アスカ・スタジオ

2011/9/1以降の映画記事は「八十路STUDIO」=(同一人管理blog)とリンクしました。

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プロヴァンス物語/マルセルの夏

2011-08-29 13:08:14 |  映画(フ~ホ)

 背景地のプロヴァンスを地図で辿る。主人公のマルセルが生まれたオバーニュは、マルセイユから50㎞位しか離れていない。だがその奥に広がるプロヴァンス地方は、荒涼たる砂漠のような山地だった。
 なにせ泉の在処さえ地元に住むリリしか知らぬのである。その風俗から時は19世紀末頃だろう。マルセル少年一家の人々を自然に紹介していくような脚本、演出も巧い。

 父ジョゼフは学校の先生。母オーギュスティーヌは少しひ弱だった。彼女の三人の子の世話まで手伝ったしたローズ伯母さんだったが、やがて彼女はジュールと結婚する。各々の人物描写も丁寧だ。

 そんな中で育つマルセル少年。彼が体験する童心の世界が実に素直で素朴。「子供は臍から産まれる」と思っているマルセルのエピソードなども好感が走る部分だ。
 そんな一族が過ごす夏のバカンス。マルセルの伯父となったジュールは、狩猟が初体験の父に懇切丁寧に教える。それがマルセルの眼には、尊大にして意地悪にさえ見えるのだ。いゃ~納得、納得。

 偶然に父が落とした二羽のパルタベル。誇らしげに伯父に示す童心のいじらしさよ。長いようで短かった夏のバカンスも終わり、第1部も終わる。

 【私の評価】佳作。
 【私の好み度(①好む。②好む方。③普通。④嫌な方。⑤嫌)】→②。

 1990年(91公開)(2011/8/28TV録画観賞=初見).仏[監督]イヴ・ロベール[撮影]ロベール・アラズラキ[音楽]ウラディミール・コスマ[主な出演者★=好演☆=印象]ジュリアン・シアマーカ。フィリップ・コーベール。ナタリー・ルーセル。テレーズ・リオタール。ディディエ・パン[原題]LA GLOIRE DE MON PERE[上映時間]1時間51分。

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終戦の日に、「ホタル」

2011-08-15 09:10:15 |  映画(フ~ホ)

 今年もまた8月15日が巡り来た。時計は今9時14分を指している。空一杯に覆っていた雲が少し途切れて、毎年この日に仰ぐあの青空が、ちょっぴり顔を覗かせてくれた。毎年の如く感無量なり。

 話は昨年にフラッシュ・バックする。地元の戦没者慰霊祭に参列した。その時紹介されたのが「国の礎となられたあなた方を忘れません」と、コンサートを開く現代青年の話だった。(トップ画像)。
 太平洋戦争を全く知らぬ世代だというのに、、。彼等の想いと行動に、恥ずかしくなった私を思い出す。70年の歳月を隔て、若者と若者の心と心。魂と魂が触れ合い、融合した一瞬を垣間見たからである。
 「あなた方のお陰で、今私たちは居る」と歌っているようだった。私がもし当時を知っていなかったとしたら、果たしてこの若人のように当時を理解し得たかと…。
 このような若人が居る限り、太平洋戦争関連映画も観られる若人が必ず居られる筈と思った次第。

 さてこの映画。私は次の3点を以て「これぞ秀作」との評価をした。①=反戦。②=反省。③=夫婦愛。に於いて。以下はそれぞれの感想概要。

①太平洋戦争の生フィルムに、ショパンの「別れの曲」が激しく交錯する。特攻機の操縦桿を握るは空の神兵。「死にたくないという気持ちで堪らなくなる。結局、家族のため、祖国のために…」と、神の領域に到達した特攻隊員は、二度と戻らぬ知覧基地から飛び立つ。
 その前夜。富屋食堂は別れの場となった。女主人の山本富子が放つ言葉は此の映画の愁眉。

 「宮川さん、ホタルが来たら僕だと思って、捕ったり、追っ払ったりしないで、『よ~く帰ってきた』と迎えて下さい」と言って飛び立ったんよ」
 「実の母なら、我が子に死ねといわんで。自分の命を捨ててでも子供を守るものよ」
 (私は頷く。その通り!)
 
