分。

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禅 ZEN

2010-06-13 14:38:21 |  映画(ス~ソ)
 はじめに、あくまでも映画を論ずるのであって、宗教を論ずる気はないことを前提に、若干感想を記しておきたい。
 道元が北条時頼に、水面に映る月を斬らせる場面が、彼の思想を象徴しているのではないだろうか。「春は花。夏不如帰。秋は月。冬雪映えて楽しかるけり」だったか?。自然礼賛とでもいおうか。極楽は此の世にある。という思想には共感するものがあった。

 道元が宋へ渡るシークェンスは、「中国映画」と錯覚するほど、丹念な中国語に敬意。
 おりんが彼の薫陶を受けていく件は丁寧に画かれていて秀逸。
 偶にはこういう固い映画も精神修養が練れていい。

 [私の評価]優れた作品です。
 2008年(09公開).日(角川)[監督]高橋伴明[撮影]水口智之[音楽] 宇崎竜童/中西長谷雄[主な出演者]中村勘太郎。内田有紀。テイ龍進。鄭天庸。高良健吾。笹野高史。藤原竜也。高橋惠子[上映時間]2時間7分。

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007/ユア・アイズ・オンリー

2010-05-26 21:30:30 |  映画(ス~ソ)

 シリーズ第12作。ギリシャ近海での英国情報船の爆発沈没が、発端となる。パソコンによる顔のグラフィック分析シーンが見られる。この映画が作られた時代では、最先端デジタル機器であろう。
 ビキニ姿も華やかなプール・シーンを経て、まぁ、派手なアクションがざくざくと展開される。
 カー・アクション。で、始まる。
 スケート場。此処では、女子フィギュア選手が、オリンピックを目指して華麗な練習姿を披露。
 スキー場。此処では、スキー競技はもちろん、ボブスレーや、アイス・ホッケーまで。まるで、冬季オリンピックと錯覚しそう。

 ネプチューンによる潜水シークェンスはなかなかの見もの。鮫の襲来。等々。それにしても、「深く息を」といっても、潜水時間が長すぎるぜぃ。
 ロック・クライミング・シーンも見応えがある。
 概要は、海底に沈んだ特殊発信機ATACを巡って展開される争奪戦。
 米ソ冷戦時代を背景に、マドリッドへ。ロンドンへ。イタリアへ。といったお馴染みパターン。

 と、言ってしまえば、それまでだが、ジョン・グレン監督の演出は、結構垢抜けした雰囲気で、スケールも大きく、飽きさせることはない。
 ロジャー・ムーアも、すっかりボンドに溶け込んでいる。
 キャロル・ブーケも、好感を持てるボンド・ガールを演じている。

 [私の評価]中の上。
 1981年.英/米[監督]ジョン・グレン[撮影]アラン・ヒューム[音楽]ビル・コンティ[主な出演者]ロジャー・ムーア。キャロル・ブーケ。トポル[原題]FOR YOUR EYES ONLY[上映時間]2時間8分。

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My菜園日記。
 茄子の苗に、早や、紫色の花が咲く。(5/25撮影)
 

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青春の祭典

2010-05-11 11:11:00 |  映画(ス~ソ)

 古本屋さんの棚の奥で埃を被って居る本。そのような映画である。これといった特徴は無い。在るのは希少価値だけ。1956年3月18日。当地の地方映画館で鑑賞した。
 前年(1955年)に見逃していた「洪水の前」と二本立て上映されたソ連映画である。内容は、トップ画像のリアルタイム感想文のみ。Myデータベース作成上upした。

 ということで、これを機にソ連映画66年間の歴史を少し振り返りたくなった。
 1989年ベルリンの壁崩壊は、その2年後のロシア復活に繋がる。従ってソ連映画と銘打つ映画は数少ない。でも優れた映画が少なからず見受けられる。「惑星ソラリス」(72)など、その代表的作品であろう。

 他にも在る。
①「有名な「戦艦ポチョムキン」は、国名がロシアからソ連に変わった3年後の1925年に創られた。ソ連誕生を寿ぐような名画と思う。
 エイゼンシュテイン監督は、ショットとショットの繋ぎに意義を持たせたモンタージュ理論を創始する。あの乳母車の階段シークェンス。
 
 アメリカ映画「アンタッチャブル」は、これより60年以上経過して尚、オマージュを捧げている。

②黒澤明監督の「デルス・ウザーラ」もソ連映画。厳しさの中に人間との調和を感じるのも、当時のソ連の大自然が活きてこそと思う。


③序でにあまり有名ではない、これまた希少価値に値するようなソ連映画について記しておきたい。
 1953年1月20日に鑑賞した「ベルリン陥落」は、ドイツ映画に非ず。ヒトラーを痛烈に暴いたソ連映画だった。
 自国市民を犠牲にして迄自分を護ろうとしたヒットラーが画かれていた。彼の指示で地下道に水を入れたため、溺れる市民の悲劇が今も胸を刺す。
 終戦後、ベルリンは東西に遮断さる。そしてその壁は、上述の時まで続くことになる。

④「ベルリン陥落」と同じ年、1953年12月29日に鑑賞した「虹の世界のサトコ」は、スラブの民族性も豊かな夢のような映画詩であった。


⑤民族性豊かと言えば、ウラルの民話を映画化した幻想的な「石の花」(1946年)も忘れ難い作品である。

⑥1956年9月16日、観賞した「オセロ」は、当時有名だった。超満員だった京都朝日会館を思い出す。

⑦最後に、この「青春の祭典」。内容は、スポーツ賛歌に終始する。是と云ったスポーツをして居なかった私も、「あゝスポーツって佳いなぁ」と思ったことを覚えている。
 ただ当時の共産主義大国ソ連として、国威昂揚が目立ったのは、ナチスドイツの国威昂揚を計った「民族の祭典」「美の祭典」と同じ。
 同じと言えば、フィンランド映画「世紀の祭典」そして此の「青春の祭典」と、スポーツ映画は、みな“祭典”の2字が付く。宜成るらん。

