しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 Ⅰ列王記8章 <神殿完成>

2020-07-09 | Ⅰ列王記

「こうして、ついに地上のあらゆる民が、主こそ神であり、ほかに神はいないことを知るに至りますように。」(Ⅰ列王記8:60新改訳) 

豪華の極み、ソロモンの神殿が完成し、奉献式が行われたが、本章はその模様を示す。12節~53節は王が神に向かってささげた祈り、56節~61節は民に呼びかけた王の勧めである。イスラエル民族が存在する目的は、彼らの敬虔な信仰生活を見て、「ついに地上のあらゆる民が、主こそ神であり、ほかに神はいないことを知るようになる」ことにあった。イスラエルが冒頭の聖句のように歩んでいれば、世界はたしかに唯一の神を信じるようになっていたはずだが、歴史はその反対になったことが悲しい。▼第一、このようにすばらしい祈りと勧めをなした王自身が、晩年には神をうらぎった。480年前、神がモーセに予告していたことは確かであった。「見よ、あなたは間もなく先祖とともに眠りにつこうとしている。この民は入って行こうとしている地の異国の神々を慕い、自分たちのうちで淫行を行い、わたしがこの民と結んだわたしの契約を破る。」(申命記31:16同)▼だがソロモンが民を代表して祈った祈りは、イエス・キリストにおいて成就したと見なければならない。ソロモン神殿は跡形もなくなったが、永遠の神殿であられる主イエスが天において、昼も夜も御父にとりなしを続けておられる。しかもその執り成しの内容は御聖霊により、ひとりひとりのキリスト者の心に、日夜聞こえているのである。37節には「どのようなわざわい、どのような病気であっても」とあり、あなたの民イスラエルが祈るなら、それを聞いて願いをかなえてください(39節)と記されている。▼いま世界中で新型コロナ・ウイルスのため病む者、死に至る者が発生し、大騒ぎになっているのは周知のとおりだ。しかしソロモンはちゃんとその解決のためにも、3千年前に祈りをささげていた。だから私たちは信仰と希望、確信を抱いて大祭司イエスに解決を求めてよいのである。