 「あ、宮川さんって叫んでしもた。みんなも『宮川』『宮川』って…」
 (中略)
 「言いたいことや、やり残したことやら、一杯あったに違いない…」

 演ずる奈良岡朋子の迫真力に、私の頬を熱いものがどっと伝う。劇中何度も唱われる「♪故郷の空」よ。

②太平洋戦争の映画を観る時、アメリカ映画に対しては、どうしても拒否感が覆ってくる私である。敗戦国民が戦勝国映画を観るのに、果たして喜んで観る人が居るのだろうか?。と何時も思っていた私を、この映画は打ちのめしてくれた。
 「特攻が特攻に言い残すのか」と呟き、金山少尉は遺言を始める。「私はとても幸せでした。私は日本のために死にません。韓国民の誇りを持って、家族のために死にます」
 (後略)
 日本が韓国に対して行った国家政略に、一日本国民として大いに反省させられた。
 「♪アリラン」の哀歓が堪らない。
 金山少尉の遺品を携えて、韓国を訪れる山岡夫婦。
 「よぉ自分が生き残って、此処に来られたな!」金山少尉遺族の険悪な態度に、夫に扮する高倉健、懸命の意思伝達は、遂に誤解を溶く。両者の和解に感動の泪が零れた。

③山岡夫妻の夫婦愛には、多少センチメンタリズムが覗くものの、「誰にもどうにもできんことあるのよ」妻を演じる田中裕子の台詞に、我が80年の人生を振り返ってみて、「その通り」と思わず頷く私であった。
 
 (ひとりごと)
 毎年8月15日の空は何時も青いのに、今年はそれほどでもなさそうなのは、明日の五山の送り火に陸前高田の松を拒否した、日本の古都への怒りなのだろうか?。

 [私の評価]これぞ秀作。
 2001年(2011/8/14観賞=再見).日(東映)[監督]降旗康男[撮影]木村大作[音楽]国吉良一[主な出演者★=好演。☆=印象]☆高倉健。☆田中裕子。★奈良岡朋子。小林稔侍。中井貴一。井川比佐志。小澤征悦[上映時間]1時間54分。

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フランス式十戒

2011-07-31 19:10:01 |  映画(フ~ホ)

 七話から成るオムニバスである。各々のテーマを漢字二文字で私流に表現すれば、①崇高②姦淫③殺人④礼拝⑤偽証⑥窃盗⑦安息といったところか。
 印象深かったのは、
③成功した完全犯罪の影の悲哀。
④人間を真摯に見詰め、七つの中で最高。
⑤これもなかなか面白い佳品。
⑥悪は裁かれる。これが真理。
 と、いったところ。

 此の映画を観ていて、ちょうど此の映画の10年前に劇場鑑賞した、同じフランス映画のオムニバス「七つの大罪」を思い出す。
 テーマは、①貪欲と憤怒②怠随③色欲④羨望⑤大食⑥驕慢⑦第8の罪。であった。
⑦が、なかなかユニークだった。「フランス式十戒」では、①と⑦に当たる部分である。
 「七つの大罪」では、それぞれのテーマを、7人の監督が分担したが、此の映画は勿論、全話が、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の手になる。 
 J・デュヴィヴィエ監督はオムニバスの元祖。「肉体と幻想」「運命の饗宴」もあるが、1938年の「舞踏会の手帖」は、胸の透くような、ものの見事なオムニバスと言いたい。

 [私の評価]佳作。
 1962年(63公開)(2011/7/30.DVD鑑賞=初見).仏[監督]ジュリアン・デュヴィヴィエ[撮影]ロジェ・フェルー[音楽]ギイ・マジャンタ/ミシェル・マーニュ/ジョルジュ・ガルヴァランツ。

