しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 詩篇120篇 <欺きの舌よ>

2017-07-04 | 詩篇

azusa「欺きの舌よ。おまえに何が与えられ、おまえに何が加えられるのか。勇士の鋭い矢、それに、えにしだの熱い炭火だ。」(詩篇120:3,4新改訳)

ここから120~134篇は「都上りの歌」という共通の題がついている。毎年エルサレムで行われる祭りに諸所方々から集まる巡礼者たちは、これを口ずさみながら、都への旅を続けたのであろう。たぶん、マリヤと少年イエスも、ナザレ村の人たちと仲良く唱和し合って上ったことだろう。▼しかしあの日、過ぎ越しの祭を祝うため、あらゆる地域から集まった敬虔で信仰深いはずの人々が、十字架につけられたマリヤの息子に、罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせ、唾をかけ、こぶしと唇を突き出して汚したのだった。「道を行く人々は、頭を振りながらイエスをののしって言った。『おお、神殿を打ちこわして三日で建てる人よ。十字架から降りて来て、自分を救ってみろ。』」(マルコ15:29,30同)▼マリヤはそれを見た。ふだんは決して見えなかった信心深い巡礼仲間たちの本当の心、それが欺きの舌にのせられ、口から出て息子に襲いかかって行くのを・・・。衝撃のうちに佇(たたず)む母マリヤ、そのときかつて出会った老シメオンの預言が去来したであろう。「ご覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人が倒れ、また、立ち上がるために定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。剣があなたの心さえも刺し貫くでしょう。それは多くの人の心の思いが現れるためです。」(ルカ2:34,35同)