 米ソの冷たい戦争も終わってから久しい。新制ロシア映画は「太陽」(2005年)や「12人の怒れる男」(2007年)等の秀作を世に送り出している。帝政ロシア→ソ連→新制ロシアと続く歴史から学ぶものは多い。

 核軍縮への歩みが進み翔ている現在。西暦2010年。平成も酣の今。我が家の棚の花も平和を寿いでいるようだ。
 

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世紀の祭典(AFIジャンル別Best10④スポーツ)関連

2010-05-05 15:29:23 |  映画(ス~ソ)

 AFIジャンル別Best10④スポーツの第1位は「レイジング・プル」以下「ロッキー」「打撃王」…と続く。著名な映画ばかりで今更改めて書く言葉もない。此処は標題のスポーツ映画を。

 戦雲急を告げる1936年。ヒトラーが国威昂揚のためベルリン・オリンピック開催。「民族の祭典」「美の祭典」と題した記録映画が2本作られたのは周知の通り。

 次の1940年は東京に決まっていた。当時は年号を西暦で呼ばず。
 ♪(前略)紀元は2600年~嗚呼一億の胸は鳴る~と口ずさんで居た。余談ながらこの時代にも替え歌が出来た。煙草の値上げを嘆く歌だった。
 やがて第2次世界大戦発生。当然東京大会は1964年まで延びてしまった。

 1945年。やっと世界に平和が戻る。
 翌1946年ロンドン・オリンピック開催。だが日本は参加を許されず。世界の平和を乱したとして。あの悔しさは今も忘れず。
 精神年齢12才と呼ばれた敗戦国日本。テレビの無い全国のラジオを風靡したのは三遊亭歌笑の純情歌集だった。
 “4等国の日本にも無人電車が走ります~”三鷹事件が背景だった。

 そんな日本が朗報に湧く。古橋広之進選手、水泳400m自由形4分33秒0。世界新記録。
 やっと参加が許されたヘルシンキ・オリンピック。1952年7月19日(土曜)開催さる。
 が、フジヤマのトビウオは衰えていた。どん尻に終わった古橋選手の姿が今も脳裏に残る。
 1500m自由形銀メダルの盟友、橋爪四郎選手も寂しげだった。
 唯一の金メダルは、レスリング・フリースタイル・バンタム級の石井庄八選手。
 
 三人とも今は亡し。
 そんな古い時代のオリンピック映画を観たのが、1953年10月20日。戦後間もなく建てられた、奈良セントラルという地方映画館であった。

 トップ画像はその時の感想文。
 各国の行進の動作態度を面白く捕らえた入場式が佳い旨書いてあるが、脳裏には残っていない。
 [私の評価]優れた作品です。
 1952年(53公開).芬蘭[製作総指揮]リスト・オルコ/T・J・サルカ[撮影]ハナヌ・レミネン[音楽]アンティ・ソンニーネン[原題]XV OLYMPIAD HELSINKI。

 昭和は遠くなりにけり。
 平成22年5月5日。
 我が家の玄関前に咲く花の名は知らず。
 

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聖女ジャンヌ・ダーク

2010-03-31 15:37:33 |  映画(ス~ソ)

 イングリッド・バーグマンの「ジャンヌ・ダーク」(48)が最も古いジャンヌ・ダルクの映画と思っていたが、違っていた。1928年に作られた「裁かるゝジャンヌ」というフランスのサイレント映画があった。無論、未見である。
 もう1本、劇場では未公開の作品らしいが、この「聖女ジャンヌ・ダーク」を、かってのBSで放映したのを観ていた。この作品もダルクではなく、ダークだ。1950年代固有の標記なのかな?。
 映画は、弱気の皇太子説得。オルレアンに英国軍粉砕。から形勢逆転。宗教裁判から火刑。とお決まりではあるが、ジョージ・バーナード・ショウ原作。脚本がグレアム・グリーン。オットー・プレミンジャーの演出。という特徴は出ているジャンヌ・ダルク映画である。

 

 というのは、ジャンヌ処刑後の世界を描いていることである。ジャンヌに「苦しくなかったか」とか言う旨の質問を浴びせる関係者に対し、生前の感想を述べるジャンヌに、何とも言えぬ新鮮味が出て居た。
 死後のジーン・セバーグがピチピチしているからだ。リチャード・ウィドマークも、弱々しいシャルル皇太子ぶりを好演している。
 宗教裁判は、オットー・プレミンジャー風の、こってりした、稍難解気味な面を見せるものの、こういう風変わりなジャンヌ映画もまた佳い。
 同じ年にオットー・プレミンジャーはジーン・セバーグで彼の「悲しみよこんにちは」を撮っている。息の合ったコンビぶりが伺える。

 [私の評価]可成りの意欲ある佳作。
 1957年(未公開).米[監督]オットー・プレミンジャー[撮影]ジョルジュ・ペリナール[音楽]ミシャ・スポリアンスキー[主な出演者]ジーン・セバーグ。リチャード・ウィドマーク。リチャード・トッド。アントン・ウォルブルック[原題]SAINT JOAN[上映時間]1時間50分。

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 昨日は、四国から来ている子や孫たちと花見をしてきた。当地で最も早く咲く氷室神社の古木、しだれ桜が満開だった。

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