 [主な出演者.○内数字=第○話に登場の意。☆=印象]
①&⑦☆ミシェル・シモン。①リュシアン・バルウ。
②メル・フェラー。④ミシュリーヌ・プレール。④フランソワーズ・アルヌール。
③シャルル・アズナヴール。③モーリス・ビロー。③リノ・ヴァンチュラ。
④☆フェルナンデル。⑤ジェルメーヌ・ケルジャン。
⑤☆アラン・ドロン。⑥ジョルジュ・ウィルソン。⑥ダニエル・ダリュー。
⑥ジャン・クロード・ブリアリ。⑦☆ルイ・ド・ファネス。

 [原題]LE DIABLE ET LES DIX[上映時間]2時間24分。

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梟の城

2011-07-15 20:16:41 |  映画(フ~ホ)

 刑事コロンボを見ていて「あれ?これ前に観ていた!」と、途中で気付くことがある。此の映画も同じだった。再見して特に新しい発見はなかった。

 見所は同じ。秀吉の寝所に忍び込むシークェンスだった。殴りつけるだけ。というところがやはり痛快。
 中井貴一は女忍者ともよろしくやるし、美味しいとこ独り占め。
 その反対は釜ゆでになる上川隆也か。根津甚八の服部半蔵。ハットリくんのモデルなんだ。

 直木賞作家司馬遼太郎の原作だけあって、篠田正浩監督の演出も、がっちり感充分。
 ところで岩下志麻さん、やはり北政所でカメオでしたね。

 [私の評価]中の上。
 1999年(2011/7/8TV録画観賞=再見).日(東宝)[監督]篠田正浩[撮影]鈴本達夫[音楽]湯浅譲二[主な出演者]中井貴一。鶴田真由。葉月里緒菜。上川隆也。根津甚八。山本學。火野正平。永澤俊矢。マコ[上映時間]2時間18分。

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ファニーとアレクサンデル

2011-04-30 20:15:12 |  映画(フ~ホ)

 喪中に観た映画は「幸福の黄色いハンカチ」1本のみと先に書いた。が他に3本観ていたことを思い出した。先ず2月15日に観たこの映画。 どうしても巧く書けない。その筈。この日次女は鬱状態だった。放射線2回→4回と病院に電話した模様と当日日記に記入あり。

「プロローグ」
 霊感を持つアレクサンデル少年に興味。亡くなった次女も似たような面があったっけ。

第1部「エクダール家のクリスマス」
 巧みな一族紹介。外は零下20℃。上る花火に芽生える恋。おなら迄出るとは。

第2部「亡霊」
 父オスカルの亡霊を目撃するアレクサンデル。思わず「ハムレット」か。思い出す次女他界時聞こえし賛美歌。

第3部「崩壊」
 ファニーと共に主教館に移るアレクサンデル。予想通り降り懸かる主教の虐め。

第4部「夏の出来事」
 屋根裏監禁。思わず「アンネの日記」か。

第5部「悪魔たち」
 脱出に手を貸してくれたイサクの家に落ち着く子供達。焼死する主教。

そして
「エピローグ」へ。

[私の評価]巧く書けない難解作品だが5時間余を飽きさせぬ優れた作品です。

1982年(85公開).瑞典/仏/西独[監督]イングマール・ベルイマン[撮影]スヴェン・ニクヴィスト[音楽]ダニエル・ベル[主な出演者]バッティル・ギューヴェ。ペルニラ・アルヴィーン。エヴァ・フレーリング。グン・ヴォールグレー。エルランド・ヨセフソン。ボリエ・アールステット。ヤン・マルムシェ[原題]FANNY OCH ALEXANDER[上映時間]5時間11分。
--------------

 「天国で東北地震被災者を慰める」と田中好子さんの声。

 49日法要を東北地震犠牲者に譲った次女。

 憎し乳ガン。

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ファミリー・プロット

2010-12-26 15:18:14 |  映画(フ~ホ)

