陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

My screen モリのいる場所

2018年06月10日 | slow culture

“モリのいる風景”を観に行った。
94歳の画家、熊谷守一氏の、自宅の庭での
一日を描いた映画である。山﨑努が画家
その夫人を樹木希林が演じている。

この映画を観たいと思ったのは
画家の写生とはどういうものか
とても興味があったから。
俳人の写生とどう違うのか?
そこに興味があったからである。

寝転んだまま、蟻をじっと至近距離から
眺めつづけるモリ。正に俳人髙野素十のようだ。
そして蟻は左の二番目の脚から出すという。
付き添うカメラマンは何度見ても、蟻の脚が
早くて解らない。なるほど、これが写生か!?

自宅の庭といえども、そこは小宇宙。
色んな万物が存在している。すべてが対象だ。
またディテールを観察することの意義を
この映画から学ぶ。さてそれがど私的にはどう
身につくか不明であるが…。ふと、あの
童謡詩人の金子みすゞも同じだったろうなと
思ったのである。

■モリのいる風景
監督:沖田修一
主演:山﨑努、樹木希林

林与一が天皇陛下役で冒頭に登場している。
これが絶妙の演技である。
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