思い思いに鴨川に涼む人たち。
この風景だけは今も昔も不変です。
違っているのはスマホをいじっている
ということだけでしょうか?
学生時代、先斗町北の突当り、三条下ル辺りに
"グラスホッパー"というパブがありました。
所属していた同好会のコンパはいつもそこでした。
ボトルはヘイグかカティーサーク、時には
ホワイトホースといった所が定番でした。
パブで思いっ切り呑んで、食べて、ダべって
そして店を撥ねた後はすぐの鴨川へ下りて
酔いを醒ましたりしていました。ときどき
興が高じて対岸まで鴨川を歩いて渡ったり。
今から思えば、たとえ羽目を外しても
京都という街は学生には優しい街でした。
夏の夜になるとカップルたちが夕涼みを兼ねて
鴨川の河畔に坐り始めます。
これがまた隣が気にならない距離というか
この距離感がまたちょうどよい按配なのです。
カップルたちの大方はまじめに語らっているのですが
70年代のあの時代、中には進歩的なカップルも居て
大胆に抱き合ったり、はたまたチューをしている
者たちもいました。それでもあの時代はまだ
授業中に突然革マル系が来てアジったり
大学側との公開団交なんかがキャンパスであったり
学生運動の立て看が至る所にあったりと
まだまだ学生運動の影を色濃く引き摺っていました。
神田川の四畳半派もいれば、ユーミン系の都会派も
混在しており、それでもそれぞれが我が青春を
謳歌していたように思います。懐かしい思い出です。
東山よりの月待つ床涼み