 この映画の醍醐味は、二組のカップルと、一匹狼の5人が彩なす葛藤の面白さにある。而もその中の一人が、資産家老嬢が探す相手だったとは。
 それにしても女性降霊術師の巧さよ。誰かに似ているなぁと考えていたら、黛ジュンだった。
 人だけではない。皆に見える場所に隠すという鉄則を活かしたあのダイヤ。

 
 (映画は、カラー作品です)

 プレートNo.885DTUが大活躍。カーチェイスも相当の迫力あり。
 アルフレッド・ヒッチコック監督の遺作に相応しい出来映えである。
 ひとつだけ難癖を付ければ、ちっぽけなことだけど、字幕のミス。“さ迷う”はないぜい。“彷徨う”だよね~。スミマセン。

 [私の評価]非常に意欲ある佳作。
 1976年.米(ユニヴァーサル)[監督]アルフレッド・ヒッチコック[撮影]レナード・J・サウス[音楽]ジョン・ウィリアムズ[主な出演者]カレン・ブラック。ブルース・ダーン。★バーバラ・ハリス。ウィリアム・ディヴェイン。キャスリーン・ネスビット。エド・ローター[原題]FAMILY PLOT[上映時間]2時間1分。(★=強印象)===================================

 歳も押し迫りベストテンの季節が到来した。が、新作は観られない環境にある私は残念ながら選べない。
 ただ最近、機会に恵まれて、本作品を始め未見のアルフレッド・ヒッチコック4作品を鑑賞。計33作品を鑑賞したことになる。
 過去にMyヒッチコック・ランキングを公表した事があるが、これを機に全作品を見直し、新・ランキングを試みてみた。

評価要素は、
①サスペンス度合い。
②アイデア&奇抜性。
③特色(作品の個性度合い)。
④個人的贔屓度合い。
の各4項目について、各々10点満点で採点。その合計得点とした。同点の場合は独断と偏見で順位を決めた。
 新順位←旧順位であるが、経年変化による評価の変遷があって面白い。

①←①「裏窓」10,10,10,10=40。
②←⑭「鳥」9,9,9,8=35。
③←⑦「北北西に進路を取れ」8,8,8,9=33。
④←⑫「サイコ」9,9,9,6=33。
⑤「ファミリー・プロット」8,8,8,8=32。
⑥←②「疑惑の影」8,6,9,8=31。
⑦←③「断崖」8,7,8,8=31。
⑧←⑥「知りすぎていた男」8,7,7,9=31。
⑨←⑨「見知らぬ乗客」8,8,7,8=31。
⑩←⑰「めまい」8,8,7,8=31。

⑪←⑬「ダイヤルMを廻せ!」8,7,7,7=29。
⑫←⑱「ハリーの災難」7,7,7,8=29。
⑬←⑤「バルカン超特急」8,7,6,7=28。
⑭←⑩「逃走迷路」8,7,7,6=28。
⑮「フレンジー」7,7,7,7=28。
⑯←⑧「間違えられた男」8,7,6,6=27。
⑰←⑮「救命艇」7,7,6,7=27。
⑱←⑯「三十九夜」7,7,6,7=27。
⑲「マーニー」7,7,7,6=27。
⑳←④「レベッカ」8,6,7,5=26。

21←22「白い恐怖」7,7,6,5=25。
22←11「海外特派員」7,6,6,5=24。
23←19「パラダイン夫人の恋」5,5,6,6=22。
24←26「泥棒成金」6,4,6,6=22。
(25)「引き裂かれたカーテン」6,5,6,5=22。
26←21「暗殺者の家」6,5,5,5=21。
27←23「第3逃亡者」6,5,5,5=21。
28←24「汚名」5,5,6,5=21。
29←27「舞台恐怖症」6,4,6,5=21。
30←25「間諜最後の日」6,4,5,4=19。

31←28「ロープ」6,4,5,3=18。
32←20「私は告白する」4,4,5,3=16。
33←29「恐喝(ゆすり)」5,3,4,3=15。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
 以上であるが、当然、各人によって好みは異なるもの。以上の結果は、あくまでも私の好みが強く反映されていることをお断りしておきます。

