しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <エルサレムから声を>

2023-05-30 | アモス書
「彼は言った。主はシオンからほえ、エルサレムから声をあげられる。羊飼いの牧場は乾き、カルメルの頂は枯れる。」(アモス1:2新改訳)

アモスは南ユダ王国のテコア出身で、農夫であった。だが神から北イスラエル王国について預言するように命じられた人である。しかし彼はまず1章において、周辺の国々と諸部族に下される神の審判を預言する。その罪とはイスラエルとユダに対する残虐な行為であった。▼ダマスコに象徴されるアラム人はルベン、ガド、マナセの領地ギルアデに攻め入り、鉄の打穀機(だこくき)で住民を踏みにじった。アンモン人(ロトの子孫でイスラエルやユダとは親戚関係にあたる)はもっとひどく、ギルアデの地を奪うため戦いをしかけ、妊婦たちを切り裂くという極悪非道(ごくあくひどう)な行いをしたのである。その他、ツロはソロモンの時代、イスラエルと兄弟の契りを結んだのにうらぎった。ペリシテ人のガザも、エドムもそれぞれ選民に対して無慈悲な行いをして神に反逆した。これらの民の冷酷(れいこく)な仕打ちは、要するに神に対する罪であり、最後にはきびしいさばきをまぬがれ得ない、アモスはそう宣言する。▼私たちも、生涯において他人に愛のない行為、冷酷非情(れいこくひじょう)な行為をして苦しめるなら、神の審判の座の前に出てそれにふさわしい報いをかならず受けるであろう。とくに人を殺したり、傷つけたりすれば、まちがいなく永遠の火に投げ入れられるのを覚悟しなければならない。▼反対に、弱い人や力のない人に、愛情をもってなしたどんな小さな行為も、決して忘れられることはないであろう。