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フレンジー

2010-12-17 19:14:50 |  映画(フ~ホ)
 ロンドン市街を流れるテムズ河。カメラはゆっくりとズーム・インして行く。やがて、タワー・ブリッジがその美しい威容を現して来た。

 

 その河岸に臥す女性の全裸死体。その首には縞柄のネクタイで絞められていた。やがて、離婚した女性や、共に働いたことのある女性も殺されたことから、リチャード・ブレイニーは追われる身になる。

 

 ということで、ハラハラドキドキが繰り返されてゆく。ヒッチコック作品は、ネタバレ防止のためこれ以上は書けないが、トラックに満載したジャガイモ袋から、ジャガイモ+αが、深夜の路上に転がり落ちるシークェンスはなかなかの見もの。

 ところで、わぁ~、こんな所に居られたとは、ヒッチコック先生!めつけ~!。

 [私の評価]可成りの意欲を感じる佳作。
 1972年.英/米(ユニヴァーサル=CIC)[監督]アルフレッド・ヒッチコック[撮影]ギル・テイラー[音楽]ロン・グッドウィン[主な出演者]ジョン・フィンチ。★バリー・フォスター。バーバラ・リー・ハント。アレック・マッコーウェン[原題]FRENZY[上映時間]1時間57分。(★=強印象)
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ボルジア家の毒薬

2010-11-15 10:06:38 |  映画(フ~ホ)
 恥ずかし乍ら此の映画のリアルタイム感想は、上記画像の赤枠で囲んだ、たった2行の拙文に過ぎない。今日はアップする鑑賞記が無いので、以下に若干補足する。
**********************
 1954年6月。京都朝日会館のE/Lを降りると其処は15世紀末であった。
 観客席は男性で満席だった。
 お目当てはボルジア家のルクレチア姫に扮するマルチーヌ・キャロル。

 兄チェザーレの政策に利用された彼女は、アラゴン公と結婚。その祝宴は正に此の世の地獄であった。
 囚人が焼殺され、兵士は狩猟の的にされた。犠牲となった兵士パオロの告白から、ルクレチアの情事が明らかになって行く。
 という概要を一言で言い表せば、酒池肉林か。

 
  (映画は、カラー作品)

 前年(53)末「浮気なカロリーヌ」で一躍その名を轟かせたマルチーヌ・キャロルは、当時の若い男性の心を捕らえ離さなかった。(官能描写が乱立する現在から見れば、どうこういう内容では無いのだが)
 クリスチャン・ジャック監督と、マルチーヌ・キャロルが再び組んだ「女の平和」を上映する1956年11月3日の京都田園シネマ。私の鑑賞記は次の拙文で終えている。
 この日の最終回上映は、マルチーヌ・キャロルのお色気を求める男性観客で満員^^;)。

 [私の評価]中の下レベルか?。
 1952年(54公開).仏[監督]クリスチャン・ジャック[撮影]クリスチャン・マトラ[音楽]モーリス・ティリエ[主な出演者]マルチーヌ・キャロル。★ペドロ・アルメンダリス。マッシモ・セラート[原題]LUCRECE BORGIA[上映時間]1時間50分。(★=強印象)
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ブリット

2010-11-09 18:48:00 |  映画(フ~ホ)
 1955年8月14日.今はその姿留めぬ大阪OS劇場で観た「これがシネラマだ」を思い出す。それは、サンフランシスコ金門湾にむくむくと雲が飛ぶ大空を背景に終わった。
 その3年後、アルフレッド・ヒッチコック監督の「めまい」では、坂道の美しいサンフランシスコの街並みから森に入る。
 この映画では、それらの風景が全編に渡り登場。強い印象を残す。

 

 中でも圧巻はカーチェイス。チンチン電車が走る軌道をすり抜け、登る坂道。金門湾がチラッと覗く。ドッスン!下り坂だ。対向車をすり抜ける。急ブレーキ。Uターン。いったい何分続いただろう。
 このカーチェイスと、サンフランシスコ飛行場での大アクションだけで、この映画を観た値打ちがある。多分、脚本が佳いのだろう。ストーリーの展開も滑らかだ。

 

 「要は結果。最善と思うことをやれ」含蓄のある台詞だ。この言葉を励みに、悪党の背後に聳える巨大権力に、職を賭して立ち向かうブリット。扮するスティーヴ・マックイーン。鮮やかの一語。

 [私の評価]中の上。
 1968年.米(WB)[監督]ピーター・イエーツ[撮影]ウィリアム・A・フレイカーー[音楽]ラロ・シフリン[主な出演者]★スティーヴ・マックイーン。ロバート・ヴォーン。ジャクリーン・ビセット。[原題]BULLITT[上映時間]1時間54分。(★=強印象)
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復讐するは我にあり

2010-10-15 17:04:25 |  映画(フ~ホ)

 今回で3回目の鑑賞。数年前に観た際に最も感じた事。それは、専売公社集金員2人の刺殺に始まる絞殺や惨殺事件の残虐性。加うるに強姦や同棲等官能描写の多さだった。
 1958年現実に発生した事件がモデルとは云え数々の榎津厳の行動は、現実社会への凶悪犯罪助長を危惧したものだ。その後もやはり事件は絶えぬ。
 その想いは変わらぬものの、今回は新たな想いにも耽った。それは人間の業についてである。

 
 (映画はカラー作品)

 死の直前に父に向かって平然と「あんたを殺すべきだった。親父、加津子を抱いてやれ」と嘯く榎津。だけど彼は殺せなかった筈。舟の供出を強要した軍人に殴られる父を護った厳少年ではないか。
 榎津家を健気に護る息子の嫁に心が動く父。信仰との狭間で苦悩する鎮雄の背を流す加津子。官能描写も、厳とハルの情事等も含め、今村昌平監督の前には、その必然性さえ感じて来る。

 

 二人の関係に「私も女じゃけぇ、お父さんを加津子に渡しとうなか」と、病める母。榎津家一族を巡る魂の遍歴は、いろいろと考えさせられるものがあった。
 鎮雄と加津子が厳の骨片を空に向って投げるラスト。そっと一片だけマントの袖に偲ばせる鎮雄の姿に、今村昌平監督のこの作品に掛ける意気込みを垣間見た気がする。
 と、同時に、同じ自分でも、時の流れは鑑賞所感を微妙に変化せしめる。人が違えば感想も異なるのは当然。反論はネタバレよりもルール違反度が高いとも、ふと思った。

 [私の評価]消え去らぬ課題は気掛かり乍ら優れた作品です。
 1979年.日(松竹)[監督]今村昌平[撮影]姫田真佐久[音楽]池辺晋一郎[出演]緒形拳。三國連太郎。倍賞美津子。ミヤコ蝶々。小川真由美。清川虹子。フランキー堺[上映時間]2時間20分。
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 庭の秋海棠いま花盛り(2010/10/14撮影)

 

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プロフェシー

2010-10-10 12:30:08 |  映画(フ~ホ)
 この映画の事前知識は全く皆無だった。ウェスト・バージニア州で実際に在った話らしい。観ているうちに、オカルト系作品と気付く。苦手なジャンルだ。論理的に不可解な事が多いから。
 それでも「エクソシスト」や「オーメン」等は観て来て居る。さて、この映画。新聞記者ジョンの妻は2年前に交通事故で他界。その際「あれを見た?」と発した言葉が気がかりだった。
 やがて彼と其の周辺に怪奇な現象が多発する。然し乍ら、ワシントンDCからリッチモンドへ向かうジョンが、遥か600㎞のポイントプレザントに来るなんて信じられぬ。

 

 この種の映画には必趨といってもいい電話器。ベルが鳴り過ぎ。亡妻からの電話など意味が無い。とか思いつつ、何とか見終えた。
 [私の評価]凡作と思う。
 2002年.米[監督]マーク・ペリントン[撮影]フレッド・マーフィ[音楽]トムアンドアンディ/ジェフ・ローナ[主な出演者]リチャード・ギア。ローラ・リニー。ウィル・キ゜ットン。アラン・ベイツ[原題]THE MOTHMAN PROPHECIES[上映時間]1時間59分。
------------
追伸。
 ラストの大惨事後、怪奇現象は消えたというから良かったね。とは言ったものの、予感とか不思議な現象を完全否定は出来ない。近親者の不吉を予感する話などよく聞く。霊感を持つ人も居るようだ。
 映画の世界には絶好の題材だろう。予言者はよく登場する。「情炎の女サロメ」(53)のヨハネ等々。
 予知能力を持つ少女が登場する「サイン」(02)は、題意を無理矢理に釈明していたけど、ピンと来るものに乏しかった。
 「第七の予言」(88)は、臨月近いデミ・ムーアの健闘が目立っただけと言えば失礼か。

 「時計じかけのオレンジ」(71)は佳かった。スタンリー・キューブリックが、数十年後の世界を予言し警告を発して居た。
 冒頭で物の怪が予言する「蜘蛛巣城」(57)では、「その事実を作り予言が当たったと言う」台詞が食い込む。
 運命は作られる。
*********
 実りの秋が来た。食卓を賑わす柘榴と栗。
 
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炎と剣

2010-10-09 10:09:01 |  映画(フ~ホ)
 56年前の今日観た映画として、昨日upする予定が1日延びてしまった。
 …以下、上記画像のコピー…
 円卓の騎士(6/12鑑賞)と同じく、騎士道華やかなりしアーサー王時代の武勇談。例によって、悪玉と善玉が戦い、最後に善玉が悪玉を破って、目出度し、目出度し。であるが、
 チャンバラ映画と一口にいっても、一時間半の間、興味を持って楽しく見せて来れるだけで、此の映画の値打ちは、それである。文句なしに面白かった。それだけである。
 ジャネット・リーが美しい。
 ----------------
 以上は、1954/10/8(金曜日)の鑑賞記。
 左上部の拙い絵は、当時のシネマスコープのスクリーン。現在のシネスコサイズのスクリーンとは異なり、湾曲していた。中央部が凹なので、気のせいかも知れないが、やや立体感を感じたことを思い出す。縦横比は1対2.35だったと記憶している。
 なお、この映画も、もちろん、シネマスコープであった。

 「若草物語」(49)以降、美貌で銀幕を賑わせ、「サイコ」(60)での豹変には驚かされたジャネット・リーだった。

 

 この映画では、水浴びをしていて、ヴァリアント王子(ロバート・ワグナー)を助けるアレタ姫を演じていた。
 主役級のブラック卿を演じるジェームス・メイスンは、甲冑に顔を隠し、悪玉ぶりを発揮していた。これは当時、ジャネット・リーの夫君トニー・カーティスへの配慮だったろうか?。まさか!。

 [私の評価]凡作と思うけど。
 1954年.米(20世紀FOX)[監督]ヘンリー・ハサウェイ[撮影]ルシアン・バラード[音楽]フランツ・ワックスマン[主な出演者]ジェームス・メイスン。ジャネット・リー。ロバート・ワグナー。デブラ・バジェット。スターリング・ヘイドン。ドナルド・クリスプ[原題]PRINCE VALLIANT[上映時間]1時間40分。
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不毛地帯

2010-08-06 11:08:10 |  映画(フ~ホ)

 冒頭、すべて架空の…云々の断り書きが出る。が、観ているうちに、剔り出される官民癒着の内幕に、沸々と湧き上がる興味を禁じ得なかった。
 第一に、ラッキード社なんて名前を聞けば、はは~んとなって仕舞うではないか。そんな些細な事はさておいて…。
①政界に巨額の実弾攻勢を掛ける内外の商事会社。
②事件をスクープした新聞社を差し押える内閣幹部。
③目の上のたんこぶ的存在である部下を左遷させたり、或いは逆に昇格させたりして、真実の封じ込みを計る政界幹部。
等々。
 日本映画にしては、腰の据わった描写に好感が持てる。
 それにしても、総理のあの出っ歯は目立ちすぎたな。

 

 映画は、そのような環境の中に巻き込まれる二人の親友が、お互いの信頼、思いとは逆な立場、方向に流されゆく悲劇を核に据えて、長時間を寸部も感ぜぬ、重厚の2字がぴったりするドラマを作りだしている。山本薩夫監督の力量が迸っているようだ。

 [私の評価]優れた作品です。
 1976年.日(東宝)[監督]山本薩夫[撮影]黒田清巳[音楽]佐藤勝[主な出演者]仲代達矢。丹波哲郎。山形勲。大滝秀治。小沢栄太郎。高橋悦史。田宮二郎。八千草薫。秋吉久美子[上映時間]3時間1分。

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ペリカン文書

2010-07-25 10:15:25 |  映画(フ~ホ)
 ひたひたと忍び寄る影。執拗に迫り来る足音。謎の追跡者は如何にも不気味。恐怖感が臨場的で絶品。
 キー・インの瞬間に車が爆発した以前の事故が、伏線となって活きて来るのが絶妙。いま正に、グレイがキーを廻さんとする直前に、何かを話しかけるダービー。その繰り返されるスリル感には満喫させられる。

 

 動もあれば、静もある。一夜に2人の最高裁判事が殺される謎。偶然にも事件の真実を突いていたダービーの論文。それはペリカン文書として保管される。如何にも興味を掻き立てるような設定が意を得て妙。
 事件の裏には、ペリカンを始め、野鳥生息湿地帯の開発を巡る訴訟問題があったのだ。
 なかなか粋で、お洒落なサスペンスを充分楽しませて貰った。

 [私の評価]準佳作。
 1993年(94公開).米(WB)[監督]アラン・J・パクラ[撮影]スティーヴン・ゴールドブラット[音楽]ジェームズ・ホーナー[主な出演者]デンゼル・ワシントン。ジュリア・ロバーツ。サム・シェパード。ロバート・カルプ。スタンリー・トゥッチ[原題]THE PELICAN BRIEF[上映時間]2時間21分。

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ホノカア・ボーイ

2010-07-17 14:35:02 |  映画(フ~ホ)

 題名の許となったホノカアを探した。それはハワイ島の北東部にあった。(トップ画像の赤色印) 
 其処は、ムーンボーを見たら願いが叶うという言い伝えがある町だった。ムーンボーとは、月に掛かる虹のことらしい。
 これに象徴されるが如く、全編ほんわかムードに包まれている。

 男子学生を演じた若者。「何処かで見た顔やなぁ」と思っていたら、3年前の映画「天然コケッコー」でも、ノッポの中学生を演じていた岡田将生だった。こういう役柄には向いている。

 

 なんだ、かんだ、在って、結局、彼は若い娘と…。これも自然の法則。文句はない。
 しかし哀れを誘うのは、毎日、即席ラーメンしか食べていなかった学生に、毎日、献身的な食事の奉仕をしてやっていた倍賞千恵子だ。
 この中年おばさま。学生への思慕が一杯だった。百戦錬磨の倍賞千恵子。流石に巧い。
 彼女は、蒸発したのか?死んだのか?。彼女の姿が消えたという事実のみで良いのかも知れぬが、省略し過ぎ。岡田将生の倍賞千恵子に対する感情が、私にははっきり見えぬからだ。
 演技力の差か?。演出の不足か?。それとも私の鑑賞眼の未熟か?。

 ほかでは、87歳の好色爺に扮していた喜味こいし。子供の頃からラジオで親しんだ人。実年齢は、もう数歳はお若い筈。今なお矍鑠とされて居て、嬉しい限りである。

 [私の評価]中の中。
 2008年(09公開).日(東宝)[監督]真田敦[撮影]市橋織江[音楽]青柳拓次/阿部海太郎[主な出演者]岡田将生。倍賞千恵子。長谷川潤。喜味こいし。正司照枝。松坂慶子[上映時間]1時間51分。

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